自己満でし。

…また朝が来る。
一生夜なんて明けなければいいのに。

あーついに母が階段上ってくる振動が伝わってくる。
布団はがされるんだろーなー…やっぱり。

「ぅーん、あと1分………………わかったよー起きますー」

もーめんどくせー。
言い合いになったらすぐ泣くしなー。
まさに我が家はかかあ天下だよ。

「なにこれ、なんで味噌汁だけなの？
…あ、補聴器まだつけてないから手話して」

んーっと、炊飯器、忘れた、…炊き忘れってこと。

「わかった、じゃあ、朝ご飯これだけってこと？」

味噌汁、たくさん、ある、…つまり味噌汁で腹を満たせと。
もういいや、顔洗お。

挨拶が遅れました、私の名前は夏川せつ。
小学5年生。

「…つ！せつ！」

ん？

「あ、やっと！こっち向いた！
もう起きたらすぐつけてよー」

「やだよ、母うるさいし
手話使えばいいじゃん」

「そうだけどー
お母さんあんまり手話得意じゃないんだもん」

「日頃から積極的に使わないからだよ
そんなんじゃ、上達するものもしないよ」

「なーんか、せつって小5っぽくないよねー
何回も生まれ変わってますって感じ」

「じゃあ、母は初人間だね
前世はずっと虫だったんじゃない？
羽音のうるさい虫」

「なにそれー！ひどい！せつひどい！
お母さんがあえて手話使わないのは聞き取る練習をっていうのもあるのに！」

あー、うるさい。
聞き取る練習ってなんだよ。
いらいらする。

「いってきます。」

また今日が始まる。

枯れ葉が舞って落ちる。
息も白い。
もうどこにも夏らしさは残っていない。
確実に日々は過ぎてる。

寝る前に
明日が始まりますように
と願う。

だけど
また今日が始まる。

↑(*ﾟ∀ﾟ*)↑(´∀｀∩)↑age↑