桜舞うキミ__BL
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#1 [Rin] 12/01/03 01:44
キミが歩いたそのあとに、桜の花びらが舞う幻想を見た。


桜の時は儚く短い。
だからこそ美しい。


そんな桜の美しさを、キミは常に持ち合わせ


僕を常にときめかせる。

#2 [Rin]
外を歩けば汗ばむような初夏、僕は季節外れの桜が舞うのを見た。


正確には、見えた気がした。


人で溢れる商店街に、風景とは馴染まない和服姿。


周りの人も思わず避けるほどオーラを放ちながら、すらすらと歩き進む少年。


背筋がキレイに伸びていて、すらっと長身。
しかし女と間違うほど華奢でおしとやかな歩み方。


そして、あまりに美しい横顔。


誰もが見とれるほどだ。

⏰:12/01/03 01:56 📱:SH05A3 🆔:9iYindHg


#3 [Rin]
暑さからか、この人の多さからか、彼を見つめる多数の視線からか…。


いくらか不機嫌そうな表情は、なおさら美しさを増す。


僕は思わず足を止め、彼が横切るのを見続けた。


肩まで伸びた漆黒の髪がゆらりと後ろになびく。


彼が歩いたあとに桜の花びらがひらひらと舞い散るような、幻想的な雰囲気が漂った。


フラワーシャワーの演出でもしてるのか?と目を擦るが、そんなことはもちろんしていない。

⏰:12/01/03 02:07 📱:SH05A3 🆔:9iYindHg


#4 [Rin]
(キレイだ…。何者なんだろう。)


好奇心と、もう一度あの顔を見てみたいという欲に駆られ、僕は彼の後をつけた。


舞い落ちる桜の花びらを空中で掴もうとする人の性を、こんな季節外れの街のど真ん中で、今やろうとしている気分だ。


見失わないように先を急いだが、彼が歩く先は人並みが二手に別れる。
見失うことはなさそうだ。


しばらくすると、彼はどこか店に入った。


後について僕も入った。

⏰:12/01/03 02:16 📱:SH05A3 🆔:9iYindHg


#5 [Rin]
中に入ると、外から視覚になっている角の席に彼はいた。


店員の女の人は浮かれ気味にお茶とおしぼりを出す。


「いらっしゃいませ。久しぶりですね。」


と店員が言うと、ぺこっと頭を下げて返すだけの彼。


よく来るのか?


僕の所にも愛想よくお茶とおしぼりを出してくれた。


この店員さんもなかなか美人だ。

⏰:12/01/03 07:50 📱:SH05A3 🆔:9iYindHg


#6 [Rin]
いつもの僕なら同じ様に愛想よく返し、こんな美人なら連絡先を交換しようと会話するはずだ。


しかし今は、彼ばかり気になってそんな事すら思いつかない。


お店はわりとすいていてゆっくり出来そうなところ。


甘味処と書いてあったから、甘いものが好きな僕の休憩には良さそうだ。


メニューを開き、普通の客を装う。


彼も同じだが、男一人でこんなお店に入っておかしくはないだろうか。

⏰:12/01/03 07:56 📱:SH05A3 🆔:9iYindHg


#7 [Rin]
お喋りに夢中なおばちゃん二人に、老夫婦。


世代的にもやや浮き気味だ。


彼は…まだ若い?20前後だと思うけど、年上ではなさそう。


メニューを見つめながらよそ事を考えていたため、ちっとも決まらない。


そうこうしている間に、注文を取りに来た。

⏰:12/01/07 00:16 📱:SH05A3 🆔:ROBSzzrY


#8 [Rin]
「お決まりですか?」


「いや…どれも美味しそうで全然。」


にこっと微笑みながら言うと、嬉しそうな笑顔が帰ってきた。


「ふふ、甘いものがお好きですか?」


「はい。
よく通り掛かるんだけど、男一人で入る勇気がなくて。
でも、あちらの方が入って行ったのを見かけたので入ってきました。」


なにかきっかけを、と思い彼を話題に出した。


彼がこっちを見たので、同じように微笑み会釈してみた。


先程の機嫌の悪そうな表情は消え、いくらか穏やかな表情になっていた。


そして彼も少し照れたように微笑み、会釈を返してくれた。

⏰:12/01/07 00:27 📱:SH05A3 🆔:ROBSzzrY


#9 [Rin]
その顔もまた美しく、思わず見とれた。


「あの方はたまにうちに寄ってくれるんです。
結構いますよ?男性で一人のお客様も。
喫煙席もありますし、休憩される方が多いですから。」


「確かに、喫煙席はありがたいです。
長居してしまいそうですね。」


「えぇもちろん!
ごゆっくりどうぞ。
でもその前に、ご注文をお願いしますね。」


またふふ、と笑いながらそういう彼女。


「そうでしたね。(笑)
うーん…おすすめは??」

⏰:12/01/07 00:36 📱:SH05A3 🆔:ROBSzzrY


#10 [Rin]
セットならいろんなお菓子を楽しめる、今の時期なら冷たいぜんざいもいい、など丁寧に説明してくれたあと、こう付け加えた。


「ちなみにあちらのお客様は抹茶セットです。
いつもそれなので聞かなくてもわかります。
お抹茶のおかげで甘いものがたくさん楽しめますよ。」


彼も甘党なのか。


「うーん、じゃあ僕もそれで。」


かしこまりました、と店員さんが下がったあと、思い切って声をかけてみた。


「なんかいろいろ話題にしてしまってすみません。」

⏰:12/01/07 23:50 📱:SH05A3 🆔:ROBSzzrY


#11 [わをん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/12/09 12:51 📱:Android 🆔:uLIljJ1w


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