私たちの恋路

[今日暇？]

「え？暇だけど」

[じゃ、デートしよう]

「はあっ！？」

思わず大きな声が出た

周りがちらっと私を見た気がする

「なんでよ」

少しボリュームを落としそう言えば

[俺が暇だから]

と、有無を言わせぬ返答

俺様か、こいつは・・・！

[じゃ、今日４時に駅ね]

「わかったわよ」

私がそう返事をすれば満足そうに[じゃあ、]と電話を切る

・・・なんなんだほんと

私は携帯を閉じ机につっぷそうとした

「わっ！」

「ひゃあっ！？」

後ろから驚かされて振り向けば桜の姿

両手にはイチゴサンドといちごみるくを抱えている

くどくないの・・・？

「なあに？結花たんデートですかあ？」

楽しそうな桜に私はにっこり

「ち　が　う」

「えー？でも結花たん桜に何か隠してるでしょ？」

「へえっ？」

「あ！声裏返った！ほらほた桜に隠し事はなしでしょー！？」

こうなってしまったらもうお手上げだ

「実は」

私はおおまかに昨日あったことを説明した

「えー！すごい！」

桜のツインテールがぴょんっと揺れた

「それはもう出会いだよ結花たん！」

「えー、そう？」

面倒くさそうな私と対照的に楽しそうな桜

「とりあえず絶対デートすべきだよ！うわあい！」

なんで万歳してるんだこの子は・・・

「だって！結花たんが・・・愁先輩・・・を忘れるチャンスだよ！？恋には恋を！」

桜は大きな声で騒いでいるけれど、愁先輩という名前の部分だけしっかりボリュームを落とすからなんだか憎めない

・・・馬鹿だけど、なんだかんだ好きなんだよなあ