大量生産の屑みたいな短編集
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#1 [我輩は匿名である] 11/02/01 22:41
屑みたいな短編集です。文才ありません。
□ 目次
■ のっぺらぼうの国
■ もし傘を貸さなかったら
■ 最低最悪のトンネル
■ ランチルームの怪奇
■ 新聞から始まった再会と別れ
■ 青汁
■ 香川人の野望
#131 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age
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#132 [○○&◆.x/9qDRof2]
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#133 [○○&◆.x/9qDRof2]
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#134 [○○&◆.x/9qDRof2]
「ほんと、動物好きだね」
「可愛いからなぁ」
そう言って、英輔はまた、甘く笑った。
麻衣には動物への興味などさらさらないが、英輔が趣味に傾倒する気持ちは、理解できる。時には、その趣味とはまた別の時間の使い道があるということも。
だからこそ、今日のような雨の日は、こうして二人で時間を共有する。
英輔もまた、休日の雨の日の読書を密やかな楽しみとしているのだ。
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#135 [○○&◆.x/9qDRof2]
「雨、止まないね」
視線を窓の外に移して、英輔が呟く。
「だからここにいるんじゃないの?」
「……それもそうだ」
また麻衣に視線を戻して小さく笑う。
「何言ってるんだか」
まだへらへらと笑っている英輔に呆れたように嘆息した。
どこか掴み所のない英輔だが、こうして過ごすこの時間が思いのほか心地好い。それが何故なのかわからなかったが、麻衣はいつの間にかこの雨の休日を待ち遠しく感じていた。
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#136 [○○&◆.x/9qDRof2]
コーヒーに口を付けた後、麻衣は読書に戻ろうと文庫本を手に取った。栞を挟んだページを開き、最後に目を通した一文の一行前から読み直していく。次第に文章が目に馴染み始め、物語に引き込まれていった。
しかし、ものの数分もしない内に、
「なぁ、佐々木」
再び英輔の声によって現実の世界に呼び戻される。
「……何よ」
返す言葉に険が籠もった。彼は麻衣がこんな邪魔のされ方を嫌っていることを知っているはずだ。それなのにどうして、今更、こんな声のかけ方をしてくるのだろうか。
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#137 [○○&◆.x/9qDRof2]
麻衣は苛立ちと訝しさとを混ぜたような視線を英輔に向けた。相変わらず、英輔は安っぽい笑顔を浮かべている。
そして、唐突に、
「結婚しよう」
そう言ったのだ。
からん、とグラスの中で氷が音を立てた。その拍子に、グラスの側面に浮いていた汗の玉の一つが雫となって、ガラスの表面を滑り落ちていく。
ああ、そうだったのか。
不意に麻衣は理解した。
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#138 [○○&◆.x/9qDRof2]
麻衣が、何故、どの男にも心を惹かれるものを見付けられなかったのか。何故、“彼女”のことを考えると胸の中がモヤモヤするのか。何故、英輔と過ごす雨の日を待ち遠しく感じていたのか――その事に、漸く、答えが出せた。
雫はテーブルに溜まった小さな水溜まりに混ざり、その一員となって目には見えなくなっていった。
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#139 [○○&◆.x/9qDRof2]
「…………読まないの?」
麻衣はテーブルの上のブックカバーを掛けられた文庫本を、人差し指でとん、と叩いた。
「え? ああ、読むよ。久しぶりにシートン動物記を持って来たんだ」
「そう。懐かしいわね」
そう言って麻衣はページに視線を落とした。
「あれ? 佐々木、返事は?」
「返事?」
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#140 [○○&◆.x/9qDRof2]
質問には答えず逆に英輔に問い掛ける。丁度、ページの最後を読み終わったところだったので、麻衣はページを繰る為にのその端に指を掛けた。
「いや、だから……」
言葉を濁した英輔にちらと目だけで先を促す。真剣味のなかった彼に初めて焦りのようなものが見えた。
「俺、一応プロポーズしたんだけど」
「冗談でしょ?」
一言の元に斬って捨てた麻衣はページを捲る。
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