パズル

「あ、悪いけどあたし朝ご飯いらない！」
「あら、そうなの。そういえば、今日はいつもより遅いのね～」

ママは暢気な挨拶に次いで、暢気な返答

あたしのうっかりした性格はママ譲りだ！絶対。
今分かったことだけど。

>>6
嬉しいです
頑張るので、よろしくお願いしますね！

「寝坊したの。えーと、ハンカチハンカチ…じゃ行ってきまーす！」

あたしは勢いよく外へ飛び出した

外へ出ると部屋の涼しい空気とは、うって変わってむんとした空気が体中にまとわりついてくる。
今日はいつもに増して日差しが強いせいか、髪の毛が熱で暑くなっていくのが分かった

「間に合うかな…」
あたしは、いつもの通学路を小走りに腕時計を見た

８時15分
うちから学校までが、15分くらいで本鈴が鳴るのが35分だから…うん、ギリギリ間に合うはず！

キーンコーン…
「…っセーフ！」

あたしはチャイムと同時に教室に駆け込んだ

「おはよー暁！まだ先生来てないよ!!」
クラスメイトの千香が声をかけてくる

「よ…かったぁ～」

安心すると、髪の毛から汗が滴り落ちた。

うわ！あたし汗びっしょりじゃん！

席に着くと、千香が自分の下敷きであたしの首筋や頬に浮かぶ汗を仰いでくれた。

「おつかれさま」

「わー、ありがと」
こういう小さな親切って案外優しいものなんだよね(笑)

あ、そういえば紹介が遅れちゃいましたが…
あたしの名前は、既に知っての通り保科暁と申します。

そして、今あたしに情けをかけてくれているのがクラスメイト兼親友の篠山千香。

千香は、何というかすごく美人だ。
背は高く、スタイルがとても良い。日本人離れした顔立ちは、はっきりとした目に鼻筋がよく通っており、少し小麦色に焼けた肌なんかも千香の魅力をより際立てている。

それに比べてあたしはというと、顔は童顔でぷっくりしているし背が小さい上に、胸まで小さい。

ちなみに性格はというと、あたしはどちらかというと活発な方で、千香はあまり騒いだりしない大人な性格だ。

そんなあたし達は、幼なじみな訳だけど
まぁ昔から近所の人なんかには「二人とも性格が入れ替わったかのようだねぇ」と言われた。

要するに、あたし達は互いに容姿と性格が一致していない訳である。