遠い片想い

８年前にここで5作品ほど書いてました。
久しぶりにまた、名前を変えて書いてみようかなと帰ってきました！

よろしくお願いします。
一ーーーーーーーーーーーーーーー
○鷹宮　彩矢-たかみや　さや-

とりあえず主人公。

桜が咲き、舞いちる季節。
想い出すのは初めて出逢った教室と、楽しい笑い声。

新しい制服の袖に腕を通して、胸を躍らせた５年前の春。
貴方に出逢えて幸せだった。

けれど、苦しかった。

許されるなら、また…

そんな夢をいつまでもみているんだ。

「さーやーーっ！！」

「ん？」

嫌な予感がして、振り向きながら体制を整えた。
たぶん衝撃が来るだろうことを予想して。
そして案の定、ガシッと抱きしめられて、その勢いで倒れそうになるが整えた体制でなんとか持ち堪えた。

いつもの朝の光景？
けど、何かが違う。

「いつもよりテンション高めだね。千夏」

私の言葉に嬉しそうに顔を上げると、にんまりと笑った。
いや、にやり？にやにや？

抑え切れない。そんな言葉が似合うような笑顔だ。

「え？どうして分かるの！？さすがだねー」

嬉しそうにさすが親友と呟きながら、抱きしめていた手を離し、今度は手をぎゅっと握られた。

本当にテンション高い。
朝からそんなに嬉しいことがあったのかな？

「どうしたの？」
そんな顔を見て、聞かずにはいられない。
むしろ、聞いて欲しいだろう。千夏は。

「聞いてくれる？すごいのっ」

あー、テンション高くて、話がまとまらない話をしようとしていると思う。
千夏の癖だ。

嬉しいことがあるとそうなっちゃうんだ。と自分で言っていた。

「うん。ゆっくりでいいからね」

妹みたいに可愛くて、人懐っこい親友。
面倒見たくなっちゃうのも、しょうが無いよね。