冷めた身体
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#222 [主]
分かってるのか
分かってないのかって
やたら聞くけど
理恵よりは多分
分かってる。
出来るのか
出来ないのかって
聞かれたら
出来ないって
答えるだけ。
あたしは別に
何かが欲しい訳じゃなくて
失うのが嫌なだけなの。
:06/11/17 21:55 :V703SH :SthCZSR2
#223 [主]
そんなのただの
エゴだけど。
「あ〜ぁ。」
「唯〜今夜はどっちと会うの?(笑」
「どっち…
てか理恵もう仕事でしょ?唯歩いて帰れるから行きなよ」
「えー…えぇ!つか遅刻!!
ごめんここゴチるね!!じゃッまた連絡して!!気をつけてね!!」
理恵はバックとコ-トを片手に取って
お金を置いて走ってった。
:06/11/17 22:02 :V703SH :SthCZSR2
#224 [主]
ぽつん…
また孤独。
ひとりはやだね。
やっぱり。
時計を見ると午後7時を指してた。
「もう外真っ暗…」
カチャン…
冷めかけた紅茶を半分飲んで
席を立って店を出た。
:06/11/17 22:06 :V703SH :SthCZSR2
#225 [主]
「ぅ〜寒いッ」
季節は11月後半。
街はせっかちに
クリスマスのイルミネーションで輝いて
何故か皆が恋人同士に見える。
皆あったかそう。
幸せそう。
「いいなァ…」
:06/11/17 22:10 :V703SH :SthCZSR2
#226 [主]
少し虚しくて
少し寂しくて
少し満たされなくて
だけど街は綺麗で。
こんなくらいが1番いい。
だって幸せ過ぎても
今度は壊れるのが恐くなるから。
臆病なあたしには
こんな感じが調度良い。
:06/11/17 22:51 :V703SH :SthCZSR2
#227 [主]
角を曲がり駅前に出ると
目の前に大きいツリーが見えた。
毎年ここに飾られる。
去年も一昨年も
和也と一緒に見たんだ。
変わらない笑顔で
白い息吐きながら
握った手はあったかかった。
和也に逢いたいな。
:06/11/17 22:56 :V703SH :SthCZSR2
#228 [主]
カチカチ…
冷えた指先で携帯のボタンを押す。
いつもはメールだけど
今日は電話にしよッ。
ピ…
プルルルル
『はーい』
「あ、和ちゃん?今何してんのー?」
『家だよ〜唯は理恵と一緒?』
:06/11/17 23:01 :V703SH :SthCZSR2
#229 [主]
「ううん理恵は仕事行ったよ」
『そっか〜
唯ちゃんどこにいんの?』
「和ちゃん…ツリーがあるよ。
今年も綺麗だよ。」
『ん?あ、駅前?』
「和ちゃん寒くない?
寒かったら唯があっためるよ」
:06/11/18 14:30 :V703SH :nPSKYjU.
#230 [主]
『唯?泣いてんの?』
「あ〜泣いてないけど…
ツリーがぼや〜ってしてる」
『それ泣いてんだよ』
「え-?唯泣かないし。
和ちゃん、今までいろいろありがとうね」
『なにこれで最後みたいな事ゆってんだよ』
:06/11/18 14:33 :V703SH :nPSKYjU.
#231 [主]
だって
あたし
もう傷付けるの嫌だもん。
こんな光みたいに
濁らずに輝きたいもん。
「和ちゃん
もう終わりにしよ?」
あったかい涙が
頬を伝った。
:06/11/18 14:36 :V703SH :nPSKYjU.
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