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#1 [。Я] 11/02/01 20:30
 
あなたは、

人に悩みを打ち明けられますか?

あなたは、

誰かが悩み苦しんでいるとき

耳をかたむけること

手をさしのべることが

できますか?

『一人で抱え込まないで』

人は簡単に言うけれど、
 

#34 [。Я]
 
沈黙の前の暗く重い空気が嘘みたいだった。

ナツミはリオの笑顔の力を感じた。

「あっ!せめてアドレス教えて欲しい!!」

リオはそう言って、慌ててポケットから携帯を取り出した。

「うん!」

ナツミは初めてリオの前で笑顔を見せた。

不思議とさっきの不安はナツミから消えていた。

何故かリオは信頼できるような気がした。
 

⏰:11/02/05 12:53 📱:Premier3 🆔:37kV7Qhg


#35 [。Я]
 
ありえない話だ。

しかし、生きていると、思ってもみなかったことが沢山起こる。

予想していたことのだいたいははずれ、良い方向にも悪い方向にも、事態は急展開する。

そんなことに誰もが何度も遭遇したことがあるだろう。
 

⏰:11/02/05 13:24 📱:Premier3 🆔:37kV7Qhg


#36 [。Я]
 
それから二人はよく会うようになっていた。

ナツミは少し勉強がおろそかになっていた。

掲示板に書き込む回数も減ってきた。

今までにないくらい、毎日が楽しかった。

勉強やネットに逃避していた毎日とは違った。

リオとの出会いがナツミの人生を変えた。

良い方向にも悪い方向にも。
 

⏰:11/02/05 13:25 📱:Premier3 🆔:37kV7Qhg


#37 [。Я]
 ‐6‐

赤や緑、青や白などの何色もの光が街中に広がっている。

クリスマスの時期だ。

夜の街は自然とカップルたちの姿が目立ってくる。



その中をナツミはひとりで家に帰っていた。

住宅地にもたくさんのイルミネーションがはりめぐらされている。

明るい夜だ。

しかし、空は暗かった。
 

⏰:11/02/15 09:23 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#38 [。Я]
 
「ただいま〜。」

玄関に入ると、両親の靴があることに気づく。

めずらしく早帰りだ。

廊下は電気がついておらず、暗かった。

そのせいか、余計にリビングから廊下にもれた光が目立った。



リビングのドアを開け、ナツミが中に入る。

その時目に入った光景は、クリスマスの時期とは思えない暗い雰囲気の漂うリビングだった。
 

⏰:11/02/15 09:32 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#39 [。Я]
 
ソファに弟が座っていた。

その横に母親。

父親はそのそばで立っていた。

机の上には小さな文房具がいくつか置いてある。

母親は膝に肘をつき、両手で顔を覆っている。

あとの2人も暗い表情だった。

ナツミは事態が読み込めなかった。

ただ分かることは、何か良くないことが起こったということだけ。

そして、これから何が起きるのか不安で仕方なかった。
 

⏰:11/02/15 09:41 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#40 [。Я]
 
ナツミは3人に近寄った。

それに気づいた父親はナツミの方を見た。

「おかえり。」

父親は静かに言った。

母親が顔をあげた。

何もかもに疲れきったような顔をしていた。

「どうしたの?」

ナツミは恐る恐る聞いた。

「達也がね、万引きした。」

そう言って、母親はまた下を向いて両手で顔を覆ってしまった。
 

⏰:11/02/15 09:54 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#41 [。Я]
 
息子が一度万引きしたぐらいでこんなにも家庭は暗くなるものなのかと、ナツミは思った。

次に口を開いたのは父親だった。

「今日、駅の近くの文具店で達也が万引きするところを、ご近所さんの松嶋さんが見かけたらしい。達也とは知らずにすぐに店員に言って、追いかけたら達也だったからでびっくりしたと言っていた。しかも、達也が万引きしたのは1回目じゃないらしい、な、達也?」
 

⏰:11/02/15 10:04 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#42 [。Я]
 
達也が小さく頷いた。

達也が万引き犯だなんて、ナツミには信じられなかった。



達也は中学3年生。

今年は受験生だ。

成績は普通、学年の順位で真ん中よりは少し上くらいだ。

今は引退しているが、サッカー部でレギュラーだった。

友達は多い方で、休みの日はよく友達と出かけたりしている。

だからといって、勉強を全くしないわけではなかった。
 

⏰:11/02/15 16:50 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


#43 [。Я]
 
裕福な家庭に生まれ、頭もそこそこ良くて、運動もできて、周りの人からも好かれている。

人より少し恵まれているように思える。

幸せそうな人生だ。



しかし、何度も言っているが、人間誰しも悩みを抱えている。

達也もそのうちの一人だ。

そして、人生は思いがけない方向に傾くときがある。

良い方向にも、悪い方向にも。
 

⏰:11/02/15 17:00 📱:Premier3 🆔:A2nrjRCA


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