ぎんいろのおおかみ〈}イラスト付きBL}〉
最新 最初 全
#83 [☆Cocomo☆MILK☆]
:07/08/15 17:41 :W51S :☆☆☆
#84 [☆Cocomo☆MILK☆]
人々から恐れられ、異形の者とされている妖魔
かつては世を脅かす存在であったが、希少となった今ではひっそりと生き延びるのみ
まだ人々に被害を与え続けている妖魔など実はもう存在しないのかもしれない
見た目は人とさほど変わらない彼ら
ただ力を持ち生まれてしまっただけ
:07/08/15 17:54 :W51S :☆☆☆
#85 [☆Cocomo☆MILK☆]
生まれついた時から
妖魔と妨げられ
いつしか人間から迫害される
いったい彼はどれほどの気持ちを抱え生きて来たのだろう
たった独りで
「あの…」
「何か探してくる。
…大丈夫だ。すぐ戻る」
気まずそうに見上げた顔を、彼は不安だろうと思ったらしい
:07/08/15 17:58 :W51S :☆☆☆
#86 [☆Cocomo☆MILK☆]
彼の手があやすように頬を撫でた
優しく細められた翠の瞳
その瞳孔は縦になっていて、まるで猫のようだと思った
思わず見惚れていると、彼は小さく笑ってくるりと背を向けた
銀の長い髪がさらりと揺れる
:07/08/15 18:00 :W51S :☆☆☆
#87 [☆Cocomo☆MILK☆]
「セツ」
「え…?」
「オレの、名だ」
振り向かずに呟かれた言葉
彼はそのまま洞窟の外へと歩いて行った
足元に浮かぶオレンジの小さな光の球が暗い洞窟を照らしている
彼の背が見えなくなっても、輝夜はじっと奥を見つめていた
セツ
貴方の名
それは輝夜にとって生涯忘れえぬ名となる
:07/08/15 18:03 :W51S :☆☆☆
#88 [ぱなっぷュ]
更新されてる}
:07/08/15 18:15 :W51P :.Sz.WziY
#89 [☆Cocomo☆MILK☆]
――――――――――――――――
パチパチ燃える小さな焚き火
彼が戻るまでの間に、輝夜が焚き起こしたものだ
それをぼんやり眺め、小さく息を吐いた
「肉は嫌いか?」
「…いえ」
「食わないのか?ほら」
「…………」
付き出された肉の塊を、輝夜は苦々しく顔を歪ませた
:07/08/15 18:16 :W51S :☆☆☆
#90 [☆Cocomo☆MILK☆]
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴|ぱなっぷさんュ|
ただいまです咐|
更新しますよ「P
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
:07/08/15 18:19 :W51S :☆☆☆
#91 [☆Cocomo☆MILK☆]
あれからほどなくして、セツと名乗った妖魔が洞窟に戻ってきた
薄暗く静かな洞窟に一人残され、押し寄せた不安と恐怖
戻ってきたセツの姿を見、ほっとするのもつかの間
「何か探してくる」と自分のために食料を探し戻った彼の両手にはその「何か」が力なく垂れ下がっていた
:07/08/15 18:22 :W51S :☆☆☆
#92 [☆Cocomo☆MILK☆]
まだ小さい野うさぎに、ずるずる引きずっている長いシマ蛇
どちらもぐったりとしていて、それが息をしていないことが分かった
思わず青ざめた顔のまま後ずさった輝夜を尻目に、セツはどうしたんだと首をかしげ、なれた手付きで野うさぎと蛇を調理し始めた
―――そして今に至る
:07/08/15 18:25 :W51S :☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194