ようこそ"Le･Sourire"！

　
「おう、皆いるかー？」

「あ、店長ざまーす」

「はよざいます」

「店長おはよー！」

「はよ。あれアイツは？」

「来てないっすよー」

「アイツがちゃんと来る訳ねぇだろ」

「…だな、ったくどーしよーもねぇ野郎だな。ま、お前らだけにでも紹介するな。入っておいで」

「…はい。あ、初めまして！結代岬です。宜しくお願いします！」

周りを見ることなくパッと頭を下げお辞儀する。
　
　

　
「ははっ、カチカチだね！」

「いや、もうこれはガチガチだろ～！」

「ロボットみてぇだな」

「そんな緊張しなくて平気だって(笑)…顔上げていいぞ？」

そう言われ、ゆっくり顔を上げればイケメン勢揃い！

キラキラ眩しいです…(笑)
　
　

　
「あ、そだ。お前らも自己紹介しろよ」

「あー、じゃあ俺から。初めまして爽(ｿｳ)です。宜しく(ﾆｺﾘ)」

「宜しくお願いします！」

爽君はそこそこ背が高くて、とても爽やかな好青年。うん。凄く格好いい。

さっき出迎えてくれた人だ。

何だか優しそうだな…。

（わ、名前まで爽やかだ…！）
　
　

　
「俺は蓮(ﾚﾝ)。宜しく。」

「宜しく、お願いします」

蓮君は背が高くて、これまたイケメン。クールで少し話し掛けづらそうだな…
　

　
「僕は猛(ﾀｹﾙ)！皆からはタケって呼ばれてるから、岬ちゃんもタケでいいよ！これから宜しくね(ﾆｺﾘ)」

「宜しくお願いします！」

猛君は背が低くて可愛い系の男の子。笑顔が人懐っこくて性格も何だか可愛い気がする。

（女の子みたいだな…）
　
　

　
「ま、何か分かんない事とかあったらこいつらに聞いてくれ」

「あ、はい！」

「あ、後もう一人いるんだけどそいつ合わせて従業員はその４人だけ。むさ苦しいけどごめんな(笑)」

「いえ(笑)」

「ま、じゃあ後は爽。お前店の説明とか色々教えてやって」

「はいよ！」

「蓮とタケは店戻れ。んじゃ、ま、今日は適当にコイツらを真似てやりゃいいから。ゆっくり覚えていけばいいし」

「はい！」

自己紹介も終わり店長はそれだけ言うと、蓮君とタケ君とスタッフルームから出ていった。
　
　

　
「えーと、あ、まずじゃあ。ロッカーはここの空いてる奴使って。制服は中にあるからそれ着てね」

「はい！」

「それから、まぁこのスタッフルームは休憩時間とか自由に使っていいから。ソファーもあるし机もあるしテレビもあるからね。自由に休んでな」

「はい」

「あーとーは…、あ！主に蓮と店長がキッチンで他はホール。岬ちゃんもだよね？」

「はい」
　
　

　
「なら、まー何かあったら俺かタケに聞いて？しーは役に立たねぇと思うから」

「しー？」

「あ、しーってのは今日居ねぇんだけど、そいつは頼りになんねぇからさ(笑)」

「へぇー…」

「んじゃ、取り敢えず制服に着替えて？外で待ってるからさ」

「分かりました」

そういって爽君は部屋の外へ出ていった。
　
　

　
一通り説明を受け、なんとなく従業員の名前とロッカーなどは理解した。

私は言われた通りに、空いてるロッカーから制服を取出し急いで着替え始めた。

取り敢えず上着を脱ぎ、上の服に手をかけた瞬間…

―ガラガラ！

「…っ！」

「え」

「ギャーーーーー!!!!!!!!!」

「うわ！」

スタッフルームにある、少し小さめの窓から突然男の人が入ってきた。

（え、ふ、変質者！？）
　
　

　
取り敢えず私は部屋の隅に逃げしゃがみこんだ。

「え、ちょ、岬ちゃん！？どうした？大丈夫開けるよ？」

私の悲鳴を聞いたらしい爽君が慌てて部屋へ入ってきた。

「岬ちゃん大丈、ぶ…って、しー！！！」

「うぉ、爽やか君！」

「爽やか君じゃねぇ！てかしー何やってんだよ！」

「…いや、出勤？みたいな？」

「みたいな？じゃねぇよ!!!」

爽君と親しく(？)話すこの窓から登場した彼が例の"しー"さんらしい。
　
　