『異常』━『先輩』
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#63 [正常]
「まー、もしも俺の手が『聖母の手』でしたら、柊さんの左手はこんなことにはならなかったでしょう。『悪魔の手』だったからこそ、このような結果にたどり着いた訳ですし。」
先輩はいつもの冷静な声に戻り、切れた左手を持ち主の傍に置いた。その手の持ち主は、未だにうずくまったまま動こうとはしない。
:06/06/24 00:14
:SH901iS
:PcxrD/WI
#64 [正常]
そして先輩は、それではと別れの挨拶を言って、この廃工場の出入口に向かって歩き出した。
足音が波紋の様に響く。
先輩の後ろ姿が僕の眼に写る。
恐怖で硬直していた自分の身体が、わずかながら解れてきた。
:06/06/24 00:15
:SH901iS
:PcxrD/WI
#65 [正常]
だが、先輩が唐突に立ち止まった。と思いきや、ゆっくりと僕の方を振り向いたのだ。
油断していた僕は、物影から顔をおもいっきり出していた。だから完全に先輩と眼が合ってしまった。
先輩は僕に冷たい笑みを見せた。
少し解れた身体が再び硬直した。
ヤバイ、気付かれた!先輩がこっちに来る!
僕はそう予想し、戸惑った。けど先輩は顔を前に戻し、歩くことを続けた。僕がいても別に構わない、まるでそんな感じだった。
:06/06/24 00:50
:SH901iS
:PcxrD/WI
#66 [正常]
車のライトに照らされながら、廃工場を出ていく先輩。やがてバイクのエンジン音が聞こえ、先輩は行ってしまった。
工場内には僕と柊の二人だけとなった。
しばらくして、柊が身体を起こし始めた。
僕は警戒するように、物影に隠れた。
柊は震えながら立ち上がり、切断された自分の左手を拾った。
:06/06/24 16:19
:SH901iS
:PcxrD/WI
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