ぎんいろのおおかみ〈}イラスト付きBL}〉
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#137 [我輩は匿名である]
あげァ
:07/08/19 16:15 :W44K :KYOoG3Us
#138 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
皆様アゲありがとうございます(>д<)ホ
感激です(/_;)
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:07/08/19 21:22 :W51S :☆☆☆
#139 [☆Cocomo☆MILK☆]
:07/08/19 21:44 :W51S :☆☆☆
#140 [☆Cocomo☆MILK☆]
――――――――――――――――――…
洞窟を発ってから二時間後
細い獣道を進みながら、ようやく目的の村の側まで着いた
その間、二人は終始無言だった
聞きたいことも言いたいことも山ほどある
しかし輝夜は黙々と歩くセツの姿を黙って見つめ、歩を進めた
おぼつかない足取り
山道に慣れていない輝夜は何度も草根や岩に足を取られそうになる
:07/08/19 21:55 :W51S :☆☆☆
#141 [☆Cocomo☆MILK☆]
それを察したセツは何も言わずに歩を緩め、輝夜が歩きやすいよう生い茂る木の枝や雑草を掻き分けながら先導した
「…この先が村だ」
先を歩いていたセツがぴたりと足を止めた
言葉通り、すぐ先の林から民家や煙が立ち上っているのが見えた
「オレはこの先には行けない。もう大丈夫だろう」
「あの…!」
反射的に、引き返そうとしたセツの袖を引く
眉を寄せ見つめたセツに、輝夜はパッとそれを離した
:07/08/19 22:01 :W51S :☆☆☆
#142 [☆Cocomo☆MILK☆]
「ごめんなさい…あの、…なんて…言ったらいいのか」
生け贄として捧げられ、その機会にと復讐すら企てていた自分
それをこんな予想もしない転機に導いてくれたセツ
このまま村へ行き、母親と共に過ごせるかもしれないという期待が輝夜にはある
しかし、セツには希望も何もない
きっとこのまま彼はあの洞窟へ戻るのだろう
彼を待っているのは孤独と暗闇―――
:07/08/19 22:07 :W51S :☆☆☆
#143 [☆Cocomo☆MILK☆]
泣きそうに顔を歪め、うつむいた拍子にぽろりと小さな滴が落ちた
「俺…何もできなくて、ごめん…」
耐えるように唇を噛み締めた輝夜
その色素の薄い栗色の髪に、セツはポンと手のひらを乗せた
「なぜお前が泣く。
…お前が幸せになれば、俺も救われるんだ」
輝夜はのろのろと顔をあげた
セツは小さく笑い、赤くなった目尻をそっとなぞった
「ほら。母親に会うのに。泣いている奴がいるか」
:07/08/19 22:14 :W51S :☆☆☆
#144 [☆Cocomo☆MILK☆]
これからお前が母親を守っていくんだぞ、
と柔らかく微笑んだセツに、緩んだ涙腺から再び涙がこぼれそうになる
しかしそれをぐっと押さえ、輝夜はゴシゴシと目元を擦った
「…うん。ごめん。
……セツ、本当にありがとう」
ようやく笑みを見せた輝夜にセツは微笑み、きびすを返した
森の奥へと戻っていくセツの姿
その銀の色が見えなくなるまで、輝夜はずっと見つめていた
:07/08/19 22:26 :W51S :☆☆☆
#145 [☆Cocomo☆MILK☆]
――――――――――――――…
その村は小さく、どこか閉鎖的だった
まだ日も真上だというのに、人の姿は極わずか
ぽつぽつと並ぶ平屋には自給自足であろうそれぞれの畑が耕されていた
(どうしよう…とにかく話を聞かないと)
きょろきょろと辺りを見回しながら歩いていると、
「おや珍しい。今時女が流れ者かね」
後ろ背に声を掛けられ振り向くと、桑を持った初老の男が近づいてきた
:07/08/19 22:52 :W51S :☆☆☆
#146 [☆Cocomo☆MILK☆]
薄汚れた衣服に、伸びきった白髭
腰を下りながらよろよろと歩く老人に、輝夜はあわてて駆け寄った
「あのっ…!すいません、人を探しているんですが…」
口を開いた輝夜に老人は驚いたように目を開いた
「女かと思えば男だったか!いやすまない、お前さんの格好がそう見えてしまってね」
声をあげて笑った老人に、輝夜は思わず自分の羽織に目を落とした
(あ…生け贄の服は女物だからか…)
:07/08/19 23:00 :W51S :☆☆☆
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