Spice to your Life!!
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#1 [IZUMI] 12/10/26 11:56
女の子が好きなもの。

小さくて、ふわふわしてて、
カワイイもの。ピンク色。

そして…甘いもの全般。

スイーツ♪

(なんじゃそりゃ。)

甘いものは別腹!

(無理。胃はひとつしかありません)


女は甘いもの好きって、

一体、誰が決めたの??

#18 [IZUMI]
「だからさ、もう何度も言ってるじゃん。毎年ケーキ作って持って来ても、嫌いなものは嫌いなの!!
この先一生、口にするつもりもないし!
したくもないの!私の人生に必要ないの!
はっきり言って超〜迷惑なんだってば」


「…迷惑か。そう言われてもな…」


あれ、言い過ぎたかも。

「ごめん、今のは…」

「ここまでお客さんに浸透しちゃってると、いきなり別の日って訳にもいかないしなぁ」


………はぁ??

⏰:14/01/07 19:47 📱:iPhone 🆔:Z8cflFPQ


#19 [IZUMI]
「10月20日は新作発表会」

ケーキの前でキャッキャしてた母親達が、
会話に入ってきた。

「そうそう。別に宇美は食べる必要ないから。俺らが楽しみなだけだから」

「ケーキはママたちの。あなたのはあっち。ね♪」

指差す方のテーブルには、唐揚げ、ちらし寿司など母が作った料理が並んでいる。

⏰:14/01/07 19:53 📱:iPhone 🆔:Z8cflFPQ


#20 [IZUMI]
確かに、私にはあっちの料理で十分…
だけども!!

みんな、私よりもケーキに夢中じゃないか
…(−_−;)

しかも、今気づいた。
部屋の飾り付けが、以前までは《HAPPY BIRTHDAY》と書いた物がぶら下がっていたはずが、今年は《ケーキ発表会》なんて書いてある…!!

なんなの…この会!?
なんなんだ…こいつら!!

柊にぃの真心を拒み続けた結果がこれか。


つーか、うちでやるなよ!


と、いうことで、産まれた記念日までも乗っ取って行ったケーキが嫌いで仕方ない。

それなのに、ケーキを持ってくる
柊にぃが好き。

だから私は困っている…

⏰:14/01/07 20:06 📱:iPhone 🆔:Z8cflFPQ


#21 [IZUMI]
柊にぃを好きだと気づいたのは、いつだったか。

中学の時。高校の時。
それとも、つい最近?

明確な時期は分からない。
物心ついた子供の頃から、ずっと好きな近所のお兄ちゃんだった。

父親同士が同級生で親友。
住んでる所も目と鼻の先で、付き合いがずっとあった。

18歳で学生結婚した柊にぃの両親と、
うちの両親。5歳上の兄と私。
そして、柊にぃ。

全部合わせて‘家族’
そんな付き合いをしていたのに、
一体いつ、恋心へと変わったのか…
それとも、これはただの錯覚なのかもしれない。

ここ最近はずっとモヤモヤした気持ちのままで、ふわふわと掴み所のない、地に足着かず…そんな不安定な状態が続いている。

⏰:14/01/15 00:30 📱:iPhone 🆔:cvN6R08Y


#22 [IZUMI]
「じゃあ、僕そろそろ帰ります」

「ありがとう柊也くん。またお店に寄るわね」

「はい、ぜひ♪ではでは…みなさん、ごきげんよう」

会がお開きになり、柊にぃも帰り支度をして玄関に向かっていく。

それを横目で確認しながら、誰にも気づかれないように私はベランダから外に出た。

タ〜ラララ♪
鼻歌を歌いながら自転車に跨り、
漕ぎ出そうとするが進まない。

「あれっ、なんだ?」

鍵はちゃんと外したはず
…ていうか重い(ー ー;)

振り向くと、宇美がママチャリの荷台を掴んでいた。

「宇美。なにやってんだよ」

「へへへ…なんとなく(笑)」

よいしょっ、と言いながら歌いながら宇美も跨る。

「さぁ、出発〜!」

「どこにだよ?!俺、帰るだけだぞ」

「わーかってる。ちょっと、適当にその辺周ろうよ。帰りは自分でちゃんと帰るから」

「…はぁ。へいへい、分かりました。お嬢様」

ため息をつきながらも、嫌な顔はせずに
宇美を乗せて自転車を走らせた。

⏰:14/02/14 22:30 📱:iPhone 🆔:AGU3PuDs


#23 [IZUMI]
10分ほど走った先の、柊也の店舗兼自宅を通り過ぎ、車も人通りもほとんどない静かな住宅街の道を進んでく。


柊にぃの背中に掴まりながら、
こんな風に一緒にいられる時間が
この先も変わらずに、ずっとあって欲しい…そう願った。

⏰:14/02/14 22:38 📱:iPhone 🆔:AGU3PuDs


#24 [IZUMI]
懐かしい通学路。川沿いの道。
自転車を止めて、休憩することにした。

自動販売機で二人分のジュースを買って、土手に座り込む。

「ここ、星が綺麗に見えるんだよなぁ」とか言いながら、空を眺めてみたりして…なんとなく沈黙。

こういうの、苦手な私はすぐに自分から打ち破る。

⏰:14/02/15 00:18 📱:iPhone 🆔:YjrJ2cuk


#25 [IZUMI]
「今日はありがとね、柊にぃ」

「お。珍しく素直じゃないか〜ずいぶんと(笑)」


「そう?ちゃんと毎回感謝してるよ。ケーキ以外は」

「そこを何とかしてもらいたいんだけどな(笑)」

「だから作ってこないでって言ってんじゃん(笑)」

「あ、そーだ。今回はまだあったんだ」

そう言うと、上着のポケットをゴソゴソ探り始めた。

「え。なに??」

⏰:14/02/15 00:24 📱:iPhone 🆔:YjrJ2cuk


#26 [IZUMI]
「はい。誕生日おめでとー」

柊にぃのポケットから現れたのは、
猫…?アヒル?くま??
いや、ウサギか?!

なんの生き物かイマイチ分からないぬいぐるみのキーホルダーだった。

「…あ、りがとう」

一瞬、躊躇しながら受け取った。

「…なんだコレ??」

まじまじと見てみるけど、やっぱり何のキャラクターなのか、実在する動物なのか、サッパリ分からない。

⏰:14/02/15 00:29 📱:iPhone 🆔:YjrJ2cuk


#27 [IZUMI]
「それ、ローマだかミラノだか…
ベルギーだかオランダだかのどっかで
流行ってる魔除けだって。いいだろ?
ゲーセンで見つけて、一発で取れたんだ」

ゲーセン…かよ(ーー;)

「…へぇ、そうなんだ。ありがとう」

やっぱ柊にぃって、昔から変わってる。
そう思いながら、キーホルダーをポケットにしまった。

初めてもらった、ケーキ以外のプレゼント。

それが得体の知れない(しかもかなり嘘くさい)魔除けだなんて…ヘコむわ。

⏰:14/02/15 00:36 📱:iPhone 🆔:YjrJ2cuk


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