ぎんいろのおおかみ〈}イラスト付きBL}〉
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#1 [☆Cocomo☆MILK☆]
むかしむかしのものがたり

その世は妖怪と人間が共存しあっていた

ある者は妖怪を恐れ忌み嫌い

またある者は神神しい彼らを称え奉っていた

しかし時は流れ妖怪の存在は希少たるものとなり

力をつけ増え続けた人間たちは、彼ら妖怪の能力を恐れ、抹殺してしまおうと目論んだ

そんな世の中に一人の少年と孤独な妖怪が出会ってしまう

それはそれは長いお話。

} [jpg/22KB]
⏰:07/08/08 13:39 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#2 [☆Cocomo☆MILK☆]
}セツ}

*妖狐族の生き残り
*年齢不詳
*一人きりで孤独に生きて来た妖怪

セツ [jpg/25KB]
⏰:07/08/08 13:43 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#3 [☆Cocomo☆MILK☆]
}輝夜〈かぐや〉}

*小さな村で生まれ育った少年
*16歳
*両親は他界。人を信じることが苦手

かぐや [jpg/22KB]
⏰:07/08/08 13:47 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#4 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

}皆様ハジメマシテ}

妖怪〈♂〉と人間〈♂〉の恋愛小説ですz
ホムペから引用したものでまだ連載中ですが最後まで書かせていただきます{
感想リクエスト・アドバイスお願いします|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 13:52 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#5 [s2]
 
絵うまい(・3・)
 

⏰:07/08/08 13:54 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#6 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

|s2さん|ありがとうございます|
時間がなくて下書きですが(¥△¥;)


∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 13:56 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#7 [夸夛]
絵がめちゃうま((Δ・。q
イラスト付きは分かりやすいネー(・A・。`q)

⏰:07/08/08 13:59 📱:N702iD 🆔:☆☆☆


#8 [我輩は匿名である]
絵が超うまいですねx
どんな小説になるのか
楽しみですッ~~

頑張って下さい

⏰:07/08/08 14:01 📱:W44K 🆔:OqF.1YOw


#9 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴

|7さん|〈すいませんバカなんで名前読めないですホ(>д<)ホ〉

イラスト付きの方がちょっと面白いかな?と思いました(^^;
駄文と駄イラでよけい見苦しいかもですが(@д@)ハワワホ
ありがとうございます|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 14:04 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#10 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴

|トクメイさん|
ありがとうございます|(≧ε≦)
少しづつ更新していきますね|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 14:05 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#11 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴


何かを成し遂げる

それには見合った代償は付き物だ






――この世は妖気に溢れていた。

各地の至るところには戦いの傷跡が残り

数多くの記録が残されている

人間が刃を向けた相手は〈妖魔〉だった

だが彼らは見た目は一切人と変わらない容姿をしている

⏰:07/08/08 14:14 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#12 [☆Cocomo☆MILK☆]
しかし秘められた力は強大であり

妖魔たちが力を誇示していた数年前までは、多くの村や町が破滅へと追い込まれていた


だが時は流れ、今は彼らの大半が姿をみせないようになっていた

⏰:07/08/08 14:16 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#13 [☆Cocomo☆MILK☆]
当初は不明と言われていた原因は、最近になり環境の変化ではないかと言われている

人が住みやすいように木を切り倒し
火の代わりに石油を使い

多くの進化を遂げてきた

それが昔からこの世に生を受けた妖魔たちの生態に異常をもたらしたのだ、と

⏰:07/08/08 14:23 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#14 [☆Cocomo☆MILK☆]
だが、いまだこの地の奥深い場所では生き延びた妖魔が時々姿を現すと言われている

その妖魔に目をつけられた村は、滅ぼされるか

またはそれなりの対価を支払うことで生きている

――――対価…

村人を生け贄として捧げることで、この村は救われていた

⏰:07/08/08 14:26 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#15 [☆Cocomo☆MILK☆]
「失礼します」

そしてこの少年もまた、生け贄になることを命じられた


「入りなさい」
「…はい」

村長の屋敷へと通され、歩みを進める人物

年は16

幼い風貌に似合わぬ寂しげな瞳は見事な蜂蜜色で彩られ、髪は艶やかな栗色をしていた

⏰:07/08/08 14:33 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#16 [☆Cocomo☆MILK☆]
だが身に着けている衣服は質素であり、その者があまり裕福な暮らしをしていないことは明白だった


「すまないな、輝夜〈カグヤ〉」

「いいえ」

白髪の村長が、かぐや、と呼んだ少年へと視線を向ける

⏰:07/08/08 14:35 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#17 [☆Cocomo☆MILK☆]
輝夜は自分が生け贄えとなる事実を知っても動揺もせず、静かに瞳を閉じた。


周りの者から見ても異質な存在であった少年、輝夜


幼い頃、彼の母親は生け贄となり姿を消した

父はその責任と罪悪感から逃れるように自ら命を絶った

⏰:07/08/08 17:53 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#18 [☆Cocomo☆MILK☆]
輝夜は物心ついた時から両親を奪った妖魔が憎かった

いつか殺してやろうと、そればかりを考え育った


世話が必要な幼少期は村長の元で暮らし、すぐ自立した

だがその珍しい髪と瞳の色、そして美しい容姿を村の者は


『まるで妖魔のようだ』


と言い彼を忌み嫌った

⏰:07/08/08 17:56 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#19 [☆Cocomo☆MILK☆]
誰とも交流を深めず、信じるものは己のみ

ずっとそうして生きて来た



この村に今は数少ない妖魔が現れたのは数年前

村人も滅多に足を踏み入れない森の奥地に、ひっそりとした洞窟を見つけたのが始まり

⏰:07/08/08 17:59 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#20 [☆Cocomo☆MILK☆]
その洞窟の入り口には数日前から行方不明となっていた村の若い娘の亡骸が転がっていた


毎年続いていた天災も、その洞窟を見つけてからはピタリと治まり、村では


『年に一度、あの洞窟に住む妖魔に生け贄を捧げよう』


ということが決められた

⏰:07/08/08 18:01 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#21 [☆Cocomo☆MILK☆]
初めは半信半疑だった村人たちも、生け贄を捧げる際に、洞窟でその妖魔の姿を見た途端、認めざるを得なくなる


輝夜も話には聞いていて、遅かれ早かれ自分もそうなるだろうと悟っていた

⏰:07/08/08 18:03 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#22 [☆Cocomo☆MILK☆]
両親もいない自分を育ててくれた村長にその事実を告げられたのは酷であったが、輝夜は静かに頷いた


「明晩、生け贄の義を執り行う。よいか、輝夜」
「…はい」


生け贄となるものは、前日から施錠された納屋へ入れられ、当日には身体を清める高価な衣服を身にまとわされる

⏰:07/08/08 18:06 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#23 [☆Cocomo☆MILK☆]
今まで生け贄は村の若い女性たちだったが

小さい村ではそれが数年も続けば大きな打撃となってしまう

故に今年は輝夜が選ばれた




輝夜は村人に手を引かれ、納屋へと案内された



これが、最後の夜

⏰:07/08/08 18:20 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#24 [☆Cocomo☆MILK☆]
だが彼に恐れはなかった

生きていても喜びも何も感じない生活

狭い世界

虐げられて生き延びる理由が、自分にはなかった

がちゃん、と施錠される音が、やけに大きく響く

⏰:07/08/08 18:21 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#25 [☆Cocomo☆MILK☆]
狭い納屋のなか、輝夜は天を仰いだ

そこには無数の星明かり

そっと手を伸ばすが、指はむなしく空をつかむばかり


自分になせる、最初で最後のこと

妖魔に身を食われ、命つきようとも構わなかった

ただ一傷でもいい
両親を奪った憎い敵に痛みを与えられれば―…

[jpg/4KB]
⏰:07/08/08 19:16 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#26 [☆Cocomo☆MILK☆]
まちがいなく自分は殺されるであろうことは覚悟の上

なにもせず退屈な生を過ごすこと

それが輝夜にとって何よりの苦痛なのかもしれない


夜明けは間もなく


自分の命も、あとわずかなのだろうと輝夜は夜空を仰ぎながら思っていた


そのときまでは―――

⏰:07/08/08 19:18 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#27 [☆Cocomo☆MILK☆]
夜が明けた

人々にとっては希望の夜明けであっても、輝夜にとってこの目で見れる最後の朝日


だが輝夜はなんの迷いもなく命じられたまま納屋を出、泉へと連れられ身を清めた

幼い頃から太陽の光に弱く、あまり長い時間外で過ごすことができなかった

⏰:07/08/08 20:31 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#28 [☆Cocomo☆MILK☆]
それ伴い、輝夜の肌は雪のように白かった

思わず見張りの村人が息をのむほどの妖艶さ

それは死を前にしてもたじろかず、潤いを帯びた瞳を宿しているのも手伝っていた



身を清めてから、鮮やかな刺繍がほどこされた織物を纏わされる

⏰:07/08/08 20:34 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#29 [☆Cocomo☆MILK☆]
生け贄のものが着るもので、本来女性用として作られた藍色のそれは、細身で色白の輝夜の肌によく映えた


「準備はいいか」
「はい」

朝から村人たちは妖魔の出現を恐れ、家に隠っている

生け贄の義を執り行う村長と、見張り役二名だけで輝夜を森の奥地へ連れて行くことになった

⏰:07/08/08 20:37 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#30 [☆Cocomo☆MILK☆]
生け贄となるものは、例年ここで逃げ出したりあまりの恐怖に発狂してしまうものもいたが、輝夜はなんの抵抗もなく道を歩んでいく


そして森の奥地へたどり着き―――


輝夜はそっと顔をあげ洞窟を見やった

⏰:07/08/08 20:40 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#31 [☆Cocomo☆MILK☆]
木々が茂る森の奥地に、そっと開かれた洞窟


ここで何人の村人が犠牲になったのだろう


輝夜はしばらくそこを見つめ、振り返った


「もうあとは、独りで十分です」

「何か…言い残すことは…」

父代わりであった村長の言葉に、輝夜は目を閉じ首を振る

⏰:07/08/08 20:43 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#32 [☆Cocomo☆MILK☆]
「……ありがとうございます」

「…そうか…」

他の者たちも、昨晩からの輝夜の行動を見てここで逃げ出すだろうとは思わずにいた


これは只の儀式


こうしてまた来年も、誰かが犠牲になるのだろう

村人たちを見送った後、輝夜はそっと洞窟の中に足を踏み入れた

⏰:07/08/08 20:45 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#33 [T]
おもしろ〜いイ
絵とか超うまいしフフ
がんばって下さいト!

⏰:07/08/08 21:44 📱:W51S 🆔:6SequbnM


#34 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
Tさん|
ありがとうございます|
何よりの言葉ですl|まだまだ力不足ですが頑張らせていただきますっd|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 21:52 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#35 [☆Cocomo☆MILK☆]
洞窟の中は、外とは違い空気がひんやりとしていた

足を進めるごとに明かりがない洞窟内は薄暗さを増し、届く光は微かなものだった

ゴツゴツとした岩肌の形を手探りながら、足をとられそうになるのを支える


細長い道


ここを何人の人がどんな思いを抱き足を踏み出したのか

⏰:07/08/08 21:55 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#36 [☆Cocomo☆MILK☆]
―――母さん


輝夜はドクドクと鳴る胸を押さえ、きゅっと唇を噛み締めた



しばらく進んだ頃

洞窟の奥地にたどり着いた

一本道であった洞窟は迷うはずないのだが、この先は行き止まりのようだ

⏰:07/08/08 21:57 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#37 [☆Cocomo☆MILK☆]
目の前の突き当たりには、人が座れそうな大きな平らな岩が一つあるのみ

視線をさ迷わせ姿を探しても誰もいなかった

「……?」


首をかしげてもう一度後ろを振り向いたとき

「…わ、…」

足元に淡い小さな光がゆらりと現れた

⏰:07/08/08 22:00 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#38 [☆Cocomo☆MILK☆]
「なに…コレ」

ゆらゆらゆらめく淡い光はいくつも輝夜の周りをふわふわと飛んでいる

戸惑いながら再び洞窟の奥へと身体を向けた

「……―え…」

大きな岩の近く、そこに一つだけ浮かんだ白い大きな光

⏰:07/08/08 22:03 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#39 [☆Cocomo☆MILK☆]
それはみるみる形を変え、最初に見えたのは銀色

周りに浮かぶ小さな光に照らされ長い髪が目に写る

その光はゆっくりと人の姿に形を変えて――

「…何の用だ」

低く、響く声
今まで聞いたことのないくらいに、美しく凛と輝夜の耳に届いた

⏰:07/08/08 22:05 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#40 [☆Cocomo☆MILK☆]
思わず目を見張る

目の前には長い銀の髪をたたえ、明かりに照らされて光る瞳は見事な翡翠色

じっとこちらを見据える雰囲気で、その人が〈人間〉でないことがわかる

すらりとした長身に、着崩した白い着物がよく似合っていた

「なるほど」

輝夜の着物を見て、彼は目を細めた

[jpg/24KB]
⏰:07/08/08 22:11 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#41 [☆Cocomo☆MILK☆]
笑うためではなく、嘲るような視線で口角を上げた


「今年もそんな季節か…」


輝夜は想像していた「妖魔」と、目の前に現れたその者を見てひどく戸惑った

人食いだの化け物だのと呼ばれていたから、もっと荒々しい妖魔を想像していた

⏰:07/08/08 22:15 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#42 [☆Cocomo☆MILK☆]
しかし彼はどんなに人間の外見であろうと、中身は妖魔だ
自分の母親を食らい、父を死に追い詰めた

ただ目を奪われたのだ
見たこともないような髪の色、瞳…美しさ

輝夜は目をはなせなかった

「貴様が今年の生け贄か?」

彼の声にびくりと我に返り、歩み寄った

―ダマサレルナ

「俺を、たべてください」

―フクシュウノタメニ、オレヲ―

⏰:07/08/08 22:19 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#43 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
いきなりですが感想版作ってしまいました|\此方\
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2643/
どぞ|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 22:28 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#44 [ひよの]
絵うま―…

⏰:07/08/08 22:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#45 [我輩は匿名である]
マジうまっ!!!

⏰:07/08/08 23:08 📱:N702iD 🆔:JGet/XC.


#46 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|ひよのさんへ|

ありがとうございます|うまくはないですが趣味で描いてます(>д<)ナハ
お目汚し失礼しました(>д<)ホ
|匿名さん|
イラスト描くのと小説書くのが好きで…ホ|あわせちゃいました(`▽´)ハハ…(ノ>д<)ノありがとうございますホ

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 23:20 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#47 [空]

読んでますッ
面白い&絵うまい
応援してます

⏰:07/08/08 23:42 📱:SH903i 🆔:dwCMgEMg


#48 [.藍那*]


))Cocomo様

尊敬しますッ
これカらも読ませていただきますね(¨)

⏰:07/08/08 23:45 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#49 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|空さんへ|
ありがとうございますなんという二拍子…ホ感涙lホ
強の更新はここまでにします|またきてくださいね|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 23:46 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#50 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|藍那さんへoかわいい|
ありがとうございますっ|コメントいただくととってもやる気出ます|精一杯書かせていただくのでよろしくお願いしますねT|
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/08 23:48 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#51 [☆Cocomo☆MILK☆]
>>42 から続きます|

⏰:07/08/09 19:12 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#52 [☆Cocomo☆MILK☆]
「……ふん」

輝夜の姿を見据えていた妖魔は、ゆらりと一歩近づいた

小柄な輝夜とは歴然とした身長さ
自然と顔を見上げる形となる

「手が震えている」

妖魔は小さく笑った

その言葉通り、輝夜は無意識に握りしめていた手が震えているのに気が付いた

―――俺…怖い、のか…―?

⏰:07/08/09 19:15 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#53 [☆Cocomo☆MILK☆]
目の前には両親を奪った憎き敵

殺せずとも傷を負わせるだけでもいいと目論んでいたのに

しかし突然身体を駆け巡った「死」、「恐怖」――――

じわりと汗が滲むのを感じた

ふと、目の前の彼がそっと手を伸ばした

氷のように冷たい指先が頬をなぞる

⏰:07/08/09 19:18 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#54 [☆Cocomo☆MILK☆]
ひやりとした感触に、びくりと肩が跳ねた

「俺が怖いか」

心を見透かしたような瞳
輝夜は挑むようにその翡翠の瞳をまっすぐ見つめた

「いいえ」

凛と答えた声音に、ガラス細工のような彼の目が妖しく細められた

「そうか」

⏰:07/08/09 19:21 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#55 [我輩は匿名である]
頑張れ(^ω^)

⏰:07/08/09 23:57 📱:D903i 🆔:Vn27077.


#56 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|匿名さん|
ありがとです|今日の夜にまた更新します|

∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/10 08:21 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#57 [早姫]
絵美味すぎ!!!!!
小説の書き方も上手い
です!!!!
コツとかあるんですか??

⏰:07/08/10 08:43 📱:P702iD 🆔:.B/eHAc2


#58 [早姫]
漢字間違えました
「絵美味すぎ」でわなく
「絵上手すぎ」でした(汗
無駄なスペースとってすみません。

⏰:07/08/10 08:46 📱:P702iD 🆔:.B/eHAc2


#59 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|早姫さんへ|
コメありがとうございます|
コツは…ないですホ絵を描く事も、小説を書く事も好きなのですがまだ試行錯誤の連続です咸ホ
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/10 12:20 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#60 [☆Cocomo☆MILK☆]
>>52 から続きますP

⏰:07/08/10 19:53 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#61 [☆Cocomo☆MILK☆]
>>54 でしたソ

⏰:07/08/10 19:54 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#62 [☆Cocomo☆MILK☆]
笑い、彼はそっと輝夜に近づいた

整った顔が近づき、白い首筋へと寄せられる

「…っ」

殺される――

ぎゅっと目をつぶり、痛みを待っていた輝夜の予想とは反し
さらけだした首筋には暖かいものが触れた

「…っん」

⏰:07/08/10 19:57 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#63 [☆Cocomo☆MILK☆]
気付けば軽く吸い付き残されたうっ血

そのままゆっくりと体が離れていく

戸惑い視線を向けると、そこには口角をあげ微笑する美しい顔

「オマエ…名は?」

今から殺す者に名前など聞いてなんになるのか

そう思いながら、輝夜は口を開いた

「輝夜…」
「輝夜。…そうか」

[jpg/23KB]
⏰:07/08/10 20:01 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#64 [☆Cocomo☆MILK☆]
確かめるように名を繰り返すと、妖魔は身を翻し、岩肌へと腰を下ろしてしまった

「あ…あの…」

自分に与えられたのは痛みでも恐怖でもなく甘美な痛み

こんなはずではなかった

虚をとられたように戸惑い呼び掛けると、その人は口を開く

⏰:07/08/10 20:05 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#65 [☆Cocomo☆MILK☆]
「オレは元から人を食らう習性などない」

「え……?」

聞き間違いか

輝夜は耳を疑った

「そん…な、はずは…」

毎年恒例のように生け贄に出されているものがいるはず

なにより洞窟前で発見された若い娘の亡骸

どういう事だと困惑した輝夜の疑問を感じとり、微かに笑った

⏰:07/08/10 21:31 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#66 [☆Cocomo☆MILK☆]
「…洞窟の入り口にあった亡骸は俺の仕業ではない。
熊か何かに襲われたんだろう」

「毎年の生け贄…は…?」

「逃がしている。
この森を抜けた所にある、小さな町へとな…」

生け贄として差し出された時点で、その者の人生は終わる。

⏰:07/08/10 21:34 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#67 [☆Cocomo☆MILK☆]
たとえ生き延びたとしても、村の怒りを買ってしまうことは明白だった

それを知っているこの妖魔は、村の者達が足を踏み入れない地まで彼らを逃がし、そこで新たな暮らしをするように言い渡していたと言うのだ

⏰:07/08/10 21:35 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#68 [☆Cocomo☆MILK☆]
「そんな…じゃあ…母さん…は……」


――生きている――――?


震えた唇から漏れた声に、妖魔が眉を寄せた

「母さん?」

ドクドクと早い鼓動に耐えきれず、輝夜は彼の元へ飛び付いた

「あの…っ!13年前に、俺の母さんが生け贄にされたんだ!もし…もし何か知っているなら…!」

⏰:07/08/10 21:38 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#69 [☆Cocomo☆MILK☆]
今にも泣き出してしまうんじゃないかと思うくらい切羽詰まった表情

着物の襟を強く握り絞めながら訴える少年に、妖魔は一瞬目を見張り
そして小さく息を吐いた

「ほとんどの者はあの町で暮らしているはずだ…今は保証しかねるがな」

⏰:07/08/10 21:41 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#70 [☆Cocomo☆MILK☆]
その言葉に輝夜は胸の中が熱くなるのを感じた

―ああ、母さん
あなたが生きているかもしれないなんて――…!――――

「……今日はもうじき日が暮れる。
明日の朝、その町まで案内してやろう」

「…え…」

「会うんだろう、母親に」

⏰:07/08/10 21:43 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#71 [☆Cocomo☆MILK☆]
襟を握りしめる輝夜の手をそっとほどき、立ち上がった妖魔が言った

「いっいいんですか!?」

「良いも何も。
オマエもどのみちあの町へと送り届けるつもりだった」

さも当たり前のようなセリフ

輝夜は驚きと喜びに頭を深く下げた

「ありがとうございますっ!
ありがとうございます…!」

⏰:07/08/10 22:27 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#72 [☆Cocomo☆MILK☆]
嬉々として例を繰り返す輝夜を見下ろし、妖魔はふと笑った

「オマエは面白いな、輝夜。
こんな奴は初めてだ」

その笑顔に、顔をあげた輝夜はどきりとする

⏰:07/08/10 22:29 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#73 [☆Cocomo☆MILK☆]
冷たい印象とは裏腹に、優しい微笑み

こんな表情をする人が妖魔だなんて信じられなかった


住みにくい今の世界

その片隅で、暗い洞窟の中ひっそりと独りで生きる

それはどこか自分に似ていると感じた

「………………。
飯は食ったのか」

顔を曇らせた輝夜を無言で見つめていた妖魔が口を開く

⏰:07/08/10 22:41 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#74 [☆Cocomo☆MILK☆]
「あ…いえ…」

「腹が空いただろう。
何か食えるものを探してくる。オマエはここにいろ」

そう言ってきびすを返した彼の背に、輝夜は気付けば呼び止めていた

「あっ、あの…」

輝夜の声に振り返った彼が視線だけで呼び掛けに応える

⏰:07/08/10 22:43 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#75 [☆Cocomo☆MILK☆]
輝夜は何て言えばいいか言葉を探しながら口を開いた

「あの…貴方はずっとこの洞窟に…?」

「………ああ」

「独り…で?」

その言葉に彼は一瞬だけ驚いた表情を浮かべた

「…この世は…オレのような存在には住みにくいからな…」

⏰:07/08/10 22:46 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#76 [我輩は匿名である]
<center>


頑張れ(^ω^)

⏰:07/08/11 01:22 📱:D903i 🆔:3wyEMZTc


#77 [Μ]
絵好き

⏰:07/08/11 02:12 📱:P901iS 🆔:0YzShz1M


#78 [あ]
絵うまっ!!

絵もっとみたい

⏰:07/08/11 05:30 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#79 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|トクメイサン|
ありがとです|がんばりますP~
|Mさん|
まだまだ進歩して見やすくわかりやすい絵を書きたいと思います|ありがとうですP
|あさん|
イラストは更新ごとに増やす予定なのでお見苦しいですがよろしくおねがいします|
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/11 08:20 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#80 [☆Cocomo☆MILK☆]
|お知らせ|
今日〜水曜夜まで旅行に行ってきますc
しばらく更新が途絶えますが、放置ではありませんホ
次回更新は木曜からとなります|
みんな忘れないでねl|藁
それではc

⏰:07/08/11 17:36 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#81 [妃狩]
楽Uンできてねェェ

⏰:07/08/11 20:52 📱:P702iD 🆔:cbVG1zFo


#82 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|妃狩さんへ|
ありがとうございます☆ただいま帰りましたので少し更新します|
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/15 17:25 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#83 [☆Cocomo☆MILK☆]
>>75 より|

⏰:07/08/15 17:41 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#84 [☆Cocomo☆MILK☆]
人々から恐れられ、異形の者とされている妖魔

かつては世を脅かす存在であったが、希少となった今ではひっそりと生き延びるのみ

まだ人々に被害を与え続けている妖魔など実はもう存在しないのかもしれない

見た目は人とさほど変わらない彼ら

ただ力を持ち生まれてしまっただけ

⏰:07/08/15 17:54 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#85 [☆Cocomo☆MILK☆]
生まれついた時から
妖魔と妨げられ

いつしか人間から迫害される

いったい彼はどれほどの気持ちを抱え生きて来たのだろう

たった独りで


「あの…」

「何か探してくる。
…大丈夫だ。すぐ戻る」

気まずそうに見上げた顔を、彼は不安だろうと思ったらしい

⏰:07/08/15 17:58 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#86 [☆Cocomo☆MILK☆]
彼の手があやすように頬を撫でた

優しく細められた翠の瞳

その瞳孔は縦になっていて、まるで猫のようだと思った

思わず見惚れていると、彼は小さく笑ってくるりと背を向けた
銀の長い髪がさらりと揺れる

⏰:07/08/15 18:00 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#87 [☆Cocomo☆MILK☆]
「セツ」

「え…?」

「オレの、名だ」

振り向かずに呟かれた言葉

彼はそのまま洞窟の外へと歩いて行った

足元に浮かぶオレンジの小さな光の球が暗い洞窟を照らしている

彼の背が見えなくなっても、輝夜はじっと奥を見つめていた

セツ

貴方の名

それは輝夜にとって生涯忘れえぬ名となる

⏰:07/08/15 18:03 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#88 [ぱなっぷュ]
更新されてる}

⏰:07/08/15 18:15 📱:W51P 🆔:.Sz.WziY


#89 [☆Cocomo☆MILK☆]
――――――――――――――――

パチパチ燃える小さな焚き火

彼が戻るまでの間に、輝夜が焚き起こしたものだ

それをぼんやり眺め、小さく息を吐いた

「肉は嫌いか?」

「…いえ」

「食わないのか?ほら」

「…………」

付き出された肉の塊を、輝夜は苦々しく顔を歪ませた

⏰:07/08/15 18:16 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#90 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|ぱなっぷさんュ|
ただいまです咐|
更新しますよ「P
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/15 18:19 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#91 [☆Cocomo☆MILK☆]
あれからほどなくして、セツと名乗った妖魔が洞窟に戻ってきた

薄暗く静かな洞窟に一人残され、押し寄せた不安と恐怖

戻ってきたセツの姿を見、ほっとするのもつかの間

「何か探してくる」と自分のために食料を探し戻った彼の両手にはその「何か」が力なく垂れ下がっていた

⏰:07/08/15 18:22 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#92 [☆Cocomo☆MILK☆]
まだ小さい野うさぎに、ずるずる引きずっている長いシマ蛇

どちらもぐったりとしていて、それが息をしていないことが分かった

思わず青ざめた顔のまま後ずさった輝夜を尻目に、セツはどうしたんだと首をかしげ、なれた手付きで野うさぎと蛇を調理し始めた


―――そして今に至る

⏰:07/08/15 18:25 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#93 [☆Cocomo☆MILK☆]
(食わないかって…食べれないよ)

焚き火の前で膝を抱えてうずくまる横で、セツは付きだした肉をじっと見つめた

「…人間は食わないのか」

「?…うさぎ?」

「ああ」

「食べる…けど、そんな目の前でさばかれたら…」

セツがウサギをさばく姿を思いだし、うっと口を押さえる
輝夜にとってその光景はショックの出来事だった

⏰:07/08/15 18:34 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#94 [☆Cocomo☆MILK☆]
「…食うのに食わないのか?」
「うん、あの…いらない」

顔を向けてぱたぱたと手を振った輝夜にセツは眉を寄せ、串刺しの肉を頬張った

「こんなに旨いのに。人間は面倒だな」

「…………」

ぼやかれた言葉

輝夜は何も言わずに込み上げる吐き気を押さえていた



「…すまないな、寝る場所がない」

夜も更け、焚き火も燃え尽きる頃
火に手をかざす輝夜にセツが呟いた

⏰:07/08/15 18:39 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#95 [☆Cocomo☆MILK☆]
「いえ…そんな」

彼は自分を食らおうとはしなかった

明日には母を届けた村まで送ると言うが、仮にも自分は生け贄の身

そんな言葉をかけてくれるなんて本当なならあり得るはずがないと思った

「眠いだろう。
…気が休まるとは思わんが…」

「え…、わ…っ」

⏰:07/08/15 21:57 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#96 [☆Cocomo☆MILK☆]
セツは輝夜を軽々と抱き上げ、そのまま腰を下ろした

「固い地面よりはいくらかマシだ」


そう言い、自分の腕の中に身を預けさせた輝夜を見下ろして小さく笑んだ

輝夜は突然のことに目を見張り、しかしおとなしくセツに身を預けた

⏰:07/08/15 22:06 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#97 [☆Cocomo☆MILK☆]
セツの腕の中にすっぽりと収まる形のまま、そっと胸に顔を寄せた

セツの体温は低く、ひんやりと肌に感じて心地良い

ぱちぱちと小さくなる焚き火の炎を見つめるうちに、まぶたが重くなってきた

「…明日、楽しみだな…」

「ん?」

「母さんに…会える」

⏰:07/08/15 23:00 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#98 [☆Cocomo☆MILK☆]
呟いた輝夜の細い肩を、セツはぽんぽんと叩いた

「よかったな。
…きっと会えるさ」

「…ん…」

セツの、囁くように小さく笑った低い声

輝夜はセツのゆっくりした心臓の音や、優しく背を叩いてくれる手のひらに安心し、とうとうまぶたを下ろした

⏰:07/08/15 23:06 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#99 [☆Cocomo☆MILK☆]
「…おやすみ、輝夜」

訪れた睡魔に、意識を沈みこませる瞬間優しく暖かい声が耳を掠めた

同時に体を引き寄せられた感覚と、唇に柔らかい感触

ああ、これってキスってやつだ―――――

それは夢の中か現実か

確かめる前に、輝夜は深い眠りに落ちた

⏰:07/08/15 23:10 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#100 [椎鑼]
この小説好きです
続きが気になってしかたがありません

⏰:07/08/16 01:08 📱:P902iS 🆔:.PHactME


#101 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|椎鑼さんへ|
ありがとうございます滾Pお見苦しいですが最後まで頑張りますのでよろしくです滾P
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴

⏰:07/08/16 15:48 📱:W51S 🆔:☆☆☆


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