…キコエナイ歌声…
最新 最初 全 
#345 [三ッ葉
]
私の気持ちは底を知らない海の様に沈む一方……。
美「………ッ…」
目から大きな一粒の
涙がこぼれ落ちた。
麻人、お母さん……
私は傍にいない方が良かったね。
恐い…恐いよ。
私の傍にいることで
麻人もいつかいなくなってしまうかもしれない。
体が小刻みに震える
:07/08/01 02:37
:N902i
:☆☆☆
#346 [三ッ葉
]
フワッ
美「……ッ…!?」
そんな冷えた体が急に暖かい何かに包まれた。
麻「………ッ美和。
どんだけ捜したと思ってんだよ。
捜してもいっこも携帯つながんねぇし、まじ心臓止まりそうになった――…」
振り向く前に声がして気付く。
後ろからきつく抱き締めたのは、麻人。
少し怒った声混じりの声が、耳に入った途端
涙腺が切れたように自然と涙が溢れだした。
:07/08/01 02:46
:N902i
:☆☆☆
#347 [三ッ葉
]
麻「…ハッ……ずっと傍にいてやるから…って言っただろ?俺の前からいなくなんなよ。……てか、
傍にいたいんだよ、お前の。」
荒い息をかきわけながら麻人が喋る。
麻人はいつも私を捜し出してくれるね。
どんな時も走ってきてくれるね。
麻人……あなたは
優しすぎるんだよ?
スッ
麻人がしゃがみこんでいる私の体から離れて、静かに立ち上がった。
そして
片手をそっと墓石に置いた。
:07/08/01 02:55
:N902i
:☆☆☆
#348 [三ッ葉
]
しばらくの間、沈黙がつのる。
突然、墓石に触れている麻人の手から薄白い光が体全体に広がっていく。
その光景に驚くばかりであった。
……麻人?
心配になり、麻人の手をぎゅっと力を込めて掴んだ。
その時――…
麻「……わ」
麻人の唇が小さく動く。
:07/08/01 02:59
:N902i
:☆☆☆
#349 [三ッ葉
]
麻「……み…わ」
麻人が私の名を呼ぶ。
…………ッ!?
私は思わず息を飲んだ。
だって
麻人の傍に紛れもなくお母さんが立っているから。
でもそれは薄白くて、
きっと幻影なんだ――…
"お…お母さん?"
:07/08/03 14:58
:N902i
:☆☆☆
#350 [三ッ葉
]
麻「美和……もぅ泣かないで――…」
麻人の声がお母さんの声に染まっていく。
麻人が私の隣にしゃがみこむのと同時に、お母さんの幻影も同じように動く。
涙がこぼれる。
"本当にお母さんなの?"
私はくしゃくしゃな顔を見せながら、問い掛けた。
お母さんは優しく目を細めて頷いた。
:07/08/03 15:03
:N902i
:☆☆☆
#351 [三ッ葉
]
"ご…ごめんなさいっ"
私は深く頭を下げた。
冷たいコンクリート面に涙が落ちてシミをつくった。
麻「美和、顔をあげて?
もぅ謝らなくていいの――…」
私は首を数回横に振った。
すると
麻人の手によって顔があがる。
:07/08/03 15:07
:N902i
:☆☆☆
#352 [三ッ葉
]
麻「あのね、お母さんは美和の事恨んだりなんかしてない。
むしろ嬉しかったの。
大事な美和をしっかりと守れたんだもの――…。
もし美和が死んじゃってたら、お母さん生きていられない――…」
お母さんの言葉一つ一つが胸にしみ込んでいく。
"お母さん、本当にごめんなさい……。"
私は謝る事しかできない。
お母さんの幻影が私の頬に手を添えて、人差し指を目下に滑らせ、涙を拭った。
:07/08/03 15:15
:N902i
:☆☆☆
#353 [三ッ葉
]
麻「愛してるわ、美和。
あなたは私の最高な娘よ。だから――…
もぅお母さんの事で泣かなくていいの。
笑っていてほしいの!」
お母さんは涙を浮かべながら満面の笑みをみせた。
お母さんが両手を広げて、私を抱き締める。
体の周りの空気が暖かくなった気がする。
心地よい香が何故だかして、鼻をかすめる。
今まで私を縛っていた鎖が消えていく――…
"お母さん……大好き。
ずっと大好きだから。"
:07/08/03 15:19
:N902i
:☆☆☆
#354 [三ッ葉
]
麻「当たり前でしょ?」
お母さんの幻影は八重歯を見せながら笑った。
スッ
お母さんは麻人の方を指差した。
麻人の瞳は黒く底光している。
麻「麻人君に感謝してるわ。麻人君のおかげで美和とこうやって話す事ができたんだから――…。
これで悔いなく空にいけるっ。」
お母さんの幻影が足元から少しずつ消えていく――…
:07/08/03 15:25
:N902i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194