明日と呼べる日
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#1 [たいち] 11/10/16 23:52
 

想像出来ただろうか

あの日の事を

私たちは
まだ知らなかった

#19 [たいち]
 

「‥志木も一緒?」

「当たり前だろ」


「ずるーい
風邪でもないのに」

「亜希が心配なんだよ」

「本当?」

「本当だよ
家にも連絡したから」

⏰:11/10/19 00:46 📱:D904i 🆔:dN5LbF7U


#20 [たいち]
 
「大袈裟だよ
ママ心配してた?」


「うん、車で迎えに来るって。あと少しで学校に着くってさっきメール入ってた」


「やだなあー
恥ずかしいよ」

「わがまま言うな
だったらその熱
さっさと治せ」

額にひんやり冷たい
志木の手が触れた

⏰:11/10/22 22:50 📱:D904i 🆔:8sTc4uQk


#21 [たいち]
 

「ひゃっあ!
冷たい!」


「亜希の体温が
異常に熱いからだ」


笑って言ったその時
志木の携帯が鳴った


「あ、もしもし?母さん
今、うん。保健室
大丈夫、亜希連れて行くから。あー‥分かった
じゃ、あとで。」

⏰:11/10/22 22:55 📱:D904i 🆔:8sTc4uQk


#22 [たいち]
 
「ママ?」

「うん。校門で待ってるって。俺、鞄持つから亜希は‥‥‥立てる?」


「へーき」


そう思ったが
地面に立った足は
平気じゃなかった


ガクガクと震え
関節が酷く痛い


これは正真正銘、風邪だ

⏰:11/10/22 23:00 📱:D904i 🆔:8sTc4uQk


#23 [たいち]
 
「志木ー!!
降ろしてー!!
恥ずかしいってば!!」

「亜希がちゃんと
歩けるようになったら
降ろしてやるよ」

「もう‥‥」


廊下を歩き
校門へ向かう

なるべく他の生徒に顔を見られないように
伏せたつもりでも
女子生徒達の声が耳に入る

⏰:11/10/22 23:07 📱:D904i 🆔:8sTc4uQk


#24 [たいち]
 

そんな耳に入る声さえも
今この状態では
雑音にしか聞こえない


ただ唯一


志木の匂いが
私の心を
落ち着かせたのだった

⏰:11/10/23 00:43 📱:D904i 🆔:L1H8yv5A


#25 [たいち]
 

ママが運転する車で
私たちは家に帰る


後部座席で志木の肩に
もたれかかったまま
私はいつしか眠りに着いた


「すみません、心配かけて」

「何言ってるの!
お兄ちゃん有難うね
亜希を守ってくれて」

⏰:11/10/23 00:51 📱:D904i 🆔:L1H8yv5A


#26 [たいち]
 

「そんな、守るだなんて
お母さん、大袈裟だよ」


「あら、そう?」


ルームミラーから
目と目が合い
一呼吸おいて
また俺を見た

⏰:11/10/23 00:54 📱:D904i 🆔:L1H8yv5A


#27 [たいち]
 


数秒の事だった



ほんの数秒



沈黙が流れた



「あなたが亜希の
お兄ちゃんで良かったわ」

⏰:11/10/23 00:56 📱:D904i 🆔:L1H8yv5A


#28 [たいち]
 

「俺も、そう思います」


たとえ血が
繋がっていなくても

俺達はあの日から
家族なんだ

家族であり続けなければ
いけないんだ

そうなんだろ?
お母さん

⏰:11/10/23 01:00 📱:D904i 🆔:L1H8yv5A


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