冷めた身体
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#362 [主]
「なんかさ〜
唯ちゃんの事
すげー素直に好きになれたよ」


「うん‥ありがとう」

さっきまで笑ってたのに

気持ちを言葉にされると

天井が滲む。

雅樹

愛してくれて

本当にありがと。
 

⏰:06/11/29 22:25 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#363 [主]
「唯ちゃん」

「‥なぁに?」

ぐっと涙を堪えた。

「唯ちゃんは優しいし
真面目だし
きっといっぱい悩んで
答え出したんだよな」


「‥うん‥」


雅樹が腕枕してる手を曲げて
優しく髪を撫でる。

⏰:06/11/29 22:29 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#364 [主]
「俺も
唯ちゃんを幸せにする自信はある。
でもそれは
今の彼氏でも出来る事だから。」

「‥」

これが最後の言葉になるって

なんとなく分かった。

だから目を閉じて

雅樹の声を聞いたんだ。
 

⏰:06/11/29 22:33 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#365 [主]
「だから絶対
 幸せになって。」


−幸せになって。

ありふれた
よく聞く言葉。

だけど
それをあたしに言うのに

あなたはどれだけの想い

握り潰したんだろうね。

最後まで優しかった。

あなたは絶対

忘れない。
 

⏰:06/11/29 22:35 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#366 [主]
我慢したはずの涙は

勝手に流れて

雅樹の腕に落ちた。


「唯‥」


雅樹は身体を起こして
温かい唇を重ねた。


これが最後のキスだった。


こうしてあたし達は

終わったんだ。
 

⏰:06/11/29 22:40 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#367 [主]
ねぇ雅樹

あたしとあなたが
過ごした時間は

あまりにも
短くて

だけどそんな事は
関係なくて

本気で愛して

本気で愛された。

だから同じだけ
傷付いたんだ。
 

⏰:06/11/29 22:41 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#368 [主]
これから先

雅樹はあの車の助手席に

違う女性を乗せて

街を走るのかな。


あの優しい掌で

違う女性の髪を撫でて

あの甘くて低い声で

違う女性の名前を呼ぶのかな。

笑い合うのかな。
 

⏰:06/11/29 22:44 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#369 [主]
それは嬉しい事だけど

まだ大人になれないあたしは

少しだけ寂しいよ。


勝手でごめんね。



今夜は雪が降ったね。

あなたも見ていますか?
 

⏰:06/11/29 22:47 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


#370 [るーじゅ]
う〜泣ける(T_T)

⏰:06/11/29 22:47 📱:W32T 🆔:ooGkqotE


#371 [主]
想いが止まらない程

適当には楽しめなくて

寂しさ紛らわす術には使えなくなってた。


いつの間にか

全てがあなたで

溢れてしまっていたから。


こんなに好きにならなければ

不器用にさよなら

言わずに済んだのにね。

⏰:06/11/29 22:50 📱:V703SH 🆔:zROrZxN6


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