『異常』━『先輩』
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#164 [正常]
うなだれている先輩は、すっと立ち上がった。
僕は心配して、先輩の顔を覗いてみた。
先輩は少し憂鬱そうな顔をしていて、独り言のようにつぶやいた。
「しまった。飲み過ぎた。」
その言葉に僕は引いた。
他人の血液を飲むこと自体恐ろしいが、飲み過ぎたことを残念がる先輩がそれ以上に恐ろしかった。
:06/07/10 00:10
:SH901iS
:i2D2mHUQ
#165 [正常]
「あなた達は吸血鬼ですか?」
怯えた声で僕は先輩に訊いた。冗談無しに訊いた。
そしたら先輩がこちらを振り向き、憂鬱だった顔が笑いだした。
「吸血鬼って、2本の牙があるらしいね。」
そう言うと、先輩は首筋にある、少女に噛まれた傷痕を僕に見せた。
「でも牙が刺さった痕なんて、ひとつも無いよ。」
確かにそんな痕は無かった。
:06/07/10 00:15
:SH901iS
:i2D2mHUQ
#166 [正常]
けど、皮膚が無惨に引き千切られていて、未だに血液が流れている。牙が刺さるより、こっちのほうが凄まじく痛そうだった。
「もちろん、俺にも牙なんて無いよ。口開けようか?血で口の中は紅いけど。」
「いいえ、開けなくて良いです。開けないで下さい。」
僕は直ぐさま断った。
:06/07/10 00:17
:SH901iS
:i2D2mHUQ
#167 [正常]
「それにしても、何故あの少女は血を欲しがるんですか?」
先輩なら何か知ってそうな気がして尋ねてみた。
「何故って、あの子は血が好きだからじゃないの?」
先輩は当然かのように答えた。
「血を好んで飲む人間なんて有り得ません!」
「有り得てたよね?さっき。」
少し強めに言った僕を、先輩がなだめるように言い返した。
:06/07/10 00:20
:SH901iS
:i2D2mHUQ
#168 [正常]
「あの子、俺の血を貧るように飲んでいたよね?好きじゃなければ、あそこまではしないと思う。」
そう言われると、反論が出来ない。
「それに…血の味も結構病み付きになるよ。」
先輩がその時見せた冷たい笑い。
絶対零度の、身体が凍えるのではないかと思ってしまうほど、冷酷な笑い。
その笑いを見て、僕はもちろん固まった。
「なんてね。さて、そろそろ帰ろうか。」
先輩の冷たい笑いは柔らかい微笑みえと変わった。そして、脱いだ上着をまた着て、公園から出ようとした。
解凍した僕は、直ぐに先輩の後を付いて行った。
:06/07/10 00:24
:SH901iS
:i2D2mHUQ
#169 [☆MIKU☆]
:06/07/11 00:02
:N901iC
:b8qdP3a6
#170 [みんみんシ]
あげます(◇′3`シ)主様頑張って~イ
:06/07/12 19:39
:W41CA
:5w6HRMfY
#171 [正常]
>>169>>170ありがとうございます。
そして本当に申し訳ありません。かな−り遅くなりました。
もう、ホントにもう、自分が情けないです。
少しですが更新します。
ホントスミマセンデシタ。
:06/07/13 03:29
:SH901iS
:sPJPwmpY
#172 [正常]
先輩と別れた後も、少女の事を考えた。彼女がどのようにして生きているのか、僕は知りたかった。
そして翌日。
退屈な授業も終わり、いつものように部活へと向かった。
僕はちょっとした提案を思いついていた。
もしもこの日もあの少女が公園にいたら、彼女が帰るまで隠れて待ち、帰る時に気付かれないよう跡をつけるという案だ。
つまり尾行である。
僕だって、こんな人格を疑われるようなことはしたくない。だが、せめて、少女がどのような建物に住んでいるのかは知っておきたかった。
:06/07/13 03:30
:SH901iS
:sPJPwmpY
#173 [正常]
問題は先輩がこの案に食らい付くかどうかだ。
普通の人なら、軽蔑の眼をして断るだろう。何てったって、幼い少女の跡を追うのだ。
しかし、平気で少女を観察する先輩なら提案にのってくれるだろう。
僕はそう予測し、部活を行うことにした。
だが、肝心の先輩がいつになっても部活に来ない。
他の先輩に訊いてみると、学校には来ていたらしい。どうやら、先輩は部活をサボったようだ。
「こんな時にサボりやがって。」
僕は少し機嫌が悪くなった。
:06/07/13 03:35
:SH901iS
:sPJPwmpY
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