躊躇いも嘘も、
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#1 [我輩は匿名である] 11/12/28 00:44
 
眠れない一晩限りのss
 
 

#3 [我輩は匿名である]
 しかしそれきり、彼女と会話を交わすことはなかった。おれは至極ふつうな男子生徒だったし、彼女はクラスメイトとのコミュニケーションで、毎日駆け回っていた。
 すこし、寂しい。いや、かなり寂しい。
 彼女がほかの誰かに笑いかけるたびに、おれのなかの焦燥感が鎌首をもたげた。どうしようもなく愛しいその姿に、ただ一度でも触れてみたいと思った。いけないと知りながらも、情欲の炎は燃え上がるばかり。
 そしておれは、見てしまった。

⏰:11/12/28 01:00 📱:H001 🆔:☆☆☆


#4 [我輩は匿名である]
 彼女が、泣いている。斜陽を一身に浴びながら、ただただ泣いているのだ。
 音はない。しゃくりあげる様子もない。ただ静かに、口元をかたくつぐんでいる。

「……見ないでよ」

 おれの存在は、いつの間にか彼女にバレていたらしい。彼女はおれをねめつけて言った。

「あんたなんかには、ぜったい分かりっこないんだから」

⏰:11/12/28 01:08 📱:H001 🆔:☆☆☆


#5 [我輩は匿名である]
 おれはもうどうすればいいのかわからなかった。いつも愛らしい笑顔を振りまいている彼女が、泣きながら牙を剥いているのだ。
 おれは彼女にとって気の許せる人間でないから、触れることなんてできない。当然ながら同情さえも、いまの彼女にとっては余計なお世話といったところか。
 ほんとうは、その涙を拭ってやりたいと思ったし、冷え切った心身を抱き締めてやりたいと思った。行き場を失った衝動が、彼女のうちを食い破るのなら、それがすべておれに向けばいいのにと思った。
 それでも、おれは彼女にとって他人であり、さしたる会話を交わしたわけでもない。彼女からすればおれは日常を彩るただの記号で、下手をすれば踏み台にすらならない程度の存在なのだから、今のおれには彼女のためにしてやれることなど、なにひとつないのだ。

⏰:11/12/28 01:17 📱:H001 🆔:☆☆☆


#6 [我輩は匿名である]
書かないの⁇

⏰:12/02/11 14:55 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#7 [我輩は匿名である]
 どうしようもない沈黙がおれと彼女を包み込む。それでも彼女の涙が止むことはないし、おれの緊張が治まることもない。どうすればいいのだろうと思案したところで、おれにはなにも出来ない。

「出てって」

 そのときのおれには、彼女の言葉に従うのが精一杯だった。動揺が喉元でせせら笑って、声すら出せない状況において、むしろなにが出来たというのだろうか。
 おれは彼女を救いたいという衝動に後ろ髪を引かれながら、やむなく背を向けた。
 彼女の特別になりたい。もう二度と泣くことのないよう、おれの胸で暖めてやれるよう。彼女がおれだけを、見てくれるように。

⏰:12/03/10 22:21 📱:H001 🆔:☆☆☆


#8 [我輩は匿名である]
ん―…

微妙

⏰:12/03/12 13:00 📱:SH07B 🆔:☆☆☆


#9 [我輩は匿名である]
 そう一度覚悟を決めてしまえば、もうなにも躊躇うことなどなかった。
 まず真っ先におれは彼女の友達になった。いや、友達というのはいささか無理があるかもしれない。彼女のグループの一員となった、というのが正しい。まだ彼女はまっすぐにおれを見ることはなかったけれども、おれは確かに彼女の周囲に溶け込み、また、上辺といえども定期的に彼女と談笑を交わすようになった。
 そして彼女の周囲にいて改めて

⏰:12/03/12 16:31 📱:H001 🆔:☆☆☆


#10 [我輩は匿名である]
誤爆したOrz
4キーが憎いぜ

気付いたことといえば、やはり彼女の笑みは花も綻ぶほどにかわいいということである。笑うと、ちいさく口角がへこむ。すると年中赤いほっぺがすこし持ち上がって、やけに突っつきたくなる衝動に駆られる。
 もしかしたらおれは、彼女のことを加護すべき小動物だと認識しているのかもしれないとも思う。背丈は小さいし、よく転ぶ。おまけにちょこまかと、動き回る。正直言ってしまえば、我が家のハムスターにそっくりである。

⏰:12/03/12 16:41 📱:H001 🆔:☆☆☆


#11 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/18 13:21 📱:Android 🆔:☆☆☆


#12 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-10

⏰:22/10/18 13:21 📱:Android 🆔:☆☆☆


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