大好きな春へ ...≪BL≫

―夜―

春「わぁ！星が...///」

勇「山奥ですから
　よく見えますねぇ」

海「春日、浴衣の帯
　きつくないか？」

春「はいっ☆ﾆｺ」

僕が笑えば海斗さんは
少し照れる。

それを見て勇気さんが
こっそり笑ってる
　

　
いつまでも続いてほしい

この楽しい時間が...
でも、そうもいかない
事ってある

海「....春日」

春「？...はい」

海「話しておきたい事が
　あるんだ。」

春「？」

勇「...俺はずします」

海「いや、居てくれ」
　

海斗さんはいつになく
真剣な顔をしていた。

真剣だけど...
言いづらいって顔

そして口をひらいて
出た言葉は、僕を硬直
させた...

海「今の話し信じるか？
　誘拐されて１ヵ月間
　お前は誠二に虐待
　されていた。」
　

　
僕が誠二さんに虐待されていた..？しかも無理矢理
犯されてたなんて...

春「そんなのｯ
　信じれるわけない！」

海「誘拐されてから
　１ヵ月間の記憶ある？」
春「そんな子供の頃の
　事なんてｯ...あるよ！
　桜が満開で綺麗だった」　

　
勇「よく思い出して...
　誘拐された時はまだ
　桜は咲いてなかったの
　では...？」

春「ぇ...」

海「お前が桜を見たのは
　誠二の部屋の窓から
　見た景色だろ...
　連れ去られる時だよ。
　桜は咲いてたか？」
　

　
誠二さんは公園に一人で
居た僕を誘拐した...

公園には桜の木がある。
その桜の木には花が...

春「....！？...―――」
海「春日、誘拐された時
　桜は咲いてなかった。
　なのに誠二の部屋から
　見た桜は咲いてた。
　....なんでだ？」

　
春「...ｯ....日にちが
　たったから...ｯ..」

あぁ....そっか...
そうだった。
誠二さんに感じた
違和感...

海「なんで日にちが
　たったか思い出した？」

春「ﾋｯ..ｩ..ｯ...
　僕、誠二さんに...
　酷い事..されたｯ..」
　

　
海「...春日」

　ギュｯ

僕は誠二さんの事が
本当は怖くて、逆らえ
なかったんだ...。

海斗さんに抱きしめられながら、僕は鮮明によみがえる記憶が怖くて体が奮えた

無理矢理の愛だった...
愛してたんじゃなく
愛させられていた。
　

勇「春日さん...」

春「ｩｯ...ふぇｯ..
　ぅわぁぁんｯ..ﾋｯｸ...」

その後はひたすら泣きじゃくった...
海斗さんの優しい腕に
甘えるようにすがり付いた

酷いよ誠二さん...
誘拐された時、８歳だと
思ってたのに...
　

桜が咲いてなかったあの時は...まだ７歳だった。

　サァァァｯ

勇「海斗様、春日さん
　風が吹いてきました。
　中に入りましょう」

海「あぁ...
　春日、行こう。」
　
夜風が冷たい...
僕の心も...
海斗さん、暖めてくれるかな...―――