Rain
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#1 [主] 11/04/09 02:25
あの日もこんな雨の日だった。
君は今どうしてる?
笑ってる?
泣いてる?
大切な人と一緒にいる?
#2 [主]
「しーくんもう帰るのぉ?」
美月は上目遣いで聞いてくる。
「雨だし‥ひどくなって濡れるの嫌だから帰るわ」
外は雨が降り始めていた。
:11/04/09 02:30 :N02A :☆☆☆
#3 [主]
「えぇ〜やだぁ!泊まっていけばいいじゃん」
「俺明日も学校だし、美月んちから遠いから帰るよ」
美月は大学3年でいかにも今時のギャルだった。親の金で一人暮らし、バイトもしてないから毎日暇らしく俺を呼ぶ。
:11/04/09 02:32 :N02A :☆☆☆
#4 [主]
美月に逆ナンされたのが2ヶ月前。それ以来、俺たちはセフレだった。
「傘借りるよ」
俺は美月の返事を待たずにベッドから立ち上がり、玄関へ向かう。
「しーくん、美月、しーくんの彼女になりたい」
:11/04/09 02:34 :N02A :☆☆☆
#5 [主]
「俺、今彼女とかいらないから」
玄関で美月が裸のまま背中に抱きついてきた。
俺は振り向かずそう言った。
彼女はいらない。
いや、本気で好きになるってのがわかんないだけか。
今まで女に困ったことはないし、適当に彼女もいた。
だけど俺に寄ってくる女は皆、中身のない空っぽの女ばっか。
束縛されて嫌になって別れる。
これがいつものパターンだった。
だから彼女なんていらない。
:11/04/09 02:37 :N02A :☆☆☆
#6 [主]
美月の家を出て、車に乗る。
「雨やべーなぁ。」
思わず独り言がでる。
車を走らせながらタバコをとろうと前から視線を外した。
ほんの一瞬だった。
「やべ!」
俺は急ブレーキを踏み、
車から降りた。
:11/04/09 02:40 :N02A :☆☆☆
#7 [主]
「危ないだろーが!どこみてんだよ!このくそ!」
降りた瞬間に浴びせられる罵声。
「ごめんね!大丈夫?」
見るとどこも怪我はしていない様子だった。
尻餅をついて、真っ白いワンピースが汚れたくらい。
「よそ見すんなら車なんか乗るな!」
罵声は続く。
:11/04/09 02:43 :N02A :☆☆☆
#8 [主]
顔を見ると、ものすごい美少女だった。この世のものとは思えないくらい、綺麗だった。
不覚にも見惚れてしまった。
これが美里との出会い。
「あーワンピ濡れたし、最悪!」
「あーごめ「あー!!」
美里は俺の言葉を遮って、地面に落ちた教科書を拾っていた。
:11/04/09 02:45 :N02A :☆☆☆
#9 [主]
「買ったばっかの参考書が」
"看護"
美里が拾ってる教科書には
この2文字が書いてあった。
「そんなに大事なもんなら弁償するよ‥いくら?」
「それ、あんたの金じゃないでしょ?」
「は?」
:11/04/09 02:47 :N02A :☆☆☆
#10 [主]
「あんたうちの大学の経済学部でしょ?調子のってるから知ってる」
美里は教科書を拾い終わって
立ち上がり俺をみていた。
調子のってる?
女に言われたのは初めてだった。
「あたしは看護学科。親に出してもらってる金で大学いってるんでしょ?」
:11/04/09 02:51 :N02A :☆☆☆
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