もしも
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#1 [JOKER] 11/04/18 02:38
初心者下手糞ですが
皆さんの暇潰しになれたら
短編です。
#5 [JOKER]
耳にビビッドグリーンのイヤホンをして
パステルグリーンの自転車で坂を下る
春と言えやっぱり朝はまだ少し冷える
冷たい風が長い髪と制服を揺らした。
駅に自転車を停め、
大急ぎで改札で定期を翳した。
駅のホームの隅で、駅の自販機で毎朝必ず買うミルクココアで冷えた指先を温め
ホームを見渡す
:11/04/18 03:22 :816SH :☆☆☆
#6 [JOKER]
目に映るお目当ての人。
私と一駅違いの男子高に通う彼。
名前も知らない、声も知らない
同じ高校の友達と居ても無口でいつも離れたところでしか見た事がない。
一目惚れってやつです。
背が高く色白で少し茶髪で
鼻が高くて整った顔立ちに涙ぼくろ
いつ見ても綺麗な人。
:11/04/18 03:34 :816SH :☆☆☆
#7 [JOKER]
それに引き換え、私は地味で大人しくて
遠く離れた場所から彼を想う事しか出来なくて
彼の目に止まった事もなければ
彼は私の存在になんて気付いてすらないだろう。
「好きです。
入学したての一年前からずっと好きでした。」
そうやって声にならない言葉で伝えた
いつか届いたらなぁ。
私は入学してからの一年間こうやって
毎朝、彼に会える事だけが楽しみだ。
:11/04/18 03:41 :816SH :☆☆☆
#8 [JOKER]
彼が電車から降りる
「待って行かないで」
そう思った瞬間、彼が振り返り
目と目が合った
私の心臓は周りの人に気付かれるんじゃないかってくらい波打って暴れ回っていた。
彼は何事も無くそのまま電車を降りて行った。
今日はなんてラッキーな日なんだろう
私は嬉しくて、嬉しくて
跳びはねるように学校に向かった。
:11/04/18 03:47 :816SH :☆☆☆
#9 [JOKER]
「永江、ちょっといい来て」
正門の門をくぐると、高橋にそう呼び止められた。
「おはよ、どうした?」
「いいからお前ちょっと来て」
高橋は親友の彼氏だ。
:11/04/18 03:53 :816SH :☆☆☆
#10 [JOKER]
「なになに?こんな人気のないとこで
もしやアンタ私に告白?」
笑いながら冗談混じりで私は言った。けれど
「オレお前のこと好きなんだけど」
中庭の隅で高橋は真剣な眼差しで
私は目が点になり
しばらく沈黙が走った。
「え、まじ?」
「まじ」
「はるなは?高橋には、はるなが居るじゃん!もしや二人別れたとか?」
「違います」
:11/04/18 04:03 :816SH :☆☆☆
#11 [JOKER]
衝撃すぎる。高橋が私をそんな目で見ていたなんて。
はるなっていう可愛い彼女がいるのに
そんなわけない
真剣な顔で言わないで
いつもの冗談だよね?
「オレはるなより永江が好きになった。
永江への気持ちに気付いて
最初は諦めようとした、けど出来なかった。
はるなとは別れる。オレと付き合ってくれ」
いつもふざけてる高橋の真剣な顔に少しドキドキした。
動揺したがそれを隠し私は笑ってぼかしながら話した
「や、やめてよそういう冗談はるなと私は親友だよ?」
:11/04/18 04:16 :816SH :☆☆☆
#12 [JOKER]
「知ってる
けどオレ永江が、永江のことが誰より好きだ」
そのまま高橋の体が近付いて来て
離れようと身を後ろへ
校舎の壁と高橋の胸に挟まれ
キスされた。
私のファーストキスだった
突然の出来事で訳もわからず
抵抗すら出来ず
ぎゅっと目を閉じ
私はされるがまま高橋に唇を奪われた。
:11/04/18 04:25 :816SH :☆☆☆
#13 [JOKER]
高橋が唇を離すと、私は高橋の体を押し避けた
目と目が合い
高橋は真剣な面持ちのままで私を見つめ、
私は顔が赤くなり心臓が停止しそうなった。
無言で走り去ろうとした
「永江待って」
グリーンの革ベルトのウォッチ、左の腕首を掴まれ足を止めたが顔も合わさず
私は無言のままで
「本気だから、俺」
そういって彼は腕を離した。
私は走って二階の女子トイレへ行った。
:11/04/18 04:35 :816SH :☆☆☆
#14 [JOKER]
トイレの一番奥の個室に閉じこもり
私は恐る恐る唇を触った。
あの人にあげたかったファーストキス。
掴まれた左腕と、校舎の冷たい壁と
軟らかい唇の感触が、まだ残ってる。
胸の高鳴りが止まらない
私、高橋とキスしちゃった
どうしよう
はるなに合わせる顔も
高橋に合わせる顔もないよ
:11/04/18 04:46 :816SH :☆☆☆
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