官能迷宮
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#13 [来春]
三郎はネットの世界では、現実では絶対出来なかったようなこと…例えば論破などキマッた時は優越感で気分が良かった。
三郎が唯一、威厳を張れる場所こそがまさに、そこにはあった。

⏰:11/04/03 16:37 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#14 [来春]
そんな彼がなぜ、アメリカの海辺にいるのか…それは母に原因はあった。

三郎の母は、元売れっ子AV女優であった。

⏰:11/04/03 16:42 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#15 [来春]
三郎が物心ついた時から、AV業界からは足を洗っていたのだが、何が理由かは分からないが母は超多額の借金をしていた。

それからずっと三郎のことを連れ、転々と逃げまわっていた。

⏰:11/04/03 16:46 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#16 [来春]
だが、こんどはそのマンションも出て、ニューハンプシャ―州のささやかな海浜にあるこの静かな避暑地へと逃れてきたのだった。


だが、三郎はどうも借金取りだけから逃げまわっているとは思いがたかった。

⏰:11/04/03 16:56 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#17 [来春]
母はずっと三郎の手を引きずるようにして、まるで何かから逃げまわっているようだ。


いったい、どうしてなんだろう。

⏰:11/04/03 16:57 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#18 [来春]
だが、1つ気になることが三郎にはあった。


それは、電話であった。 母の兄であり、三郎の叔父にあたる木村慎吾からかかってきた電話である。

⏰:11/04/03 17:09 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#19 [来春]
慎吾叔父さんから電話がかかってくるたび、母は怯えているように見えた。

だが、このアメリカの小さな海辺の近くの安モ―テルに来てからは電話は来なく、安心しかけていた。

⏰:11/04/03 17:11 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#20 [来春]
だが、足がつくからと三郎の携帯は解約され、日本にいても遊ぶ友達も居なかった彼は、ますますやることなく、毎日モ―テルでゴロゴロしたり、ただぶらぶらと過ごしていた。


そして気がついてみると、三郎は海辺に立っていた。

⏰:11/04/03 17:17 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#21 [来春]
ここへやってきた記憶もなく、そもそも何をしにきたのかもわからなかった。


昨日母と二人で観ていたテレビの連続コメディも、ろくに覚えていない。

⏰:11/04/03 17:19 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#22 [来春]
「あっちこっち動きまわったから、疲れちゃったのね、きっと」


と、母が煙草をふかぶかと吸い、言った。

⏰:11/04/03 17:20 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


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