『異常』━『先輩』
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#96 [正常]
「それはそうと、昨日のことは秘密にしといてほしい。」

先輩のその言葉が、僕の嬉しい気持ちを消した。

僕はタオルをそのまま顔に当てながら、昨日のことを鮮明に思い出した。

先輩は続けて言った。

「いや、別に話してもいいけどさ。どうせ誰も信じないと思うし。けど、変な噂が流れたりすると厄介なんだよ。」


『変な噂が流れると厄介』


先輩にとって昨日の出来事は、その程度に過ぎないらしい。僕は唖然とした。


「はぁ…まぁ…分かりました。」

元から人に話すつもりはなかったが、僕はタオルを顔から離し、返事をした。

⏰:06/06/27 22:41 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#97 [正常]
先輩はパイプイスから立ち上がり、帰る支度を始めた。

僕は先輩に尋ねたいことがあった。しかし、これは尋ねてはいけないことだと思った。

先輩は支度を整え、帰ろうとする。

昨日と同じく、じゃあねと言って先輩はドアに手をかけた。

⏰:06/06/28 00:21 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#98 [正常]
僕は躊躇していたが、先輩を呼び止めた。

「…あの。」

先輩は立ち止まり、振り向く。

「昨日、先輩の手を切ろうとした、柊という男性は何者なんですか?」

僕は先輩に尋ねた。

先輩は少し黙したが、その質問に答えてくれた。

⏰:06/06/28 00:25 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#99 [正常]
「俺の先輩だよ。君がこの高校に入学する前、この部の部長を務めてたんだ。仲が良くて、柊さんが卒業した後も交際を続けていた。」

「そう…だったんですか。」

僕はそう言い、少し俯いた。

「でも、まさか俺の身体が目的だったとは。」

僕を笑わそうとしたのか、先輩はそんなことを言った。

⏰:06/06/28 00:28 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#100 [正常]
しかし僕は無視し、もう一つ先輩に尋ねた。

「もし、柊さんがまた手を狙ってきたら、どうします?」



『いつか絶対…手に入れる』

先輩が去った後、柊が発した言葉。その言葉が脳裏に浮かんだ。

⏰:06/06/28 00:32 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#101 [あお]
ぬしさんガンバって
おもしろいし。気になって一気に読んじゃった

⏰:06/06/28 01:02 📱:N902i 🆔:JjgN.dMY


#102 [かア]
主サンもこの小説もホント大スキですッ(◆b'v`d)+゜主サンのペースで,無理せず頑張ってさぃネ★☆

⏰:06/06/28 01:37 📱:W31K 🆔:14SCb2DY


#103 [正常]
>>101
>>102

恐縮です。とっても恐縮です。
皆様のご声援、本当に嬉しいです。
頑張って書き続けます。これからもご声援お願い致します。

⏰:06/06/28 21:05 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#104 [正常]
「さぁ、どうだろうね。」

先輩は僕から眼を離し、ドアを開けて部室から出た。そして、ドアを閉める時にもう一度僕を見て、こう言った。

「もしかしたら、右手も身体から切り離すかも。」

その時に見せた先輩の笑みは、冷たく無機質なものだった。

⏰:06/06/28 21:06 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#105 [正常]
以来、先輩と僕は急激に仲が良くなった。

部活は一緒に練習し、遅くまで部室に残って話すようにもなった。

前は先輩のことを、名前を付け加えて呼んでいた。けど親しくなってから、名前を付けずただ『先輩』と呼ぶようになった。

もちろんその理由は、最初に記した通りだ。

今思えば、この『異常』な出来事が『先輩』と関係を持つきっかけとなり、全ての『始まり』でもあった。

⏰:06/06/28 21:09 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


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