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【Ep.1】~彼と彼女が居た世界~

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あーもういっかなー。

友達ももう居ないし。


プシュッ


あ、まあ家族は好きだけどね。

やっぱこんな欠陥品産んでくれちゃったことを恨まずには居られないや。


プシュッ


でもやっぱりさあ何でだろう


プシュッ


希望を抱かずにはいられないんだよね


プシュッ


馬鹿みたいだねーもう

プシュッ


もう、いっか。

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ごめんなさい、お母さん。




プシュッ…──────────────。


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＊

左手がもうびちゃびちゃ。

でも、一向に意識が遠退くこともない。

なんだよ痛いだけじゃん。



―――…ガラッ


おもむろにベランダの窓を開け、
柵の上に立つ。



両手を広げて高所特有の強い風を感じる。

激しく吹き荒れる風に背中を押されるように

―――…ヒュッ


私はそのまま前のめりに落ちた。

＊

落ちる……


落ちる落ちる落ちるどんどん落ちていく。



あ………れ…？



なんか……どんどん……


視界が歪んで………



目の前の景色がグニャリと歪んだ瞬間、


私の意識はプツリと途絶えた。

＊