冷めた身体
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#190 [我輩は匿名である]
>>50-100
>>101-150

⏰:06/11/14 16:38 📱:W41K 🆔:pb/hRAbQ


#191 [主]
「ハァ?!」

いきなり声を荒げた。

本気でコイツ頭やばいんじャないの?

あたしは少し後ろに下がった。

家より少し離れた場所。

コンビニまでも微妙に距離がある。

暗さは増して
人さえ通らない。


「お前ちょっと来いよ」

⏰:06/11/14 16:43 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#192 [主]
瞬間に

またヤラれるって思った。

またあの冬の日の傷に

傷を重ねるんだって
悟った。

恐怖よりももう

諦めに似た感覚。


仕方ない。

あたしには温かさがないから

愛もないのに
男はあたしを抱けるんだ。
 

⏰:06/11/14 16:46 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#193 [主]
相変わらずガサガサの掌が

あたしの手を掴んだ。

「ああーどこでヤろッかなぁ〜」

ニタニタ笑う横顔。

目を反らした。

違う人だと思えばいい。

和也とえっちするんだって

思えばいい。

顔を見なきゃいい。
声を聞かなきゃいい。 

⏰:06/11/14 16:50 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#194 [主]
涙なんて流さないよ。

あたしは
いつも
自分の為に
大事な人を裏切ってきたんだから。


馬鹿みたいに何度も
温もりを無視して来たんだから。


本気で愛されなくても
仕方ない。

最近じゃもう

そう思ってる。
 

⏰:06/11/14 16:53 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#195 [主]
黙ったまま

手を引かれ歩く。


やっぱ目を閉じても
耳を塞いでも

こんな冷たい男は

和也にはならないね。

だってあたし

和也があったかいの

知ってる。

 

⏰:06/11/14 16:56 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#196 [主]
プップ-ッ

暗闇を
ヘッドライトが照らし

クラクションと共に
車があたし達の前に

停まった。


バタンッ

運転席から降りてきた

「…」


雅樹だ。
 

⏰:06/11/14 16:59 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#197 [主]
黙ったまま

木之下を睨む。


黙ったまま

あたしの手を引っ張って
助手席に座らせた。


ドアを半分開けたまま
雅樹があたしに言う。
「来ちゃった♪」


「ぷっ笑
可愛いし!」

いつもの雅樹。
あたしにとっての王子様。

⏰:06/11/14 17:05 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#198 [主]
「唯ちゃん
100まで数えれる?」

「え〜
唯の事めちゃ馬鹿にしてる」

「アハハ(笑
目つぶってゆっくり数えててな」

「え…」

「はい!いーち
にーい」

「さーん」


雅樹は優しく
目を閉じたあたしの頭を撫でて
ドアを閉めた。

⏰:06/11/14 17:09 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


#199 [主]
それからは

男の格闘?

雅樹が木之下を
ボッコボコにした。

あたしは見てないけど。
鈍い音が聞こえたもん。


バタンッ

「ハァ〜ストレス解消♪
さ-て行くか!」

少し息切れしながら車に乗り込み
アクセルを踏んだ。

本当にきっちり100数え終わった所だった。

⏰:06/11/14 17:13 📱:V703SH 🆔:g.Qc./Kg


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