サクラ

初小説です、

長編になると思いますが

お付き合いいただけたら嬉しいです

「あれ、俊会計？美緒と喋った？」

「別に、ごちそうさまでした」

目も合わせずにスタスタと店を去っていく俊くん

私は慌てて龍之介さんの元へ駆け寄った

「あのっ！私、俊くんを怒らせるようなこと...」

「俊、確かに怒ってたような気がしたけど...まぁ今度聞いとく！」

「はい、お願いします....」

なんだか今日は気持ちが晴れない

俊くんがどうして怒ってしまったのか

私は彼のこと何にも知らない

彼のこと気にしだしているからこんな気持ちになるのかな...？

次の日

「おはよう、美緒！彼とはお喋りできたのかーい！」

暗い私とは正反対で沙織は元気がいい

「おや、その様子だとダメだったのね」

「うん、何か怒らせちゃった」

「怒らせた？なんで、どうしたのよ」

沙織はいつになく心配そうに問いかける

「ううん....大丈夫、次の日曜日また行って見るから」

そういって私はまた日曜日、あのカフェに足を運んだ

「ｶﾗﾝｶﾗﾝ....」

扉を開けるが龍之介さんのいつもの声はない

「・・・・あれ？龍之介さん・・・？」

ヒールの音を弾ませながら店内を見渡す

コーヒーのいい香りはするけど龍之介さんの姿はない

「龍さんなら、今買い出しだよ。」

突然耳に届いた声

「あ、俊くん・・・・」

「表の看板みた？定休日っての」

俊くんの呆れたような表情を見つめる

「あ、えと、見てなかった・・・・です、じゃあ帰らないと・・・」

なんだか重苦しい雰囲気を感じ慌てて入り口の方へ進む

「あ、待って・・・・」

「えっ？////」

つかまれた腕、一気に体温が上昇した

何が起こっているか頭の整理がつかないまま

俊くんの目を見つめる

「あの、さ・・・・えっとコーヒー豆買いに行ってるし、その...」

「・・・・」

「すぐ来るから待ってなよ、」

珍しく彼が少し赤くなっていた