バトルロワイヤルの世界を借りた物語

雪も少し驚いた様子ですぐに返事をする。

「……わかりました。すみません。それなら7番がいいです。」

……7番

仁はこの数字を聞いた時、昔を思い出した。

仁は小、中学校と野球をしていた。

ショートで4番。野球を始めて1年後の小学4年からそれは仁の定位置となっていた。

背番号は7番。これは中学になってからついたもの。

仁は背番号なんてどうでもよかったが、当時野球部のマネージャーをしていた雪が、仁は7番が似合う。と言ってなかば強制的につけられた。

7番は嫌いではなかった。

小、中学校の出席番号も7番。

吸っているタバコもセブンスター。この国で手に入れるのはとても困難だが。

そんな事をふと思い出してしまった。なぜだろう。今のこの、デタラメな状況から逃げたかったからだろうか。

クソッたれ！逃げられるものなら本当に逃げ出したい。

そう思っている仁の耳に軍人のあの低い声が入ってきた。

「よし。7番だな。武器はあとから教室へ持っていくからな。」

「それでは俺について来い。絶対に列を乱すなよ。それと、絶対にしゃべらないように。」

そう言うと、軍人は玄関の方へと歩き始めた。

クラスの列がその軍人について歩き始める。

兵庫県立慈愛高校の校舎は広い。

3階建ての校舎で、特に何棟と分かれている訳ではないが、10年前に建築された時は県内で1番の大きさをほこっていた。

その大きな校舎のメインは、1階が3年、2階が2年、3階が1年の教室となっており、その教室の北側には中庭があり、中庭をグルッと囲むように、音楽室や科学室などの学科ごとの教室がある。

真上から見ると四角い形をしている。