――CHANDAN。

　　
「満更でも無かった
みたいだけど?
何だっけ.愛ちゃん」
　　　　　
「泣いてんぢゃん
お前無理矢理…?」

　　　
「お前には関係無い
手離せよﾁﾋﾞちゃん」

　　　
波は要より小さくて
要は波を見下す形に
なった。

「お前最低だな。」

「そんな最低な奴と
お前はつるんでんだ」

２人は睨みあう。

波は手を離し
愛に駆け寄る。

　　　
「平気…??」
要は愛を包み込む。
　　　　
愛はｶﾀｶﾀ震えていた

「お前本当偽善者」

要は後ろで呟いた。

「誰にでも優しい
のが正しいとは
俺は思えねぇよ。」

「俺が気にくわねぇ
なら直接言えよ。
この子は関係無い」

　　　　
「かっこつけんな
バカバカしい。
もういいや。」

要はお手上げの形を
取り階段を降りて行く

「要っ!!!!
…本当意味不明。
愛ちゃん大丈夫？」

愛は泣いていた。

波は愛の背中を
擦り始めた。

　　　
「ごめんね。」

波は愛を見つめた。

「要も本当は
良い奴なんだけど。
どうしたんだろ…」

「…大丈夫です。」

「2人で何でいたの?」

愛は言葉に詰まった

「何か…呼ばれて。」

　　　
「そっか……。
教室行ける…？」

「帰ります……」
　　　
愛はよろよろと
立ち上がった。

「送る。」
波は愛の肩を支える

「大丈夫ですっ……」

「良いから!
ほっとけないから。」

　　　　

「ﾊﾞｲｸ家だから
少し歩くけど…?」

「大丈夫ですっ…
すいませんっ……」

愛と波はゆっくり
学校を後にした。

「やべぇな………。」

窓から２人を見下ろし
要は溜め息をついた。

　　　
「ちょっと待ってて」

波は愛の肩を擦り
玄関に入った。

愛はそわそわしながら
辺りを見回す。

立ち話をしている
近所の人達が
愛をチラチラ見ている

「ﾊﾞｲｸ出すね?」
波はヘルメットを
愛に差し出し
微笑んだ。

　　
「今日ﾊﾞｲﾄ？」
運転中波が
問いかける。

「はいっ…!」
　　　　
「俺もーっ!!!
だるくない？」

愛は苦笑い。

「門限とかある?」

「特に無いですっ…」

波は左に曲がった。

　　　
「あっ!今の右…--」　　　　　
「気晴らしに
ドライブ行くべっ!」　　　　
波は笑った。
　　　　
「でもﾊﾞｲﾄ……」

「今日ぐらい
良いぢゃんっ!!?
落ち込んでる時こそ
気晴らし気晴らしっ」

愛は微笑んだ。