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#249 [can]
 
―――

あれはとても寒い、
ある三学期の事。

もうすぐ3年は
卒業だから
学校も卒業ムードで
いっぱいだった。

耕ちゃんが卒業する事が
すごく寂しかった。

だけど素直になれず
あの日からの態度は
変わらないまま。

⏰:07/02/14 20:13 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#250 [can]
 
そんな私に
耕ちゃんは限界
だったのかも。

二時間目が終わり
休み時間になった途端
耕ちゃんが私の教室に
入って来た。

耕ちゃん『莉奈!
三時間目サボるぞ。
ちょっと来い』

そう言って私の腕を
引っ張った。

⏰:07/02/14 20:18 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#251 [can]
 
莉奈『え!?
耕ちゃんどうしたの?』

耕ちゃんは
私の話も聞かないで
腕を引っ張りながら
誘導するだけ。

ガチャッ―――

ついた先は屋上だった。

嫌な思い出の場所に
耕ちゃんに
連れて来られるなんて
想像もしなかった。

⏰:07/02/14 20:21 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#252 [can]
 
莉奈『寒い…』

風が強くて冷たくて…
耕ちゃんの顔も
いつもと違って
何だか少し恐かった。

耕ちゃん『座ろう』

耕ちゃんが指差した所…

こないだ女と
ヤッてた所だった。

⏰:07/02/14 20:49 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#253 [can]
 
莉奈『うん』

嫌だなんて
言える訳ないから
私は嫌々そこに座った。

耕ちゃん『莉奈』

莉奈『ん?どしたの?』

耕ちゃん『卒業やだよ』

急に耕ちゃんは
甘えて来た。

いつもと違う耕ちゃんに
戸惑いを隠せなかった。

⏰:07/02/14 20:58 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#254 [can]
 
莉奈『仕方ないよ』

耕ちゃん『寂しいな』

莉奈『高校行くの?』

耕ちゃん『うん』

莉奈『頑張ってね』

耕ちゃん『うん』

耕ちゃんは
本当に寂しそうだった。

切ない笑顔が
私の胸を締め付けた。

⏰:07/02/14 20:59 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#255 [can]
 
しばらく沈黙した。

その沈黙を破ったのは
耕ちゃんのマジな声の
言葉だった。

耕ちゃん『莉奈さぁ
何で俺の事避けんの?』

心臓がドキッとした。

何も言い返せない。

耕ちゃん『俺の事
嫌いになった?』

⏰:07/02/14 21:08 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#256 [can]
 
莉奈『違う…
嫌いなんかじゃないよ』

耕ちゃん『何か悪い事
したんなら
俺、謝るからさぁ…』

莉奈『何もないよ…
気にしないで』

気を使って言った
言葉なのに
耕ちゃんの機嫌を
悪くさせてしまった。

⏰:07/02/14 21:11 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#257 [can]
 
耕ちゃん『気になるから
こうやって呼び出して
話ししてんじゃん』

莉奈『…』

耕ちゃん『お前さぁ
俺の気持ちわかんない?』

莉奈『…え?』

耕ちゃん『鈍感!
俺ずっと莉奈の事
好きなんだよ』

⏰:07/02/14 21:12 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#258 [can]
 
突然の告白。

訳がわからない。

両想いのはずなのに
あまり嬉しくないのは
何でだろう?

莉奈『…本当に?』

耕ちゃん『うん。
気付かなかった?』

莉奈『うん』

耕ちゃん『結構マメに
メールとか電話したのに』

⏰:07/02/14 21:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


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