タイトルは未定です
最新 最初 全 ![🆕](http://img.ryne.jp/emoji/63874.gif)
#1 [蜜柑] 11/02/11 01:43
#5 [蜜柑]
小銭を握り締めて歩いてるとなんだか初めてのおつかいみたいだな
なんて考えながら、むふふな顔で体育館横の自販機を目指した。
端から見たらかなり気持ち悪い女だが、私のオレンジジュースへの欲望は誰にも止められないのだ。
:11/02/11 01:50
:P906i
:GsAzlqk2
#6 [蜜柑]
自販機に100円玉を投入し、オレンジジュースのボタンを押した。
何も起きなかった。
もう一度押したが、やはり何も起きない。
おいおい、どういうことだ。
私は少し苛々しながら自販機を見上げた。
私は目に飛び込んできた文字を疑った。
【¥110】…だと…!?
:11/02/11 01:53
:P906i
:GsAzlqk2
#7 [蜜柑]
いつの間に値段を上げやがったんだ…
収入を得る能力のない学生達から金を巻き上げるつもりか…
日本の自販機メーカーめ…
私は思案した。
教室は4階…一度戻ってまたここへ来るのは不可能だ…
決して不可能などではなく、完全にめんどくさいだけだった。
というか金がないんだからどうせ戻るしかないのだが
私は何とかジュースを買うことはできないか、と考えていたのだ。
:11/02/11 01:55
:P906i
:GsAzlqk2
#8 [蜜柑]
「どうしたん?」
思案する私の背後から何やら声がした。
周囲に人がいるとは思っていなかった私。
驚いて振り向くと、学ランのボタンが…
じゃない!
目線を上げると男の子が立っていた。
「10円貸したろか?」
:11/02/11 01:56
:P906i
:GsAzlqk2
#9 [蜜柑]
なんということでしょう。
私には彼が小銭の神様に見えました。
『はい!ありがとうございます!』
私は満面の笑みで両手を差し出した。
よく考えれば図々しいにも程があるが、その時の私は完全にジュースのことしか考えてなかった。
すると彼は笑いながら10円玉を手に乗せてくれた。
「こないだから10円値上がったからな」
『はぁ、知らなかったです。』
朝礼とかで言ってくれればいいのに。
心の中で舌打ちした。
:11/02/11 01:58
:P906i
:GsAzlqk2
#10 [蜜柑]
とにかくこの人のおかげで助かった。
ジュースを買って、再び彼を見た。
知らない顔…3年生かな?
「俺もオレンジにしよ」
彼は小銭を入れ、ジュースを購入した。
そうか、彼もジュースを買いにきて、途方にくれた私を見つけたわけだ。
私は納得して彼に一礼した。
『今度10円返しに行きます。ありがとうございました!』
彼はにっこり笑ってグラウンドに。
私は念願のオレンジジュースを手に、スキップしながら教室に向かった。
:11/02/11 02:00
:P906i
:GsAzlqk2
#11 [蜜柑]
「あ、おかえり―‥どうした?」
紗代は教室に入ってきた私に声をかけた。
『な…なんでも…』
スキップで階段を上った私は教室に到着するころには軽い呼吸困難に陥っていた。
椅子に座り、息を整える。
美香は何も言わずに私の背中を撫でてくれた。
優しさプライスレス。
:11/02/12 22:35
:P906i
:fk.0jQ/.
#12 [蜜柑]
紗代と美香は何やら話しているが、私は聞き流していた(←おい)
落ち着いたところで私はオレンジジュースのパックにストローをさした。
窓から見える四角い風景を見ながら、なんとなくさっきの出来事を思い出す。
背高かったな…
私の目線は第2ボタンくらいだった。
ちなみに私の身長は150cmくらい…
:11/02/12 22:43
:P906i
:fk.0jQ/.
#13 [蜜柑]
『あっ…』
そこで思い出した
彼の名前を聞き忘れたことを。
「え?」「何?」
紗代と美香が同時に振り返った。
私はさっきの出来事を話した。
:11/02/13 23:24
:P906i
:KhuoEORc
#14 [蜜柑]
話を聞いた紗代の第一声。
「おい、ジュースの値段上がったとかマジか」
『えっ。突っ込むとこそっち?』
「要するに、小銭の神様の名前もクラスも分からないからどうしようって話でしょ」
美香が話をまとめてくれた。
いつの間にか彼の名前は「小銭の神様」に決定していた。
:11/02/13 23:52
:P906i
:KhuoEORc
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194