「純也」
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#2 [あぃみ]
その日私は産まれて初めて「一目惚れ」を体験した。


水商売の友達と二人で、
いつものボーイズに飲みに行った時の事、
店に久しぶりに顔を出したので、いつも私が指名しているトオルはとびきりの笑顔で私を迎えてくれた。
友達のりんちゃんはりんちゃんで指名する、その店のNo.1の男がいて、
同じように迎えてられていた。名前はりょう。

⏰:07/10/04 23:58 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#3 [あぃみ]
りんちゃんはりょうの事をかなり気に入っている。
どこの店にいくよりテンションが上がるから私にはよくわかる。
そう言うとりんちゃんは否定してくるが。


私はと言えば、

実はトオルの事は好きじゃない。
いや、嫌いかもしれない。私はいつも、りんちゃんの付き合いでボーイズバーに立ち寄るのだ。

⏰:07/10/05 00:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#4 [あぃみ]
トオルは私を見つけてすぐ笑顔をくれて、まだ指名していないのに近づいてきた。

「あ〜い〜、まじお前に逢いたかったわー」

わざとらしい所も苦手。

ここのボーイズバーはアットホームである。

乗りがよくて、馬鹿キャラが多いから飽きない。

⏰:07/10/05 00:09 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#5 [あぃみ]
二人で席についた。
店は客がほとんどいない。私達ともう一組。
一人で店に来る人の気が知れない。


トオルはぴったり私の横に座り私の頬をツンツン指でつっついた。

「あいちゃんっ!
逢いたかったっ」


甘えキャラのトオルは私に猫撫で声。


私は何も嬉しくない。
むしろ普通にしていてほしかった。

⏰:07/10/05 16:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#6 [あぃみ]
しばらくそんなトオルに付き合っていると、周りがにぎやかな事に気がついた。
暇だったからだろう。
店の男達はあいとりんの席に集まりだした。

勝手に酒のんでワイワイやってる。これだから水男は嫌いだ。


りんちゃんはコールをかけられて、一気に酒を流し込んでいた。


しかし、面白い奴がいる。みんなそれなりの美形なのに一人だけ馬のような顔の人。名前はたかし。

たかしは落ちキャラだ。
本当に面白い。
私はトオルから逃げるようにたかしと話した。

⏰:07/10/05 17:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#7 [あぃみ]
トオルは少し不機嫌になったのか、席を立ち、
お酒を作るカウンターの所に歩いて言った。


カウンターには一人男がいた。
その後ろ姿は綺麗だった。背が高くて細身な体。


なんどか店に来ていたけど多分見た事のない男。


じっとカウンターの方を見ていた私にたかしが隣で言った。

⏰:07/10/05 22:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#8 [あぃみ]
「気になる?
平気だょ。トオルは怒ったりする奴じゃない。」


「え?違う、トオルじゃなくて、」


「ああ、あいつ?新入りだよ。」


「ふーん。名前は?」


「純也だょ‥」

⏰:07/10/05 22:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#9 [あぃみ]
しばらくするとトオルは戻ってきた。
異常なテンションになっていた。


「あーいー?
こっちおいで?」


しょうがないから隣に座ろうとした。
その瞬間、トオルに腕を引っ張られて膝の上に座る形になってしまった。


「あい?あいはまじで可愛いなぁ」


顔が近い。酒臭くはないけど、このテンションを保てるのに酒がいらないとかスゴイ奴だな。


そんなことを思っていたらトオルは更にエスカレート。私の胸をつんつん突きだした。

⏰:07/10/05 22:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#10 [あぃみ]
「あいちゃん、おっぱい柔らかぁぃ!」


いつの間にか揉みはじめて、私は恥ずかしさを隠し切れず、人前で、こんなふうにされたのは初めてで、誰も気付いてくれなくて、どうしたらいいのかわからなかった。


みんなに助けを求めても、みんな楽しそうにしていて気付いてくれない。
気付いてもにやっと笑って見ないふり。


私は18年間生きてきて、
こんななんとも悲しい気持ちを初めて体験した。

⏰:07/10/05 22:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#11 [あぃみ]
カウンターの方に目をやった。
新入りはもうそこには居なかった。


でも、私達の席の横にグラスを持って立っていた。


「初めまして。
純也でーす。混ざっていいっすか?」



その笑顔に一瞬、時が止まった気がした。

⏰:07/10/05 22:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


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