『異常』━『先輩』
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#231 [正常]
最初にそれに気付いたのは少女だった。

僕は朦朧とする中、眼を薄らと開けて少女を見ていると、彼女は何かを感じたように視線を上にやった。

すると突然、彼女は大きく眼を見開き、僕の舌をそっと離した。同時に彼女の両腕も解かれ、僕は自由になった。

少女は視線をそのまま変えず、一歩一歩と後退りをした。彼女の顔は恐怖で歪んでおり、かなり怯えている様子だった。

⏰:06/08/01 13:57 📱:N901iS 🆔:hl0vE8Q.


#232 [正常]
少女の視線から、ソレは僕の直ぐ後ろにいることが分かった。

やがて少女は身体の向きを返て、恐れるようにその場を去った。

立て膝をしていることに疲れた僕は前へ倒れ込み、両手を地面につけた。そしてその態勢のまま、ゆっくりと見上げるように後ろを振り向いた。

僕の後ろにいた人、ソレは先輩だった。

⏰:06/08/01 15:16 📱:N901iS 🆔:hl0vE8Q.


#233 [正常]
「やあ。」

先輩は僕に挨拶をした。

その姿を見て僕は安堵した。しかし自分の素直な気持ちを先輩に悟られるのが嫌だった。だから僕は首を前に戻し、わざとらしく溜息をついて

「来るのが遅すぎます。」
と、これもまたわざとらしく口を尖らせながら僕は言った。

⏰:06/08/01 15:20 📱:N901iS 🆔:hl0vE8Q.


#234 [正常]
「ごめん。けど、メールに時間の限定は書かなかったと思うけど?」

先輩が穏やかに返事をする。

「………それでも早く来て下さい。」

僕は独り言のように言った。

⏰:06/08/01 15:27 📱:N901iS 🆔:hl0vE8Q.


#235 [正常]
「それより、キスのお味はどうだったかい?」

先輩はコロッと話を変え、ニヤニヤと笑いながら言った。

「後味が、血です。」

僕は上顎に舌を押しつけ、噛まれた跡を確かめながら真面目に言った。その傷跡からは今でも血が流れていて、痛みはそう簡単にひきそうにもなかった。

⏰:06/08/01 15:29 📱:N901iS 🆔:hl0vE8Q.


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