繋いだ手
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#1 [弘] 11/02/15 22:18
実際に在った話を元に書いていきます。
フィクションである以上医療的なご指摘はご遠慮頂きます。ご了承下さいませ。
【感想板】http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4893/
#2 [弘]
掻きむしって 乱れた髪
痛みを向けた ボロボロの首
そして横たわるのは ベッドの半分もない
小さく丸まった 彼女の体
:11/02/15 22:24 :SH05A3 :☆☆☆
#3 [弘]
いつも"大丈夫"そう言って
僕に笑顔ばかり向けていた。
苦しそうな自分を見ると
落ち込む僕を気にして。
支えられているのは、僕。
今も尚、後悔は止まない。
:11/02/15 22:34 :SH05A3 :☆☆☆
#4 [弘]
付き合い始めてすぐ、僕は
彼女に病気があることを知った。
友達であった時は、笑いながら言われた病気。
改めて聞いてみても、
今まで聞いた事もない
病名に症状だった。
呆気に取られた僕を現実に引き戻した一言。
"一生、治らないの。"
その言葉だけが、僕に重大さを伝えていた。
:11/02/15 22:41 :SH05A3 :☆☆☆
#5 [弘]
何かに失望した様に、明らかに焦る僕に
彼女は落ち着かせる様にこう言った。
でも、悪化しないかぎり普通の人と一緒だから。
それを聞いて安心した。
安心しきっていた。
恥ずかしいし情けないけどその時僕は彼女を支えられる気なんて微塵もなかったから。
:11/02/15 22:45 :SH05A3 :☆☆☆
#6 [弘]
当然、と言われれば当然だけど。
僕も彼女も、高校2年生。
青くさい、只の餓鬼でしかなかった。
でも、気持ちの上で 自分の気持ちを愛だと信じて疑わなかったのが、唯一の自信だった。
:11/02/15 22:49 :SH05A3 :☆☆☆
#7 [弘]
高校2年生の春。
クラス替えをしたばかり。
あまり人と関わらず目立たずを貫いていた僕は、それが仇となってか多数の女子に騒がれた。
今となっては容姿よりも一人でいるという雰囲気に惹かれていたのだと納得できるが、当時は返事をするのすら面倒だった。
そんな時、彼女は僕に踏み込んできた。
:11/02/15 23:45 :SH05A3 :☆☆☆
#8 [弘]
本当に些細な、忘れてしまうような一言だったんだけど。
今も尚、忘れられないし、この先もきっと覚えてる。
壁のない子だな。
なんて 呑気に考えてた。
そして、言い寄られた誰より彼女は話易かった。
そこから、僕等は始まった。
:11/02/15 23:49 :SH05A3 :☆☆☆
#9 [弘]
彼女には彼氏がいた。
僕は人が嫌いだった。信用してなかった。彼女なんて以っての外。
近くに居すぎて、僕等はよくからかわれた。嫌な気はしなかったけど。
同じクラスになってもうすぐ1年、雪の降る日。
彼氏と上手くいかないと僕に話す彼女を、彼女の視線を。
僕はついに自分に向けた。
:11/02/15 23:54 :SH05A3 :☆☆☆
#10 [弘]
いつも笑っていて欲しい。
なんでかって好きだから。
人にそんな事言った事無かったから、言葉の足りない告白だったと思う。
震えて、顔を見る所か、声を聞くことすら出来なかった。
次の日。
学校で机に突っ伏す僕の顔を引き上げて、元気におはようと言う彼女をまた好きになった。
そして、バレンタインが来た。
:11/02/15 23:59 :SH05A3 :☆☆☆
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