存在

「またお前はっ！」

「ごめんなさいごめんなさい！」

小さい頃親に殴られ
それが当たり前だった｡

父親が出ていって
わたしのせいにした母親｡

私はいつも謝り続けた

小さい頃の私は
いつしかごめんなさい
が口癖になっていた

ただ強くなりたかった

けどそれは外見だけで

少しでも愛されたいと期待する私の心は弱かった

学校に行くといつもの仲間がいる

そう､私にとってのかけがえのない仲間

だから
学校は好き

「おはよ～」

「じゅなー！おはよ！」

「おはよーう！」

今日もくだらないことで笑って騒ぐ

家なんて帰りたくない
ずっとこいつらといれたらいいのに…

それなりに真面目に勉強して放課後は友達と喋って
金があればカラオケ

それがうちらの日課になっていた

今日は金があるから
カラオケ

みんなで散々歌って騒いで
プリクラを撮り解散した

私はそのプリクラを携帯に貼りにやついた

早く明日になんないかな～

そんな事を考えてると
あっという間に家についた

どうして私を産んだの？

毎晩そう考えるのが苦痛だ

私の目から涙が溢れた

少し経って私はお風呂に浸かった
部屋から出て音をたてずに洗面所に行くのでさえ苦痛だ

家にいると溜め息ばかり
早く高校を卒業したい
そーすればすぐにでも働いて家に出るのに…

ドンｯ

洗面所のドァを叩く母親にビクつく

「おいっ話があるから出てこい」

低い声で母親は言った

何の話だろう？

私は急いで体や頭を洗い出た

母親の元へ行くと
いつもの苛々した態度とは違って少し落ち着いていた

「何？」

「ガキが出来た」

「は？」

「今付き合ってる人との子供が出来たのよ｡それでうちに住むから子供部屋必要になるの｡あんた出ていってちょうだい」

言葉を失った
怒ることも出来なかった

この家を離れられる

その喜びと

私の事を愛していない

その悲しみ

少しでも期待をしている気持ちと
それでも家にいたくなかったから解放される気持ち

複雑だった

「1ヶ月後には出ていってちょうだい」

そう言われ
私は部屋に戻った

急すぎてワケわかんないよ