ｓtｒiｐ

　
♪～―――

音楽が流れ始めると
私はとりあえず
客席全てに頭を下げる。

私を見てない客でも
頭を下げるのが常識。

全てに頭を下げ終え
私のｼｮｰが始まる。

　
赤い着物に赤い口紅。

和風室も
赤を主にして
出来ているから
白い肌がよく栄える。

肌を綺麗に見せる。

それが店の狙い。

　
所々から
拍手してくれる。

少しだけ微笑んで
頭を下げる。

そして踊り出す。

ただ着物を
脱ぐか脱がないかの
見せびらかせや
寝そべって
胸の谷間を見せるだけ。

それを約20分続ける。

　
たまに客席近くに行き
近くで肌を見せる。

ﾁｯﾌﾟをくれたお客さんに
笑顔で会釈し
客の手を取り、
自分の胸に当てる。

客は嬉しそうに
胸を触る。

少しすると
手を離し隣の客室に行く。

　
二階席の人にも
階段を使い
同じ事をする。

それで約20分。

そしてｾﾝﾀｰに戻り
脱ぎ始める。

ﾗｲﾄも暗くなり
いやらしい雰囲気になる。

　
ゆっくり、じらして、
いやらしく脱ぐ。

客もこの時ばかりは
私を見てくれる。

胸やｱｿｺやお尻が
現れた時にお客さんは
拍手をしてくれる。

喜んでもらえてるんだ
って実感する。

　
丸裸になってからも
脱ぎ捨てた着物を
上手く利用して
寝そべりながら
いやらしく、
客に体を見せる。

それを約20分。

合計１時間のｼｮｰ。

音楽が鳴り止み
一礼して舞台袖に戻る。

これで終わり。

　
ﾎﾞｰｲ『お疲れ様です』

舞台袖で待っている
ﾎﾞｰｲがﾊﾞｽﾛｰﾌﾞを
かけてくれた。

莉奈『ありがと…あれ？
もしかして新人？』

ﾎﾞｰｲは顔を赤くして
頷いた。

莉奈『そうなんだ～』

　
ﾎﾞｰｲ『はい。
お願いします！』

ﾎﾞｰｲに案内されて
楽屋に戻る。

戻る最中も
莉奈はﾎﾞｰｲに話し掛けた。

莉奈『いくつ？』

ﾎﾞｰｲ『16です』

莉奈『若いね～
学校は？辞めたの？』

ﾎﾞｰｲ『はい』

　
莉奈『何で？』

ﾎﾞｰｲ『めんどくさくて…
莉奈さんは
ここ長いんですか？』

莉奈『そっか～。
私は最近入りたてだよ』

ﾎﾞｰｲ『そうなんですか？
すごく上手なｼｮｰ
でしたよ！…あの、
綺麗でした！』