みうちゃん。
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#1 [ハム美] 12/01/23 02:51
暇潰しに書いてく。
読んでるひといたら反応くれると嬉しい。
#2 [ハム美]
■転がる。■
大学三年の夏のことである。
都内は亜熱帯程に気温も湿度も上がるので、炎天下の中外には出たくなかったが、たばこが切れたので、悠人は仕方なく家を出た。視界も歪むような暑さの中、徒歩10分程先にあるコンビニへ急いだ。生理的に吹き出す汗に嫌悪感が湧く。うざい。一度浮かんだ言葉はいくつも発生した。うざいうざいうざいうざい。ポケットの中の小銭の金額を再度確認した。金はある。ついでにアイスも買って帰ることにしよう。食べながら帰れば、この暑さだって少しはマシになる、筈。
:12/01/23 03:00
:P02A
:tOLZLq/.
#3 [ハム美]
やっとの思いでコンビニにたどり着き、たばことアイスを買った。ふと、コンドームが切れていたことを思い出す。
「こないだのが、最後の一個だったっけ」
つぶやいてレジへと持っていった。自動的に加算された金額を支払い、再度、エアコンの効かない屋外へと出た。アイスを舐めながら、もと来た道を辿る。アイスはじんわり溶けていく。
:12/01/23 03:04
:P02A
:tOLZLq/.
#4 [ハム美]
横断歩道を渡った。
否、渡ろうとした。
緑のランプが点いたので、歩行者の悠人は渡ってもいいはずだった。
大きなトラックが悠人をはぬた。溶けかけのアイスが飛ぶ。悲鳴が聞こえた。
一瞬のことだった。
:12/01/23 03:09
:P02A
:tOLZLq/.
#5 [ハム美]
痛いと思ったのはコンマ一秒。意識がなくなって、次に女の声で目が覚めた。
「林田さん」
聞き慣れない声だ。
ゆっくりと瞼を開く。白い天井、籠った消毒液の匂い。点滴。病院にいる、とすぐに理解した。事故で病院に運ばれたのだ。
:12/01/24 09:56
:P02A
:48t3/Igg
#6 [ハム美]
トラックに跳ねられたことはよく覚えている。「生きてた」と自覚しても大した感動は湧いて来なかった。ただ結果を知っただけ。
「林田さん、」
もう一度呼ばれた。看護師だろうか、ゆっくりと声のする方に顔を向ける。
看護師ではなかった。学生服を着た、肌の白い女の子。
「聞こえますか?林田さん」
「…あの、すみません。どちらさまですか。」
:12/01/24 10:02
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#7 [ハム美]
見覚えのない女の子は悠人がそう聞き返すと、急に表情を崩し、泣き出した。そして床に膝を着き、土下座をしはじめた。突然のことに悠人は付いていけない。
「申し訳ありませんっ、申し訳ありません!」
「ええ、あの、え」
「トラック、…あの、本当に申し訳ありませんでした!」
「はぁ、え?あの…」
「ごめんなさいっ」
「いえ、その、落ち着いて話してください。まずあなたは誰なんですか」
:12/01/24 10:07
:P02A
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#8 [ハム美]
「安斎美羽…です」
「安斎さん、あなたは何で俺の病室に?」
悠人がそう言うと、美羽はうつ向いて少し黙り込み、おずおずと話し始めた。
「あなたを跳ねたトラックを運転していたのは、私の兄です…」
「お兄さん、」
「はい。事故に合った直後、林田さんのご家族にご連絡しようかとも思ったのですが、連絡先がわからなくて…」
「ああ、まぁ…ね。」
悠人は施設で育った子供で、天涯孤独の身だった。施設の園長からは、朝施設の前に置き去りにされたと聞いている。国からの補助金と奨学金で、悠人は大学に通うことができるようになった。だから、家族はいなかった。
:12/01/24 10:15
:P02A
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#9 [匿名さん(´ω`)]
読んでます(*^o^*)
頑張ってくださいねe
:12/01/24 16:50
:S003
:☆☆☆
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