　とろけるくらいの恋をしよう

｢俺、おまえが好きなんだ。｣

｢…ごめん、今付き合うとかそんな感じじゃないから…。ごめんね？｣

私、水野麻矢(ﾐｽﾞﾉﾏﾔ)はこうやっていつもことわっている。

あ…、行っちゃった。

嵐のように過ぎ去っていく先輩。なぞです。

てゆうか…、ずっと待ってろということ？

…はぁ…

でも、太一先輩と仲良くなれて満足だな…。

このまま付き合っちゃったり♪…はないかぁ。

あっても私の妄想の世界だけだな（笑）

だって先輩には彼女がいるんだもん。

はぁ…。

｢大丈夫ですか??｣

｢え…、はいっ。｣

急に声かけられて体がびくっと反応した。

この人、先輩の彼女の松田幸(ﾏﾂﾀﾞｻﾁ)先輩だ…。

｢太一が迷惑かけたよね…、ゴメンね？｣

｢い、いえ。｣

｢もう５時間目始まるけど、まだいるの??｣

…先輩と一緒なんて言えないな。

｢はい。まだ痛むので…｣

｢分かった。じゃ、お大事にね？麻矢ちゃん｣

幸先輩はﾆｺﾆｺしながら出ていった。

やっぱり可愛いなぁ…。

｢ごめん、まった？｣

先輩が部活から帰ってきたみたい。汗があまり出てないけど…。

｢大丈夫です。私痛みも引いてきたのでいきますね、さようなら。｣

｢ちょ、ちょっとまって！｣

　ﾁｭｯ

何が起きたのか、さっぱり。でも先輩の唇がボールに直撃したところに触れた…。

｢!!…っ///｣

私は恥ずかしくなって保健室を出てきてしまった。

ねぇ、先輩。彼女がいるのにどうしてそういうことをするの…？

急いで私は教室に入った。

｢どうしたの麻矢！？てかあんた大丈夫？｣

｢ハァ、ハァ…｣

涼の言ってる事があまり耳にはいらない。

私は自分の席に座った。

｢まあ、後で話聞くからね？まずは息を整えてね｣

涼、ごめん。今はちょっと心の整理もしなきゃ。

｢もう、わかんないよ…｣

その後、５時間目が始まったけど上の空だった。

ノートに私と先輩と幸先輩の関係図を書いていた。

先輩は幸先輩が好き…。幸先輩は先輩が好き…。私は二人の邪魔？