――CHANDAN。

　　
「要先輩の事は
もう聞かないから。」
愛は波の胸にすり寄る
「ごめんなさい。」

愛と由美の違う所。
…謝ってくれる所。
由美子は絶対
謝らなかったもんな

「俺もごめん。」

波はにっこり
微笑んだ。

　　

迷いなんて消そう。

忘れよう。

あんな女……

俺は愛が好きなの。

それでいいぢゃん。

問題ねえよ。

　　
波は愛の耳元で囁く

「…したいかも…」

愛は驚いて顔を上げる
「ここで……？」

「俺んち？愛の家？」

愛は時間を見て
「私んち行こう…」

　　
「お邪魔しまーす」

波は部屋をぐるりと
見回した。

ﾊﾟｽﾃﾙｶﾗｰの壁紙に
ｺﾙｸﾎﾞｰﾄﾞがある。

ベッドは
ぬいぐるみ達で
埋め尽されている。

「ﾒﾙﾍﾝな部屋だな…」
波はボソッと呟く。

ベッドに座り
ぬいぐるみに
手をかける。

　　
「このぬいぐるみ
知ってるー!!!」

波はそうゆうと
黒いブタのぬいぐるみ
を手に取った。

「可愛いでしょ？」

「これ由美も好きで
よく取ってやっ…-」

波は言葉につまる。

　　
「なっちゃん!!
あれ取ってえ～…？」

上目使いに
由美子が頼む。

「黒ブタ？何で？
こっちのｸﾏのが
可愛いぢゃんよっ!」
波は他のぬいぐるみ
を指さす。

「やだ～っ。あれ!」
「はいはい。」

波は100円を挿入して
真剣な眼差しで
UFOｷｬｯﾁｬ－に向かう

　　

「ｶﾞﾝﾊﾞ!ｶﾞﾝﾊﾞ!」

後ろで子供のような
掛け声を出す由美子。

ポロッと
ぬいぐるみが落ちた

「よっしゃー!」
「すごォーっい!!」

ぬいぐるみを
由美子に差し出す。

　　
「なっちゃん凄い!
惚れたっ!」

由美子は顔を真っ赤
にして喜んでいる。

「てか…
ブタがブタ持って
兄弟ぢゃんっ!!」

波は舌を出して
おどける。

「はあーっ??!!
前言撤回っ!!
なっちゃん嫌－い!」
由美子は笑って
波の防止を取り上げる

　　

その笑顔が見たくて

一緒に笑い合いたくて

俺…由美子が喜ぶなら

何でもしたよ？

大好きなんだよ。

お前の事がさ？

　　
「波…？波君っ？」

我に返ると
愛の顔が近くにあった
「……ごめん!!」

波は愛から視線を外し
ぬいぐるみを置いた

「………」

愛は波に抱きついた。