きっと満ちてゆく。［BL］

はじめまして(^ω^)チャコと申します♪
この物語はBLを主題としております。BLに抵抗のある方は回れ右でよろしくお願いします！
誤字脱字、至らない点あると思いますが何とぞ温かい目でよろしくお願いします▽▲
感想板↓感想頂けたら号泣
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では、Start▽▲

　

机には３つ引き出しがあり、一番上は鍵つきだ。

いや…、さすがに引き出しは開けられないよな…
でも、ここまで来たんだし、正直なところ今すぐにでも原稿を持って帰らなくては危険なほど時間が押している。
会社から着信が来ないのが不思議な程だ。

『……うわぁ、コレ、マジで…引き出しってハードル高い…』

普通の俺なら開けない。

しかし、焦りと疲労感…そして緊張感。そんな重圧に苛まれた今の思考回路なら、そんなハードル軽々と越えてしまいそうだ。
　

　

ああああああ！！！

どうにでもなれ！！！！！

ガタッ

『ゴルァァァァアアア！！！ドリャァァアアア！！！！』

『！！！？？』

二番の引き出しに手をかけた瞬間、後方から人とは思えぬ奇声が響いた。
　

　

『ファチャァァァ！！！』

パッと振り替える――
と、ソレは再び奇声を発しながらひらりと飛び上がった。

宙を舞う、ソレ。

ソレは―――……………

間違いない。
先ほどまで安らかに眠っていた椎名先生だ。
　

　

しかしこれは幻覚だろうか。

今、宙を舞っている椎名先生には、先ほどまでの美しさは微塵も見当たらない。

振り乱した髪
そして、手にはフライパンを握りしめ、大きく振りかぶって――――――……

ガッシャーン！！！！！

『うぎゃぁぁぁあ！！？』

『は…？』

――――……

なにが起こったのか分からない。
　

　

スローモーションに見えたさっきの時間は実質１秒足らずだろう。

ただ俺はその短い時間に相手の表情を見、その表情と持っているもの(フライパン)から危険を感じ取り、体を右にひるがえしたのだった。

そして俺がそうしたことにより、椎名先生は――――…

『い、たたたたたぁあ！！』

机に突っ込んで、呻いている。

…――非常に、マズイ。
　

　

――…落ち着け

落ち着け、俺。

突っ込んだ拍子に机の上に積まれた書類が散乱し、そのなかでうごめく先生を見ながら、どうしたものかと考える…
いや、しかし、とにかく――…

『あ、椎名先生、あの』

『ダァアア！！！金か！！？？金ならキッチンの右下の扉の中だ！！！もってけぇ！！！』

とにかく先生の身を…と思って声をかけると、先生はぶつけたらしいおでこを押さえながらそう喚いた。
どうやらまだ戦闘モードらしい。
どうしたものか…―

　

　

『あのー……いや、俺…』

『いーからもってけ！！！通帳も全部そこにあっから！！！！！！！暗証番号はな、えっと…』

『ちょ、違……』

『た、たしか…１５…いや、１…８…？いや…い、いち…』

『だから…』

『待ってろ！！すぐ思い出す！！！』

『…ちょっと落ち着けって！！！！俺はドロボーでも通り魔でもねぇっつの！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！』

　

　

―――……………………

目眩がするほど声を張り上げると、その場がシンと静まりかえった。

椎名先生はというと、

キョトンとした顔でこちらを見上げている。

驚いたのか、少し涙ぐんで、
美しい顔に戻っていた。
白い腕が少し震えていて、その儚さは、まさに、雪の如く…

―――なんて見とれている場合ではない。

　

　

『…あ、の…』

エライことになった。
もう何も言い訳が思いつかず、その場に正座した。

そして名刺を取出し一言。

『私、ツミキ出版の編集部で働いております、藤和也と申します。……………大丈夫ですか？』

嗚呼

なんてサイテーな日なんだ。

　

＊訂正とお詫び＊

読み返したところ、TAKE２が２つありました…(;ω;)
今TAKE３(実質TAKE４…orz)が終了したところでありますが、このまま数字は変えずに、次はTAKE４から始めたいと思います(;ω;)凡ミス申し訳ありません！

読んでいる方いらっしゃるかわからないのですが…(笑)orz
とりあえずお詫びさせていただきました。チャン！