スプレストカーパス
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#1 [とくめー] 11/04/30 19:55
#110 [とくめー]
『まもなく電車が参ります
黄色の線に…』
季くんの手が…
優しくて暖かくて…
あたしは、バレないように
季くんの顔を覗きこむが、
すぐにバレて
「もうすぐで電車来るね」と
季くんは笑って、
あたしの頭から手を離した。
するとゆっくりと、彼の唇が動いた。
「…まだ、望みはあるよ」
「え?」
:11/06/11 16:54
:P02B
:☆☆☆
#111 [とくめー]
「坂原先輩」
あたしは、季くんの言葉で
ふわっと気が軽くなった。
まさか、まだ望みがあるなんて
思っちゃいなかったから。
「そんなこと…わかんないよ」
あたしがそう言うと、
「わかんないだろ」
と彼は言う。
あたしは、なんだか嬉しかった。
まだ“可能性はある”
そんな気持ちになれた。
:11/06/11 16:58
:P02B
:☆☆☆
#112 [とくめー]
電車に乗ってから、
家の近くまで送ってもらうまでの間
くだらない話ばかりしていた。
綾乃がこーだとか
陽子があーだとか
ジジ部がなんだとか
先輩 とか…
「ありがとう、季くん。
ここでいい」
季くんと居ると時間を忘れちゃう。
:11/06/11 17:05
:P02B
:☆☆☆
#113 [とくめー]
「うん。」
「気を付けてね」
あたしは、季くんに背をむけて
歩き出した。
「なぁ!!」
後ろから大きな声。
大きな声出すなんて季くんらしくない。
:11/06/11 17:08
:P02B
:☆☆☆
#114 [とくめー]
あたしは振り向いて季くんを見つめる。
「どしたの…?」
「俺だって必死なんだよ…」
ボソッと呟く彼。
「何…聞こえない!」
その声はあたしには聞こえなかった。
だから、あたしは駆け寄った。
「ストップ!」
「!」
季くんは、あたしが近づこうとしたのを止める。
:11/06/11 17:14
:P02B
:☆☆☆
#115 [とくめー]
「俺、余裕とか…
全くないからさ、これ以上来ないで」
季くんとあたしは
1メートルくらいの距離が。
それより…
季くん、顔が真っ赤。
「ごめん。ほんと。」
「??」
あたしは、全く何が何なのか
なんで謝っているのか
わからなかった。
:11/06/11 17:18
:P02B
:☆☆☆
#116 [とくめー]
「…さっきさ、言ったよな
…望みある。って…」
あたしは、何が言いたいのか
わからないままだったけれど、
ただ、コクリと頷いた。
「だからさ、俺にもあるよな」
「え…」
あたしは、やっと理解した。
言葉の意味に。
「望み。」
怖かった。
季くんの表情が真剣すぎて。
:11/06/11 17:23
:P02B
:☆☆☆
#117 [とくめー]
「好きだ。」
あたしは何も言えなかった。
何もしなかった。
告白なんて信じられなかった。
季くんの真剣な眼差しは
しっかり胸の奥で何かを残した。
でも、二人の距離が
告白の答えだったんだと思う。
:11/06/11 17:27
:P02B
:☆☆☆
#118 [とくめー]
朝━━━━━…
あたしが家を出たのは
8時。わざと遅刻…。
携帯が光ってる。
きっと綾乃だ。
心配してる。
もしかしたら季くんのこと
聞いたかな…。
行きたくない気持ちを抑えて
学校に向かったのだ。
そう、あの告白の後━━……
:11/06/11 17:33
:P02B
:☆☆☆
#119 [とくめー]
『好きだ。』
『あ…ありがとうございます…』
『ハッ…バカ?』
彼が笑ってその場の雰囲気を壊した。
『バカじゃな…っ『気使うなよ』
『え…』
『御内さんの好きな奴はアイツっつーことわかってるからさ』
『…ごめん』
『うん』
:11/06/11 17:36
:P02B
:☆☆☆
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