裁き人裁てり
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#1 [我輩は匿名である] 12/04/15 22:08
はじめましてm(__)m
初めて小説書きます。
文章が稚拙で読みにくいところが多々あるかもしれませんが、お付き合いいただけたら幸いです。
実在する地域を書いてますが、フィクションなので…
時代があやふやなところもありますが、頑張っていきたいと思ってます。
一部グロい表現、性描写もありますので気持ち悪くなられる可能性もあるかもです。
よろしくお願いします(^_^)
#2 [我輩は匿名である]
江戸時代も終わり…いつ頃かのはなし。
小倉の小料理屋「天凛」
店主の真作「おい、おとせ!早く客さんにお茶をお出ししねーか!」
真作は江戸から離れ、ここ小倉で夫婦で小料理店を営んでいる。
江戸に住み、板前の修行や生活をしてきた事もあり江戸っ子の頑固者である。
父親はかなりの飲んだくれで、酔っぱらった際に役人に絡んだ。その相手がまだ侍思想の抜けてない役人であり、日本刀で切られ、まだ真作が小さい頃に亡くなっている。
母親は病弱でありながら、内職に務め真作が江戸の料亭に修行に入ったのを見届けて亡くなっている。
真作は修行先の料亭の中居をしていたおていと結ばれ、子も生まれた。5年が経ち独立の許可が下り、おていの故郷である小倉へと移り住んだ。
始めは全く客が入らず苦労していたが、3年位たった頃、徐々に料理の才能が認められ客つきも良くなり、もうじき10年が経つ
「はい!ただいま」おとせは忙しく客にお茶を差し出す。
「全くすっとろい奴で」と真作はその初老の客に詫びる。
「いやいや、いつも良く働いとるやん、そのくらいにしとっちゃりよ」と客は笑う。
おとせも江戸育ちだが、生まれはここ小倉。
おていの父は結核を患い亡くなったが母親みつは健在で、小料理屋「天凛」の隣で住んでいる。
「それにしても、真作さんがこっちに来てもう10年がたったのう、もう凛ちゃんも良い歳やないかね?」と初老の客は心配そうに真作に言った。
:12/04/15 22:14 :SH05C :☆☆☆
#3 [我輩は匿名である]
一人娘の凛は今年で16歳、目鼻立ちが整っており、小柄な体型の割に膨らんだ胸。
肌は雪のように白く、まさに人形のようだ。
将来は医者を目指す学生で勉学が忙しいにも関わらず、両親の小料理屋を文句一つ言わず手伝い、客が料理や応対に無理難題なケチをつけて来ても、可愛い笑顔で気丈に優しく接する凛は天使のようであった。
当然、凛はこの小料理屋の看板娘であり、凛目当てで遠くからも客がくる位である。
:12/04/15 22:18 :SH05C :☆☆☆
#4 [我輩は匿名である]
器量も良く働き者。自分が嫁にしたいと求婚する者や自分の息子の嫁にしたいと申し出る者も少なくなく、この初老の客もまた凛の身の先の心配をしつつもさりげなく息子の嫁にどうか?と頼む常連みたいなものであった。
「あいつは医者になりたい夢があるんでさ、嫁ぐのはまだまだ先でさぁ、そろそろ昼時で忙しいですから失礼しますよ。」真作はそう言うと、調理場へと戻る。
さすがにあしらい慣れている。
そんなこんなで昼時で忙しくなってくる
外は雨…
:12/04/15 22:39 :SH05C :☆☆☆
#5 [我輩は匿名である]
「いやー、降ってきたな。オヤジ天ぷら蕎麦一つくれ」
威勢良く入るなり、カウンター席の真ん中にズカッと座ったのは、まだ二十歳位の男性。名前は恂、近くで文具屋を営んでいる。
「おや、恂じゃねーか。今日は忙しいかい?」真作はおしぼりを渡しながら聞く。
「ああ?景気悪ぃよ、山中のばばーが ケチばっかつけやがって!」
荒々しく話す恂に「山中さんはここらで一番の金持ちじゃねーか、あの人の悪口は止めといたが良いぜ。逆らった店主が店を失ったって話を聞くからな。」と諭す。
しかし、「あんなばばーにへらへらする必要があるか!いつかはガツンと言ってやった方が良か!」とおさまらない。
恂は山中屋に頼まれ、万年筆を作っていた。かなりの自信作であったが値段の高さから山中屋に奥方にクレームをつけられていた。
「素材にも拘っとったとぜ!畜生が!」と怒っていた恂も、真作の料理で腹を満たすと少し平静を取り戻した。
「そういや、凛は学校か?」と食後の茶を飲みながら真作に聞く。「何でい、凛を狙ってんのか?」真作の目が変わる。
:12/04/15 22:47 :SH05C :☆☆☆
#6 [我輩は匿名である]
「ちげーよ、この親バカが!ただそろそろ求婚してくる奴が多くなってきたんじゃねーかって気になっただけだ!」と恂は冷静に返した。
「そりゃそうだな、恂は凛を妹みてーに可愛がってくれてるもんな。まだやる気はねーけど、どうせなら金持ちに嫁がせてーな。俺やおとせのような苦労はさせたくねーや。」しみじみと真作は言った。
江戸から小倉に住み、店の経営や家賃の支払いに苦しみ、旅行にも連れていけない。それでも長い年月をかけて客もつき、凛を何とか大きな学校に入学させることができた。
その苦労があったからこそとも思うが、親だからこそ何不自由ない幸せを娘には掴んでもらいたい。それもまた親の想いとしての一つの真理である。
「へっ、しかしオヤジ、勇と想いあってるのはしってるか?」
勇。
彼は凛の幼馴染みであり、同じく医者を志し凛と同じ学校に通っている。
凛は毎朝、彼の家に寄り一緒に登校し、学校が終わると一緒に下校している。小さい頃から恂になつき恂も弟のように可愛がっている。
それは、真作も知っていたが想い合ってるとまでは思っていなかった。
それに加えて、勇の家は裕福ではなく、あの学校に行けたのも不思議なくらいだ。
:12/04/15 23:01 :SH05C :☆☆☆
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