『あいむ、ゆあーず。』

世界がわたしに『死ね』と言いました

あなたはわたしに『生きて』と言いました

わたしの世界の中心は

貴方でいいですか…

「あれ、達樹おはよ！来るの遅いな～」

「おす」

どうやら見澤くんは知り合いのようで、にこやかに声をかけている

「！」

一瞬、達樹くんと目が合った

ぱっとそらしたけど、なんだか居心地が悪い

達樹くん、初めて見る人だな

うちの高校は大きくて人数も多いから、１年経った今でも見たことない人や名前のわからない人ばかりである

「じゃ、涼太！そういうことで！千波戻ろう？」

「あ、うん」

私たちは見澤くんにさよならをして教室に戻った

なんだろう

あの、達樹くんの何でも見透かすような視線が

頭から離れない

・・・

「ありがとうございましたー」

今日のバイトは１７時から２２時まで

私は近所のコンビにでバイトをしている

只今の時刻は２１時４０分

もうじき上がり、か・・・

ベルの音とともに「いらっしゃいませー」と声をかけた

・・ん？

今入ってきた男の子

誰かに、似てた？

ふと目に留まったお客さんが私の中に入ってくる

なんだか、どこかで見たような

コーヒーとノートを持ってレジ来たそのお客さん

た、達樹くん、だ・・・

頼むから隣のレジに行ってくれ・・！なんて願ったけど

今の時間帯お客さんは少なく、レジは私が立っているここのみ

ああ、逃げたい・・・

「いらっしゃいませー」

逃げれなかった！！

動揺がばれないように商品とにらめっこ

大丈夫

目があったのは一瞬だったし
向こうは私が同じ高校だ、とか気づかないだろうし！！

私は自分を納得させて

「お会計２点で２１０円になりますー」

なんて冷静を保つ

お釣りなく払ってくれた達樹くん

「ありがとうございましたー」

ほら、大丈夫だったよ
ばれてないばれてない

「こんな時間まで、バイトなの？」

ばれてたーーーーー

「っえ？」

私が驚いて聞き返すと

「よく働くね」

と一言

「あ、の」

「？」

何で私のこと分かったの・・・！？

「あれ、今日会った子だよね」

「え、うん」

「涼太の彼女の友達っしょ？」

「あ、そうですそうです」

「なんだ、反応薄いから間違えたかと思った」

達樹くんはそうやってふわっと笑う

なんか、見た目はクールだけど笑うとかわいくて優しそう・・

「遅くまでバイトお疲れ様、体気をつけて」

達樹くんはそう言って店を出て行った

びっくり、した・・・

「なあに～？い、ま、の！！！」

「！！店長！」