官能迷宮
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#51 [来春]
その日の夕飯では、箸がすすんだ。
「機嫌いいじゃない? なにかあったの?」
「ん―、別に」
母はなぜかはわからなくても、久しぶりにイキイキした息子を見ることができて嬉しいようだった。
:11/04/03 18:49 :SH07B :☆☆☆
#52 [来春]
「あ、ところで…こっちに来て落ち着いたじゃない?」
「…?」
「そろそろ働いてみる気はない?」
「…英語話せないし」
:11/04/03 18:51 :SH07B :☆☆☆
#53 [来春]
「たっくんに会いたい?」
「…なんで?」
たっくんとは、同い年のいとこのことであった。
たっくんは拓也叔父さんの息子だ。
:11/04/03 18:54 :SH07B :☆☆☆
#54 [来春]
拓也叔父さんは苦手だが、たっくんのことは尊敬している。
たっくんとは小学生以来あっていない。
:11/04/03 20:50 :SH07B :☆☆☆
#55 [来春]
たっくんは、勉強、運動となにをやらしても優秀だった。 さらに、彼はかなりのプレイボーイであった。
小学生の時点で童貞卒業、三郎は嫉妬どころかそんなたっくんが誇らしかった。
:11/04/03 20:53 :SH07B :☆☆☆
#56 [来春]
たっくんは、なんというか独特のオ―ラを持っていた。カリスマ性、いや多分器の大きさが尋常ではなかった気がする。
そんな彼は、いま母に連れられ逃げまわっている自分をどう思うだろうか…
:11/04/03 20:56 :SH07B :☆☆☆
#57 [来春]
「そのうち会えるわ」
気遣ってくれている母の目の下はくまができており、頬も少し痩せている気がした。
久しぶりにちゃんと母の顔を見て、三郎はショックな気分になった。
:11/04/03 20:59 :SH07B :☆☆☆
#58 [来春]
「…母さん、具合は大丈夫?」
「悪くないわ」
そう言いながら、煙草に火をつけ食後の一服をしだす。
三郎の母は、三郎と違いたくましく思えた。
きっと自分は父に似てるんだろうな。
:11/04/03 21:01 :SH07B :☆☆☆
#59 [来春]
「どれくらい体重が減った?」
「三郎、痩せることとお金持ちになることは、どこまで行っても行きすぎってことはないのよ」
そう言って、三郎に笑かけた。
:11/04/03 21:03 :SH07B :☆☆☆
#60 [来春]
「母さん―」
「もうその話はなし。 大丈夫だといったら大丈夫なの。 」
その夜、なんとなく三郎はTENGAを使わなかった。
:11/04/03 21:05 :SH07B :☆☆☆
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