願い事

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

教室に入ると一斉に私を注目する

自分の教室に入るだけなのにどーしてこんなに緊張するんだろ

ため息をつき席に座る

うちの学校は屋上禁止で入る人なんていない

唯一の居場所…なような気がした

ｶｰﾃﾞｨｶﾞﾝに入っている煙草を取りだし口に加えた

ﾌｰ

今日も天気は晴れ
青空が広がってる

「もうすぐ梅雨かなあ…」

「未成年の喫煙は法律で禁じてますよ♪大黒亜子ちゃん♪」

ふと声がした方に目をやると
スーツを着た若い男が立っている

私は慌てて煙草の火を消した

やばっ…だれ？先生…？

「ｸｽｯその慌てっぷり！ははっ♪」

真っ赤になった私を見て近づき男は私を見下ろした

「新担任の冴騎りくです♪大黒亜子ちゃん♪よろしくね♪」

ニコっと見つめる冴騎りくを私はどう反応していいかわからず私は走って屋上から出た

次の日

憂鬱な気持ちで私は学校へ向かった

"冴騎りく"

新担かあー

もう学校で煙草吸ってたの広まったかな？

謹慎？退学？

あ"ぁぁぁぁ
↑心の叫び

教室に入り席につく

相変わらずの視線

見られるの…苦手なんだよなあ…

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

「おーい､HRはじめるぞー」

げっ昨日の奴

"冴騎りく"

「りくちゃんおそーい！」
「昨日もちょーかっこいーね」

「はいっありがとう♪」

ｹｯ
ﾃﾞﾚﾃﾞﾚしやがって！

苦手苦手苦手

あっという間にHRは終わった

「あーそれと…大黒亜子！」

え

「放課後指導室きて」

そう言い残して
冴騎りくは教室から出ていった

「うわー…また何かやらかしたの？腹黒亜子」

「平和なクラスだと思ったのにさあーあいつのせいで平和じゃないよなー」

クラスがざわつく

あーまた変な噂がたつ
最悪

"腹黒亜子"

クラスのみんなはそう私を呼ぶ

腹黒でも何でもないのに…

放課後私は指導室に向かう

どーせ謹慎処分か退学でしょ？

私はクラスから嫌われてるし…その場で言えばいいのに