ぎんいろのおおかみ〈}イラスト付きBL}〉
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#125 [☆Cocomo☆MILK☆]
ぎこちなく返事を返し、ふと彼の身体見る
同じ性であっても自分とは似付きもしない逞しい身体
察するに、セツも輝夜と同様上に掛けられた羽織の下は何も身につけていないようだった
昨夜の情事を思いだし、サッと頬に朱が走る
いくら最後まで身体を繋がなかったとしても、はじめての経験だった輝夜にとってはどちらも同じことだった
(…なんか…恥ずかしい…)
:07/08/17 18:21 :W51S :☆☆☆
#126 [☆Cocomo☆MILK☆]
セツの顔が直視できない
精気を与えたとはいえ、輝夜が感じたのは痛みでも恐怖でもない
じわじわと身体を侵食されていく熱い熱に、甘い快楽
相手が相手なだけに身体の異変も気になったが別状変化はなさそうだ
気まずそうに顔を背けたままの輝夜に、セツの腕がそっと伸ばされる
「輝夜…」
:07/08/17 19:37 :W51S :☆☆☆
#127 [☆Cocomo☆MILK☆]
しなやかな指先が細い輝夜の腕を捕らえる
そのままぎゅっと後ろから抱き締められ、輝夜は息を詰めた
「…ありがとう。感謝している」
首筋に顔を埋めたセツが呟く
綺麗な長い銀糸がさらりと肩を撫で、どきりと胸が鳴った
「…そんな…俺の方こそ………ごめん」
:07/08/17 19:41 :W51S :☆☆☆
#128 [☆Cocomo☆MILK☆]
ぽつりと小さく言った輝夜に、セツは顔をあげ眉を寄せた
「…なぜオマエが謝るんだ」
「だって…なんか…気使わせちゃったみたいだから…」
妖魔と交わった人間は寿命が縮まり、最悪死んでしまうかもしれない――――…
そう言われて、少なからず恐怖した自分
妖魔であるセツなら自分を無理矢理犯し、殺すことも他愛もないことだろう
しかし彼は輝夜の気持ちを汲み取ってくれた
:07/08/17 19:49 :W51S :☆☆☆
#129 [☆Cocomo☆MILK☆]
うつむいた輝夜の身体を抱き締める腕に、力がこもる
「お前が気にすることじゃない。
……オレが…お前を死なせたくないと思ったんだ」
初めて自分以外のものに興味を持った
輝夜は妖魔である自分を特別視せず、恐れずに向き合ってくれている
死なせたくない――
ふつふつと沸き上がった言いようのない感情に、セツは苦笑いをこぼした
:07/08/17 19:54 :W51S :☆☆☆
#130 [☆Cocomo☆MILK☆]
「セツ……あの…ちゃんと…妖力は…」
「ああ、だいぶ身体が楽になった。
…すまないな、はじめての相手がオレみたいな奴で」
「そんな…っ」
思わず振り向き、緑の瞳と視線がかち合う
綺麗な顔立ちに、真っ直ぐ見つめられ、輝夜は再びうつむいてしまった
「そんなことない…後悔してないよ」
うつむいたままの顔はうかがえなかったが、耳が赤いのを見る限り輝夜は照れているようだった
:07/08/17 20:19 :W51S :☆☆☆
#131 [☆Cocomo☆MILK☆]
「俺…セツで良かったよ」
顔をあげた輝夜は、はにかんだように笑った
照れたような、嬉しそうな笑顔
それは暖かく心に焼き付いて――――
瞬間、ずきりとセツの胸に痛みが走った
痛みの理由は分かる
これはきっと
恋、だと
セツは抱き締めていた腕をするりと離した
これ以上、輝夜をそばに置いてはいけない―――…
「セツ…?」
:07/08/17 20:27 :W51S :☆☆☆
#132 [☆Cocomo☆MILK☆]
急に身体を離され、輝夜は不安げにセツの顔を覗き込んだ
「俺…何か…」
「すまないが時間がない」
輝夜の言葉をさえぎり、セツは地面に投げられた着物を羽織った
黙ったまま服を着る後ろ姿に、輝夜は困惑した
―――俺、何か気にさわるようなこと言ったかな…
「あの、セツ…」
:07/08/17 22:10 :W51S :☆☆☆
#133 [☆Cocomo☆MILK☆]
しゅるりと帯を巻き終え、セツは長い前髪をかきあげた
その様子を見ていた輝夜はいたたまれなくなり、自らも掛けられた羽織を身につけた
(……急に…どうしたんだろう)
もやもやと不安が押し寄せて、焚き火に木をくべ始めた背中を見つめた
「…用意が出来たら此処を発つ。道は長い。ちゃんと準備しておけ」
「…うん」
それから一度も、セツは振り返らなかった
:07/08/18 03:18 :W51S :☆☆☆
#134 [☆Cocomo☆MILK☆]
:07/08/18 03:20 :W51S :☆☆☆
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