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#243 [can]
見たくないけど
女の人に目が勝手に行く。
大きな胸だった。
きっと耕ちゃんとタメ。
中3のくせに
あの胸はズルいよ。
私は
自分が恥ずかしかった。
胸が小さい上、
根が生えたように
その場所から動けない。
:07/02/14 19:55
:SH901iC
:☆☆☆
#244 [can]
私は弱虫なのかな?
ギュッと目をつぶり、
顔を反らした。
女『アッ…耕ッ』
男『ヤベ…締まる…ウッ』
聞きたくない。
好きな人が知らない女と
ヤッてる所なんて
見たくない。
私は目を閉じて
耳を塞いで俯いた。
:07/02/14 19:57
:SH901iC
:☆☆☆
#245 [can]
自然と涙が溢れる。
鼻水だって垂れそう。
だけど
物音立てると
気付かれるって気持ちが
私をもっと弱くする。
今、私がいる事が
耕ちゃんにバレたら
きっと嫌われる。
そんな気持ちで
いっぱいいっぱいだった。
:07/02/14 20:00
:SH901iC
:☆☆☆
#246 [can]
―――
あの日以来
私は耕ちゃんと
上手く接する事が
出来なかった。
メールや電話は全て無視。
学校で話しかけられても
よそよそしい態度。
そんな自分が
大嫌いだった。
:07/02/14 20:05
:SH901iC
:☆☆☆
#247 [can]
そんな私だけど
耕ちゃんは私を
見放したりしなかった。
一日一回必ず、
学校で話しかけてくれた。
食堂で出会うと
『莉奈〜!
カレーパンおごって』
…とか。
休み時間出会うと
『大富豪やんない?』
…とか。
:07/02/14 20:09
:SH901iC
:☆☆☆
#248 [can]
くだらない事だし
私を妹ぐらいにしか
見てないんだろうけど
そうやって
優しくしてくれる
耕ちゃんを
嫌いになるどころか
益々好きになっていった。
:07/02/14 20:10
:SH901iC
:☆☆☆
#249 [can]
―――
あれはとても寒い、
ある三学期の事。
もうすぐ3年は
卒業だから
学校も卒業ムードで
いっぱいだった。
耕ちゃんが卒業する事が
すごく寂しかった。
だけど素直になれず
あの日からの態度は
変わらないまま。
:07/02/14 20:13
:SH901iC
:☆☆☆
#250 [can]
そんな私に
耕ちゃんは限界
だったのかも。
二時間目が終わり
休み時間になった途端
耕ちゃんが私の教室に
入って来た。
耕ちゃん『莉奈!
三時間目サボるぞ。
ちょっと来い』
そう言って私の腕を
引っ張った。
:07/02/14 20:18
:SH901iC
:☆☆☆
#251 [can]
莉奈『え!?
耕ちゃんどうしたの?』
耕ちゃんは
私の話も聞かないで
腕を引っ張りながら
誘導するだけ。
ガチャッ―――
ついた先は屋上だった。
嫌な思い出の場所に
耕ちゃんに
連れて来られるなんて
想像もしなかった。
:07/02/14 20:21
:SH901iC
:☆☆☆
#252 [can]
莉奈『寒い…』
風が強くて冷たくて…
耕ちゃんの顔も
いつもと違って
何だか少し恐かった。
耕ちゃん『座ろう』
耕ちゃんが指差した所…
こないだ女と
ヤッてた所だった。
:07/02/14 20:49
:SH901iC
:☆☆☆
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