tears of rain

「そろそろさ、その悪い癖直せば？」

「別にとっかえひっかえしてる訳じゃないんだから問題無いとおもうけど」

「それをとっかえひっかえ‥って言うの」

「毎回本気。只冷めやすいんだから仕方ないじゃない」

ったく、男が可哀想だよ。

そう呟く目の前に座る友人に溜息が漏れる。
あたしだって別にわざわざ男を変えようとなんて思っていない。

一度は本当に恋に落ちる。
それが一目惚れであっても、半年続いた片想いでも。

でも付き合ってしまえば気持ちが無くなる。

周りだってそういうもんだと思っていたけれど私は例外の様で。

game感覚で男を堕として引っかける子なら沢山周りにいる。別に私はそんな事をしてるつもりはない。確かに昔は暇潰しと好奇心とでそんな事をしていたことはあったけれど、いつしか子供が玩具に飽きるようにそれにも飽きてしまった

「で、今の人はどうなの？」

「どう‥って」

「続きそう？」

「さぁ、どうだろうね。飽きさせなきゃ続くけど」

「今は？」

「好きよ」

「へぇ」

出会う、恋をする、付き合う、冷める

付き合い始めて三日目で冷めて、大体後の二日で別れる理由を考える。私の恋愛は５日間の期間限定キャンペーン

それ異常に続いた人なんて１人も居ない。
今は三日目、好き。

明日になればすぅーっと気持ちが離れていく

自分でどうにか出来るのなら困らない、出来ないからこうして困っているのに。

男を引っかけて遊んでいるという最低な女で仕上がってしまうのはどうしてなのか、

ね、本当に謎でしかない。
ちゃんと罪悪感もある

飽きた、冷めた、ごめんなさい

そんな風に別れを切り出したりしない

「じゃ、デートだから」

「最後のデート、いってらっしゃい」

茶化す友人にいつものことだと手を振ると教室を後にした。放課後デート、制服デートが出来るのももう一年を切った

携帯のサブ画面で化粧にヨレが無いか確認すると電車で一駅先にある喫茶店に向かった

「ごめんね、遅れて」

「別に」

「ふてくされないでよ、もう」

奥のソファーに腰を下ろしていた彼氏に声をかける。ごめんね、と頭を撫でれば煩わしそうにその手を払う

うん、格好良い

「今日はちゃんと学校行った？」

「あんたは親かよ」

「はいはい、何頼んだの？」

「珈琲」

「じゃあ私もそれにする」

すみません、そういって店員を呼ぶ

彼の好きな所は、冷たい所。

顔は普通、別に特別格好良いって訳でもなくて冷めた目に惹かれた。どうしてか私が好きになる人は何時も無愛想で冷たくて、片想いの時と変わらないときめきをくれるからなのか

只、優しい人が嫌いなだけか。