冷めた身体
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#322 [主]
ガチャ

外から助手席のドアが開けられた。


「唯ちゃん‥」

差し出される手を

握った。


手を引かれ
無言のまま
ホテル内に入る。

カツカツカツって
あたしのパンプスの音だけが

響いてた。

⏰:06/11/26 22:18 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#323 [主]
自動ドアが開くと
暖かい空気に包まれる。

雅樹が部屋を選んでる時も

エレベーターに乗り込む時も

あたしはずっと下を向いてた。


何かを考えてた訳じゃない。

ただ
すごく

身体だけが冷たかったんだ。
 

⏰:06/11/26 22:23 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#324 [主]
部屋に着いたらしく

雅樹がドアを開ける。

ためらう事なく

あたしも中に入る。


「唯ちゃん
こっち来て」

スリッパに履き代えて

あたしは雅樹の背中を見る為
顔を上げた。


なんかこの部屋‥

めちゃくちゃ広い。

⏰:06/11/26 22:27 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#325 [主]
ドアを一つ開けると

部屋の片面が
全部‥窓?
なんてゆ-の?

とにかく
景色が一望出来る様になってた。

あたしは言葉を失った。

「唯ちゃん
綺麗なの
好きだもんね」

雅樹が優しく

髪を撫でた。

⏰:06/11/26 22:32 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#326 [主]
ぶわって
涙が。

よくわかんない。

嬉しいんじゃない。

悲しいんじゃない。

寂しいんじゃない。


雅樹

ごめんなさい。

傷付けて

ごめんなさい。
 

⏰:06/11/26 22:34 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#327 [主]
「あ-あ
泣いちゃッた笑」

髪を撫でる掌は

やっぱり雅樹で

自分だって泣きそうな顔してるくせに

あたしを想って笑う所も

やっぱり雅樹で

どこまでいっても

雅樹は雅樹で

ほんと

あったか過ぎるよ。

⏰:06/11/26 22:37 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#328 [主]
「唯ちゃん?
俺さ-唯ちゃん好きになれて良かったな」

「‥ヒクッ‥」

「俺みたいな男でも
ちゃんと人をさ-好きになれるって分かったから」

「‥ズッ‥ぅん」

「いっぱい悩ませてごめんね」

首を横に振った。

悩ませたのは

どっち付かずだった
あたし。

⏰:06/11/26 22:42 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#329 [主]
「この景色‥
唯ちゃんに見せたかったんだ」


「‥ヒクッ‥前に‥誰と来たんだよ」


「‥あ゙。」

「ぷッ(笑」


分かってる。
分かってるよ。

わざとそ-やって
言うの。

優しい雅樹の癖だもん。
 

⏰:06/11/26 23:02 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#330 [主]
「唯ちゃん。
ゆーいちゃん♪
唯ぴょん♪

‥ユイリンオブジョイトイ。」


「‥M字やるべきですか?」

「お願いします。」


真面目な顔した後
吹き出して笑って

あたしを見た。

「かわい-ね
ユイリンわ。」
 

⏰:06/11/26 23:07 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


#331 [主]
「かわいくないよ。
ちょ-ひねくれてるし。」

「可愛いよ」

「ん-ん。
悪女ってゆ-か悪魔だもん」

「はは笑
俺悪魔にハマッちゃッたわ」

雅樹は冷蔵庫から缶チューハイを出し
一口飲んだ。

⏰:06/11/26 23:13 📱:V703SH 🆔:deuPE37A


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