――CHANDAN。
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#300 [xまきケたまx]
波は愛の顔を
自分に向けた。
切れかけ電灯の光が
付いたり消えたりを
繰り返している。
波は優しく
愛にキスをした。
唇を離すと
愛の顔は真っ赤。
それを見て
吹き出す波。
:07/02/13 01:42 :W42SA :eNf9QoIg
#301 [xまきケたまx]
「キスは初めてぢゃ
無いぢゃんよっ…」
波は愛の頬を撫でる
「そうだけどっ…
やっぱり恥ずかしい」
波は笑って
愛の頬にキスをする
「もう遅いから…
また明日ね…?」
愛は頷く。
波はバイクに股がり
愛に手を降った。
:07/02/13 01:45 :W42SA :eNf9QoIg
#302 [xまきケたまx]
蒸し暑い朝。
風呂上がりに
自分の鎖骨辺りを見た
じんわりと残る
赤紫色。
擦れば擦るほど
色は濃くなっていく。
:07/02/13 12:55 :W42SA :eNf9QoIg
#303 [xまきケたまx]
憂鬱そうにうつ向き
玄関を出た。
「やっと学校
行く気になったか」
目の前には
煙草を吸いながら
要が立っていた。
一瞬言葉を失い
「…この前はごめん」
:07/02/13 12:57 :W42SA :eNf9QoIg
#304 [xまきケたまx]
「謝るなよ…きもい
ほら行くぞっ!」
煙草の火を消し
要は歩き出した。
波は頷き
隣を歩いた。
夏の訪れか、
蝉が小さく鳴き始めた
:07/02/13 13:00 :W42SA :eNf9QoIg
#305 [xまきケたまx]
校門を入ると
Yシャツをギュッと
掴まれた。
「おわっ!」
驚いて波は振り返る。
「…おはようっ!」
そこにはにっこり
微笑んだ愛がいた。
「おっ!おはよう!!」
波は愛の頭を撫でる
要は困惑したように
2人の顔を見る。
:07/02/13 13:03 :W42SA :eNf9QoIg
#306 [xまきケたまx]
愛は要を見て
気まづそうに
波から離れた。
「おはよう…
ございます」
「どうも。」
要は愛を見ない。
「ぢゃあまたね!」
愛はそう言って
友達のもとに走る
「どうなってんの?」
要は苦笑いを浮かべ
波を見つめる。
:07/02/13 13:06 :W42SA :eNf9QoIg
#307 [xまきケたまx]
「何って、彼女。」
波は目をそらす。
要は驚いて
「はっマジ?!
由美子さんは???」
要の大声に
周りが振り返る。
波は八重歯を除かせ
「別れた。ってか
振られちゃったー!」
とはにかむ。
:07/02/13 15:05 :W42SA :eNf9QoIg
#308 [xまきケたまx]
「それで良いの?」
要は暑そうに
Yシャツの袖を捲る。
「どうゆう意味?」
波は動揺すると
鼻のピアスをいじる癖
があった。
要にしか分からない
波の仕草。
:07/02/13 15:08 :W42SA :eNf9QoIg
#309 [xまきケたまx]
そんな事、波自身が
よく分かってるよな
「いや、別に。」
要は顔を前に戻した。
「応援よろしくー」
波は要の肩を叩く。
要は黙って頷いた。
:07/02/13 15:11 :W42SA :eNf9QoIg
#310 [xまきケたまx]
「要先輩ってさ、
彼女いないの?」
愛と波は放課後
レストランに来ていた。
「いないねー。」
波は外を見て言う。
「好きな人はっ?」
愛は身を乗り出す。
:07/02/13 15:15 :W42SA :eNf9QoIg
#311 [xまきケたまx]
「多分だけど…--」
俺的に同じクラスの
小林凛だと思う。
小林の事
たまに目で追ってるし
お似合いだと
思うんだけどなあー。
要。
お気に入りの子には
ちょっかい出すのに
好きになった女には
奥手だからなー…。
さりげシャイだからな。
「多分…なに?」
:07/02/13 15:19 :W42SA :eNf9QoIg
#312 [xまきケたまx]
波は黙って愛を見る
「…いないと思う」
波は笑って
ポテトを口に運ぶ。
「友達がね?カッコイイ
って言ってるの」
まあ薄々感付いてた。
「話しかければ?」
波はあえて
あっさり言った。
:07/02/13 15:22 :W42SA :eNf9QoIg
#313 [xまきケたまx]
「恥ずかしいみたい」
「ふーん…。」
波は飲み物を
かきまぜた。
「協力してあげよ?」
愛は両手を合わせて
目をつむった。
「うーん……
要ねぇ、難しいよ?」
愛は悲しそうに
うつ向く。
:07/02/13 15:24 :W42SA :eNf9QoIg
#314 [xまきケたまx]
「何てったって、
AB型ですからっ」
波はストローで
遊び始めた。
「遊ぶぐらいなら、
良いでしょっ?」
愛はどうしても
協力してあげたい
みたいだった。
「その子って
シャイなんでしょ?
要も尋常じゃなく
人見知りだから
気まづい雰囲気で
はい終わり〜だよ?」
:07/02/13 15:28 :W42SA :eNf9QoIg
#315 [xまきケたまx]
愛は黙ってしまった。
「要は紹介
しづらいですね。」
波は伸びをして
愛の飲み物を
一口飲んだ。
愛はふてくさった顔で
うつ向いている。
:07/02/13 15:31 :W42SA :eNf9QoIg
#316 [xまきケたまx]
「何?その顔は。」
波は愛の顔を見る。
「別にッ!!!!」
愛は少し大きい声で
波に言った。
「ごめんね。
要ぢゃなくて
他の奴なら
紹介できるから。」
すぐ怒る所も
由美子にそっくり。
:07/02/13 15:33 :W42SA :eNf9QoIg
#317 [xまきケたまx]
「ぢゃあ要先輩は
ナンパとかしないの?」
「そりゃするよ。
今は分かんないな〜
俺一緒にしてねぇし」
波は頭をかいた。
「人見知りなのに?」
波は面倒くさそうに
愛を睨んだ。
ポケットから携帯を
取り出し思いきり
愛に投げる
机に鈍い音が響く
「本人に聞けよ。」
:07/02/13 15:39 :W42SA :eNf9QoIg
#318 [xまきケたまx]
愛は驚いている。
波はイライラした様子で
煙草を取り出す。
「…制服だよ?」
「平気。
あのバイト後輩だから」
2人に気まづい
雰囲気が流れる。
:07/02/13 15:45 :W42SA :eNf9QoIg
#319 [xまきケたまx]
煙を吐きながら
遠くを見つめる。
「もう聞かない…
ごめんなさい…。」
愛は携帯を
波に差し出す。
波は黙って
携帯を受け取る。
「…出よっか。」
波は立ち上がり
伝票を持った。
:07/02/13 15:48 :W42SA :eNf9QoIg
#320 [xまきケたまx]
バイクに乗った2人は
終始無言だった。
この前のベンチの前に
バイクを止めた。
「機嫌直してよ…」
愛は戸惑い
前髪を触る。
「怒ってないよ。」
即答で波は答える。
その顔に笑顔は無く
険しい表情だった。
:07/02/14 00:20 :W42SA :gfNLrLd.
#321 [xまきケたまx]
「要先輩の事は
もう聞かないから。」
愛は波の胸にすり寄る
「ごめんなさい。」
愛と由美の違う所。
…謝ってくれる所。
由美子は絶対
謝らなかったもんな
「俺もごめん。」
波はにっこり
微笑んだ。
:07/02/14 00:24 :W42SA :gfNLrLd.
#322 [xまきケたまx]
迷いなんて消そう。
忘れよう。
あんな女……
俺は愛が好きなの。
それでいいぢゃん。
問題ねえよ。
:07/02/14 00:26 :W42SA :gfNLrLd.
#323 [xまきケたまx]
波は愛の耳元で囁く
「…したいかも…」
愛は驚いて顔を上げる
「ここで……?」
「俺んち?愛の家?」
愛は時間を見て
「私んち行こう…」
:07/02/14 00:29 :W42SA :gfNLrLd.
#324 [xまきケたまx]
「お邪魔しまーす」
波は部屋をぐるりと
見回した。
パステルカラーの壁紙に
コルクボードがある。
ベッドは
ぬいぐるみ達で
埋め尽されている。
「メルヘンな部屋だな…」
波はボソッと呟く。
ベッドに座り
ぬいぐるみに
手をかける。
:07/02/14 00:32 :W42SA :gfNLrLd.
#325 [xまきケたまx]
「このぬいぐるみ
知ってるー!!!」
波はそうゆうと
黒いブタのぬいぐるみ
を手に取った。
「可愛いでしょ?」
「これ由美も好きで
よく取ってやっ…-」
波は言葉につまる。
:07/02/14 00:34 :W42SA :gfNLrLd.
#326 [xまきケたまx]
「なっちゃん!!
あれ取ってえ〜…?」
上目使いに
由美子が頼む。
「黒ブタ?何で?
こっちのクマのが
可愛いぢゃんよっ!」
波は他のぬいぐるみ
を指さす。
「やだ〜っ。あれ!」
「はいはい。」
波は100円を挿入して
真剣な眼差しで
UFOキャッチャ−に向かう
:07/02/14 00:37 :W42SA :gfNLrLd.
#327 [xまきケたまx]
「ガンバ!ガンバ!」
後ろで子供のような
掛け声を出す由美子。
ポロッと
ぬいぐるみが落ちた
「よっしゃー!」
「すごォーっい!!」
ぬいぐるみを
由美子に差し出す。
:07/02/14 00:40 :W42SA :gfNLrLd.
#328 [xまきケたまx]
「なっちゃん凄い!
惚れたっ!」
由美子は顔を真っ赤
にして喜んでいる。
「てか…
ブタがブタ持って
兄弟ぢゃんっ!!」
波は舌を出して
おどける。
「はあーっ??!!
前言撤回っ!!
なっちゃん嫌−い!」
由美子は笑って
波の防止を取り上げる
:07/02/14 00:44 :W42SA :gfNLrLd.
#329 [xまきケたまx]
その笑顔が見たくて
一緒に笑い合いたくて
俺…由美子が喜ぶなら
何でもしたよ?
大好きなんだよ。
お前の事がさ?
:07/02/14 00:46 :W42SA :gfNLrLd.
#330 [xまきケたまx]
「波…?波君っ?」
我に返ると
愛の顔が近くにあった
「……ごめん!!」
波は愛から視線を外し
ぬいぐるみを置いた
「………」
愛は波に抱きついた。
:07/02/14 00:49 :W42SA :gfNLrLd.
#331 [xまきケたまx]
「…続きしようよ」
愛は波のYシャツに
手をかけた。
その手をぐいっと
波はつかんだ。
「俺に任せて…?」
波は愛にキスをして
ベッドに押し倒した。
:07/02/14 00:51 :W42SA :gfNLrLd.
#332 [xまきケたまx]
愛の中に
波が入り、
愛の腰が上下する。
荒い息といやらしい
液体音が部屋に響く
「なッ…みィッ…ハァッ!」
どうやら愛は初めて
では無いみたいだった
:07/02/14 00:55 :W42SA :gfNLrLd.
#333 [xまきケたまx]
「あァッ…ス…キッ…」
愛は波を求める。
波は愛にキスをした。
波もだんだん
頭がクラクラとして
息が荒くなる。
「愛ッ………」
愛の声はだんだんと
大きくなった。
:07/02/14 00:58 :W42SA :gfNLrLd.
#334 [ゅぃ]
要でなくても読むよぉ(^-^)vまっきが書くのは読み続けます(Uω∪`*)
波〜、由美ちゃぁぁん(T_T)悲しい…悲しすぎ!!波やっぱ由美ちゃん好きじゃんそんなんダメΣ(-д-;)
続きが気になりマンモス★笑
:07/02/14 20:10 :P902iS :WbkhRqX.
#335 [xまきケたまx]
ゆいちャンケ
ありがとぉ
本当心強いッ~
:07/02/16 00:29 :W42SA :am9ZVRjU
#336 [xまきケたまx]
「ヤベッ………」
そう言って波は
愛から離れた。
2人の荒い息が
部屋に響く。
「あっぶねー…
ギリギリでしたっ」
波は微笑んで
ティッシュを
ゴミ箱に投げる。
愛は波に寄り添った。
:07/02/16 00:32 :W42SA :am9ZVRjU
#337 [xまきケたまx]
ベッドで2人で
横になった。
「良かったのに…」
愛はボソッと言う。
「?」
波は愛の肩に
手を回した。
「中に…しても…」
愛の顔は真剣だった。
:07/02/16 00:35 :W42SA :am9ZVRjU
#338 [xまきケたまx]
「いやいやっ…
それは出来ないわ」
波は天井を見つめる。
「今日はたまたま
付けなかったけど
これからは付ける」
愛は波を見つめる。
「何かそうやって
気使ってするの嫌…」
波は目をつむった。
:07/02/16 00:39 :W42SA :am9ZVRjU
#339 [xまきケたまx]
「俺等まだ学生よ?
親の金で生活してる
もしガキできてもさ
育てられないでしょ」
波はうんうんと
頷いている。
「…私は全てを捨てて
育てる自信あるよ」
愛は波に覆い被さる。
「貴方が好きだもん」
:07/02/16 00:44 :W42SA :am9ZVRjU
#340 [xまきケたまx]
「好きッて気持ち
だけぢゃ食べて
いけないでしょ?」
愛は黙った。
「だから付けるし
中にもしないの。」
波は愛を押し退け
起き上がった。
:07/02/16 00:50 :W42SA :am9ZVRjU
#341 [xまきケたまx]
「何か意外だなっ」
愛は布団にくるまる。
波はYシャツの
ボタンをつけ始めた
「意外に真面目だね
波くんって…」
愛は波に微笑んだ。
「まあね。」
:07/02/16 00:55 :W42SA :am9ZVRjU
#342 [xまきケたまx]
…--
「……付けた?」
2人は離れる。
「今日無いんだ…
良いでしょ別に…」
唇に迫ると拒まれた
「やッ…怖いよ…」
「仮に出来てもさ
育てれば良いぢゃん」
波の頬に平手が飛ぶ。
:07/02/16 00:58 :W42SA :am9ZVRjU
#343 [xまきケたまx]
「そこは適当に
流しちゃ駄目だよ…」
「今の私達には
親になる資格無い。」
そんなふうに
由美子は怒られた。
それからは
絶対付けてたし
中なんて
あり得なかったから…
:07/02/16 01:00 :W42SA :am9ZVRjU
#344 [xまきケたまx]
「またボーッとしてる」
愛は波の背中を
ギュッと抱きついた。
「えッ?ごめん…
疲れちゃッたわ〜」
愛の顔は見えない。
見えなくて良い。
自分も今の顔に
笑顔は無いから。
「ぢゃあ帰るね?」
波は愛の手を離し
部屋を出た。
:07/02/16 01:13 :W42SA :am9ZVRjU
#345 [xまきケたまx]
ぼーッとしながら
バイクを走らせた。
あれ…?
波は気付くと
自分の家とは
全く逆の道を
走っていた。
馴染みの町並み。
由美子の家の方だ。
気づかないうちに
家の近くまで
来てしまッていた。
:07/02/16 01:16 :W42SA :am9ZVRjU
#346 [xまきケたまx]
波はバイクを止めて
煙草に火を付ける。
最近身体と頭が
真逆な行動を
取っている気がした
頭では
どうでも良いと
感じているハズなのに
身体は………
「どうした俺。」
波は独り言を呟いた
:07/02/16 01:19 :W42SA :am9ZVRjU
#347 [xまきケたまx]
「今日は
ありがとう…。」
辺りに女の声が
響いた。
聞き覚えのある…
いや,忘れる訳無い
あの声に似ていた。
波は辺りを見回す。
「全然だよ!!
また飲み行こうねッ
また連絡してねッ」
男の声が聞こえ
波は鼻のピアスを
触った。
:07/02/16 01:22 :W42SA :am9ZVRjU
#348 [xまきケたまx]
由美子の家の玄関に
見知らぬ男性と話す
女の姿があッた。
「由美……」
波は言葉を失う。
見知らぬ男に
笑顔で応対する
かつて自分が
愛した女。
「マジかよッ……」
波はバイクに股がり
鍵を差し込む。
:07/02/16 01:25 :W42SA :am9ZVRjU
#349 [xまきケたまx]
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
頭にはこの言葉しか
浮かび上がらない。
車のクラクションも
今日は聞こえない。
赤信号も見えない。
頭も目の前も
真っ暗だった。
:07/02/16 01:27 :W42SA :am9ZVRjU
#350 [美月]
:07/02/16 10:02 :D902iS :JgJXT4Ng
#351 [xまきケたまx]
美月さン~
あリがとおN
全部読んでくれたンだ
嬉しいですエx
CHANDANわお香なので
多分どこにでも
売ってますよ咸テ
まきも昔愛用して
いましたからN
これからも
お願いしますI~
:07/02/16 13:14 :W42SA :am9ZVRjU
#352 [xまきケたまx]
眩しッ……
ププーッ!!!!
波の身体を
大きい光が包み込む
「おわッ!!!!!」
勢いよくハンドルを切り
タイヤから火花が散った
:07/02/16 13:17 :W42SA :am9ZVRjU
#353 [xまきケたまx]
ズガガッ!!!!
体はバイクから離れ
歩道に倒れこんだ
「てめぇッ!!!
調子こいて赤無視
してんぢゃねえよ!!
殺すぞッ!!!!!!」
運転席から罵声が響く
「いッてえ〜……」
倒れた時に勢いよく
打った膝が痺れる。
:07/02/16 13:21 :W42SA :am9ZVRjU
#354 [xまきケたまx]
しばらくその場で
痛みと葛藤していた。
通行人の視線が痛い
「あぁ…俺の愛しの
フュージョンちゃんが…」
バイクは傷だらけ
白いのでやたら
傷が目立った。
:07/02/16 13:26 :W42SA :am9ZVRjU
#355 [xまきケたまx]
馬鹿みてぇだな。
捨てられたんだ。
最初に由美子を
裏切ったのは
紛れもなくこの俺。
由美子だって女だ。
人間だ。
俺ぢゃない奴にも
あんな風に笑うんだ
俺はもう過去の男
きっと今までで
1番最悪な…ね。
:07/02/16 13:30 :W42SA :am9ZVRjU
#356 [xまきケたまx]
「馬鹿ぢゃん……」
波は笑ってしまった。
「由美子……」
波の目から涙が溢れる
あいつは居なくならないって思ってた。
由美子を愛してた。
由美子もきっと
俺の事愛してたでしょ?
胸がズキズキと
ジンジンと痛む。
:07/02/16 13:34 :W42SA :am9ZVRjU
#357 [xまきケたまx]
この痛み…忘れてた。
婆ちゃんが死んだ時も
こんな風になったな。
ポッカリ穴が開いた。
あんなにメロメロに
なった女他にいない
:07/02/16 13:37 :W42SA :am9ZVRjU
#358 [xまきケたまx]
「波ちょっと良い?」
机から顔を上げると
そこには美智瑠が
立っていた。
「どしたっ?」
波は立ち上がり
伸びをした。
「それはこッちの台詞」
美智瑠は腕を組んで
波を睨む。
:07/02/16 13:43 :W42SA :am9ZVRjU
#359 [xまきケたまx]
何言ってんだこいつ
「何がっすか?」
波が呆れた様に
首を傾げた。
「あんた後輩と
付き合ってんだろ?
木下…愛だっけ?」
あぁ…それね?
「要から聞いたの?」
波は問う。
:07/02/16 13:46 :W42SA :am9ZVRjU
#360 [xまきケたまx]
「要?あぁアイツ?違うよ
後輩から聞いたんだ」
美智瑠はイライラした様子
で髪をかきあげた。
「波。忠告するね?
アイツは辞めた方が良い」
「何で?美智瑠に
関係無くない?」
波は鼻のピアスに
手が上がる。
:07/02/16 13:50 :W42SA :am9ZVRjU
#361 [xまきケたまx]
「お前が好きなのは
由美子ッて子だろ?
目覚ましなよ。
木下愛の良い噂
全然聞かないし…」
美智瑠の言葉を遮り
「ってか美智瑠に
とって何が良い噂で
何が悪い噂なわけ?」
「それはっ……」
「お前なら知ってると
思うけど、中学ん時
俺も良い噂なんて
無かったぢゃん?
だからお互い様だべ」
:07/02/16 13:55 :W42SA :am9ZVRjU
#362 [xまきケたまx]
「それに…
由美子はもう忘れた」
美智瑠はバッと顔を
上げた。
切なそうな悲しそうな
目で波を見つめる。
「忘れた…?本当に?」
美智瑠は波の
Yシャツを掴む。
「ッてか振られたし」
波は鼻ピをいじり
顔を背けた。
:07/02/16 15:15 :W42SA :am9ZVRjU
#363 [xまきケたまx]
「だからッて……
そんなすぐに…???」
波は美智瑠の手を
Yシャツから離した
「俺ってそうゆう男じゃんっ?忘れたの?
適当万歳っ!」
美智瑠の顔色が曇る
「変わってないね。
そうやって強がる所」
:07/02/16 15:20 :W42SA :am9ZVRjU
#364 [xまきケたまx]
*****---
中学1年からずっと
あんたとは腐れ縁。
正直私は
へらへらした奴は
好きぢゃない。
「敦先輩の妹。」
それだけで近づいて
来る調子こいた奴等
女の子のグダグダも
正直大嫌い。
そんな時に
あんたに会ったの。
:07/02/16 15:27 :W42SA :am9ZVRjU
#365 [xまきケたまx]
兄キがあんたを
家に連れて来たの。
たまに除く八重歯が
私的にお気に入りで
優しくて
思いやりのある
そんなあんたが友達で
結構誇りに思ってた。
「テメェ!!!
どうゆう事だっ!」
家に帰ると
物凄い物音と
兄キの怒鳴り声。
:07/02/16 15:33 :W42SA :am9ZVRjU
#366 [xまきケたまx]
見覚えのある靴。
焦って階段を
かけ上がる。
「人の女と
ヤッてんぢゃねぇ!!!!」
どうやらあんたは
兄キの彼女を好きに
なってたみたいだね
ボコボコになるまで
殴られて
気絶しそうなあんた。
止めに入れなくて
見てるしたできない私
:07/02/16 15:35 :W42SA :am9ZVRjU
#367 [xまきケたまx]
数日経って
兄キとは仲直り。
でも彼女とは絶縁状態
耐えきれなくて聞いた
「好きなんでしょ?
兄キだッて浮気してる。ただのキープだよ!!
波が本気なら兄キは
彼女の事振るよ?
今のままで良いの?」
波はにこっと微笑んで
「もう忘れたよ!!
1回ヤッたしねっ!!
適当適当ー。」
:07/02/16 15:40 :W42SA :am9ZVRjU
#368 [xまきケたまx]
絶対嘘じゃんか…
あんた今笑えてないよ
八重歯が見えない。
強がり。
ばか。
どうしてよ。
兄キは確かに怖いけど
あんたは素直が
取り柄じゃんか。
---******
:07/02/16 15:43 :W42SA :am9ZVRjU
#369 [xまきケたまx]
「強がッて無いよ?」
波は笑って
美智瑠の頭を叩く
「うざい。馬鹿。
私は忠告したからね」
美智瑠は睨むと
波の横をすり抜けて
教室を出た。
「…バレちった。」
波は小さく呟いた。
:07/02/16 15:46 :W42SA :am9ZVRjU
#370 [xまきケたまx]
「あーいーッ!!」
校門で暇そうに待つ
愛が顔を上げた。
波の方を向き微笑む
「ごめんねっ!!」
波は暑そうに
顔をしかめる。
6月も今日が最後。
梅雨の季節なのに
比較的天気が良かった
:07/02/16 15:56 :W42SA :am9ZVRjU
#371 [xまきケたまx]
愛は首を横に振り
2人は並んで歩く。
「愛ッてさ…
誕生日いつなの?」
「急にどうして?」
「聞いて無かったな
ッて思ってさ。」
「7月だよッ夏生まれ」
「7月のいつッ??!!」
波は驚いたように
愛を見た。
:07/02/16 16:01 :W42SA :am9ZVRjU
#372 [xまきケたまx]
「15日だけど…?
もうすぐ同い年だね」
愛は波に微笑む。
誕生日まで同じかよ
「そうなんだ…」
波の顔が曇った。
「何?どうしたの?」
愛は不安そうに
顔色を伺う。
:07/02/16 16:05 :W42SA :am9ZVRjU
#373 []
:07/02/16 16:05 :D902i :K6QlvFVM
#374 [xまきケたまx]
「1番金無い日に
生まれたなッて…」
波の給料日は
毎月16日に手渡し。
だから前日は
500円ちょッとしか
財布に残らない。
由美子にそう言ったら
「1緒にいてくれたら
それで満足だよ」
そう言ってくれた。
あの愛しい微笑みで
:07/02/16 16:09 :W42SA :am9ZVRjU
#375 [xまきケたまx]
エさン~
あリがとお~
これからも
よろしくねN
:07/02/16 16:11 :W42SA :am9ZVRjU
#376 [xまきケたまx]
ほらね?
また思い出してる。
愛といるのはきッと
由美子と似てるから
愛自身を見てない。
今更実感した。
「…別れよう。」
波は驚いて愛を見た。
:07/02/16 16:13 :W42SA :am9ZVRjU
#377 [xまきケたまx]
「えっ…?」
波は呆気に取られて
立ち止まった。
愛は下を向く。
「波君は…彼女の事
絶対忘れられない。」
「私といても……
隙間は埋められ無い」
「無理なんだと思う」
:07/02/16 16:16 :W42SA :am9ZVRjU
#378 [xまきケたまx]
私を見てくれるのは
してる時だけ。
それでも良かった。
貴方が一瞬でも
1秒でも
忘れられるなら。
私を必要として
くれるのなら。
:07/02/16 16:22 :W42SA :am9ZVRjU
#379 [xまきケたまx]
私の勘はよく当たる。
きっと私は
彼女と同じ誕生日。
彼女と似ているの。
要先輩も前言ってた
好きそうなタイプだって
そんな私といたら
いつまで経っても
思い出しちゃうよ…
:07/02/16 16:25 :W42SA :am9ZVRjU
#380 [xまきケたまx]
「…ごめん。
本当最低だよな俺」
愛は首を振る。
「貴方は良い男だよ」
愛の目から
涙が溢れる。
「もう少し早く…
産まれたかったな…」
愛は足早に
先を歩く。
:07/02/16 16:27 :W42SA :am9ZVRjU
#381 [xまきケたまx]
「愛ッ!!!!!」
波は愛を追う。
「愛も良い女だよ。
ありがとな?」
その笑顔…
本当反則だよっ……
波は夢中で走った。
それを見送り
愛は泣き崩れた。
子供みたいに大声で
周りの人の視線すら
気にかからない。
:07/02/16 16:31 :W42SA :am9ZVRjU
#382 [xまきケたまx]
波は夢中で走って
改札を抜ける。
電車は本当に久しぶり
3駅までの距離なのに
とても長く感じた。
:07/02/16 16:33 :W42SA :am9ZVRjU
#383 [xまきケたまx]
こんな駅
1度も降りた事は無い
右も左も分からない
「すいません。
東女ってどう行くん
すか?」
道端の人に聞き
夢中で走った。
逢いたい。
会って伝えたい。
振られたって構わない
好きなんだよ。
:07/02/16 16:36 :W42SA :am9ZVRjU
#384 [xまきケたまx]
立ち止まった場所には
立派な門がまえで
<<東女子大学>>
と書いてあった。
息がゼーゼー言って
少し苦しい。
丁度下校の時間。
波はこっそり
校門の前に立った。
:07/02/16 16:39 :W42SA :am9ZVRjU
#385 [xまきケたまx]
***---
「由美子〜?帰ろっ?」
由美子は振り返り
両手を合わせる。
「レポート今日までなの
もう少し待ってー?」
ふっと鼻で笑い
「由美子トロい〜!
ぢゃあ帰るよ?」
「えぇー!!!」
由美子は切なそうに
見つめる。
:07/02/16 16:43 :W42SA :am9ZVRjU
#386 [xまきケたまx]
「そんな顔しても無理
彼氏にしなさいよっ
新しく見つけなさい?
ぢゃあ明日ねーっ」
手を振り去って行く。
「あの人以上なんか…
どこにいるのよ。」
由美子は呟き
ノートに目を映した
:07/02/16 16:45 :W42SA :am9ZVRjU
#387 [xまきケたまx]
「えッと〜…
物体の重力は…--」
「由美子!!由美子!!」
うざったそうに
由美子は振り返る。
「あっ1人で帰るの
心細くなったんだ?」
由美子は悪戯っぽく
微笑んだ。
「んな訳無いでしょ!
あんたの彼氏…
そこに来てるよ…?」
:07/02/16 16:50 :W42SA :am9ZVRjU
#388 [xまきケたまx]
由美子は睨む。
「くだらない…。
笑えないよその冗談」
由美子はノートに
書き始める。
「本当だって!!!
制服着て…坊主で…」
由美子は立ち上がった
「嫌だッ!辞めてよ…
忘れたいんだから…」
由美子は涙目で睨む
:07/02/16 16:54 :W42SA :am9ZVRjU
#389 [xまきケたまx]
「信じてよ!!てか…
自分の目で確かめて」
由美子の手を引いて
校門まで走る。
由美子の胸が
ざわめく。
あの日…
波の鎖骨には
キスマークが付いてた
:07/02/16 16:56 :W42SA :am9ZVRjU
#390 [xまきケたまx]
心をナイフで
刺されたみたいに
ズキンと痛んだ。
波は私を
嫌いにならないッて
あの笑顔で言ってくれていた。
全て嘘だッたんだ。
初めて出会った日に
私は波に体を委ねた
きっと都合良く
利用されてたんだ。
そう思った。
:07/02/16 16:59 :W42SA :am9ZVRjU
#391 [xまきケたまx]
高校生なんて
そんなものなの?
きっと経験の無い私
の反応が新鮮で…
遊んでたんだ。
本気になって
私馬鹿みたい…。
なッちゃんを忘れる為に
男の子と遊んでみた
:07/02/16 17:02 :W42SA :am9ZVRjU
#392 [xまきケたまx]
すぐに体を求められて
本当に怖かった。
覆い被さられるのは
好きぢゃないの。
そう言ったら
呆れられちゃった。
ひたすら目をつむって
波の顔が浮かんだ。
泣いてても
辞めてくれなかった
なっちゃんだッたら
辞めてくれたよね?
:07/02/16 17:06 :W42SA :am9ZVRjU
#393 [xまきケたまx]
あまり声も出せない。
気持ち良くも
してあげられない。
それでもなッちゃんは
優しくしてくれた。
気づかってくれた。
利用されてるなんて
何で思ったんだろう
愛を1番感じたのに
:07/02/16 17:09 :W42SA :am9ZVRjU
#394 [xまきケたまx]
「別れよう…」
捨てたのは私の方。
だけど
捨てられた気分だッた
もし本当に校門に
なっちゃんがいるなら
逢いたいよ…
あの笑顔が見たい。
:07/02/16 17:12 :W42SA :am9ZVRjU
#395 [xまきケたまx]
---*****
「ほらッ!!!」
女の声に波は振り向く
「…由美子ッ……」
由美子は
両手を口元に当て
波を溢している。
「2人で話しな?」
由美子は背中を押され
波の前に立った。
:07/02/16 17:15 :W42SA :am9ZVRjU
#396 [xまきケたまx]
「すいませんッ…」
波は会釈する。
「何で…来た…の…」
由美子は途切れ途切れ
問いかける。
「逢いたくて…」
波は由美子の頬を
ゆっくりさする
:07/02/16 17:18 :W42SA :am9ZVRjU
#397 [xまきケたまx]
懐かしい由美子の頬
由美子の目…
泣き顔…
本当かわいい奴。
「今更何だけどね?
俺…無理なんだ。」
波は続ける。
「由美以外の人は
無理なんだよ。
頭の中は由美ばッか
キモイぐらい考えてる」
:07/02/16 17:23 :W42SA :am9ZVRjU
#398 [xまきケたまx]
「由美子を傷つけた。
浮気した奴に
そんな事言う資格は
絶対無いんだけど…」
「もう1回チャンスを
もらえないかな…?」
波は由美子を見る。
:07/02/16 17:25 :W42SA :am9ZVRjU
#399 [xまきケたまx]
「……よ」
由美子は呟く。
「えっ…?」
「無理だよ……」
波の心臓が
ドクンと波打つ。
:07/02/16 17:28 :W42SA :am9ZVRjU
#400 [xまきケたまx]
やッぱり駄目か。
そうだよな…
由美子はもう
忘れたんだろうな。
キモイなあ俺…。
:07/02/16 17:29 :W42SA :am9ZVRjU
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